米調査会社Sensor Tower(センサータワー)によると、2024年1月に世界で最も利用されたECアプリはシンガポールのShopee(ショッピー)でした。本調査は2024年1月の月間利用者数を調べたもので、中国勢が上位を占め、10位までの7つが中国系のサービスとなりました。格安ECサイトとして注目を集めるTemu(ティーム―)は越境ECとして各国で利用者が急増しており、フランスやドイツ、英国で首位を獲得し、米国では首位Amazon(アマゾン)の下につきました。ファッションEC事業者SHEIN(シーイン)は、世界のアプリ利用者数が5位となり、米国や英国、フランス、タイ、ブラジルなどで上位5位以内にランクインしました。中国勢のEC戦略は独自アプリを世界展開するだけでなく、各国の有力アプリへの出資を通じて勢力を展開しています。例えば、中国大手EC事業者のAlibaba(アリババ)はAliexpress(アリエクスプレス)やXianyu(シェンユー:閑魚)など独自アプリに加え、シンガポールのLazada(ラザダ)やトルコのtrendyol(トレンディオール)など出資や買収を行い各地域に進出しています。中国勢が台頭する中、独自のEC市場を確立しているのが日本とインドです。日本ではAmazonに続き、メルカリと楽天が利用者シェア3位を占め、上位10位内にランクインした中国系ECアプリはTemuのみでした。インドはTikTok(ティックトック)など中国系アプリを禁止している背景から、自国企業がランキングを占め、Flipkart(フリップカート)が首位、3位にMeesho(ミーショ)、4位にmyntra(ミントラ)が続きました。中国勢が席巻するなかAmazonを筆頭に米国系アプリも存在感を示しており、米中陣取り合戦が激しくなっています。
情報源:日本経済新聞 「利用者が多い電子商取引アプリ 中国勢席巻、「ショッピー」首位」(2024/3/11)