【オウリー通信】自動販売機を使った海外のプロモーションに注目!

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なんとストレスをさげないとジュースが出てこない自動販売機があるんだって!

自動販売機といえば、日本では当たり前のように街中にみかけますよね。海外では、金銭や商品の盗難のリスクから日本ほど普及していなかったです。しかし、近年、キャッシュレス化が進むにつれ自動販売機の設置が増加しているようです。さらに、最近はプロモーションの場としても、活用されるようになってきています。ここでは海外のユニークなプロモーション事例をいくつか紹介します。

◎ショッピングモールでオムツの自動販売機が登場!アリペイ決済でお試しパック簡単購入

 アリババは、傘下のショッピングモール 銀泰城(INTIME CITY)で、ベビー用品の自動販売機をスマート授乳室の前に設置しています。自動販売機ではおむつや粉ミルク、おしりふきなどのベビー用品をお試しパックとして提供しました。お試しパックは1分(1/100元:約0.17円)で販売し、アリペイ決済で購入できます。このプロモーションには20日間で約400人が参加し、大人気で在庫切れが続出したそうですよ。

 なぜ、アリババはタダ同然の価格に設定したのでしょうか?実は、アリババはおむつを必要とする顧客層のデータを集めることを狙って、このプロモーションを実施したそうです。オムツをタダ同然で貰えるのはお母さんたちにとっては助かりますが「子持ち」という情報がアリババに取得されるのは少し怖い気もします。

※スマート授乳室とはアリババが中国国内の公共施設で展開を進めている、デジタル化された授乳室。室内には、同社のスマートスピーカーGenieがおいてあり、音声で授乳室のカーテンの開け閉めや加湿器のオンオフなどを操作できる。

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<画像:銀泰城のなかに設置されたアリババ 天猫の自動販売>

<情報源:Linkshop 天猫联手线下商场推出智能母婴室 两年将建1000个

<動画:銀泰城のなかにあるスマート授乳室と自動販売機利用イメージ>

<情報源:Alizia Alizila:MOONY LATEST TO JOIN ALIBABA'S 'SMART MOTHERS' ROOM' ROLL-OUT

◎バス停に新商品のサンプルを配布する自動販売機を設置!ちょっとした時間を有効活用!

 あなたはちょっとした待ち時間をどのように過ごしていますか?シンガポールでは、その空き時間を狙って化粧品小売のSephoraが、バス停にサンプルが出てくる自動販売機兼看板を2017年3月末から4月中頃まで設置しました。新商品ライン"Mix & Play Skin Care"のサンプルが入っているカプセルには、近隣店舗でもうひとつ無料サンプルもらうことができる引換券も同梱しました。

 また、自動販売機には性格診断テストのサイトに誘導するQRコードが掲示されており、スマホで読み込むと専用サイトで診断サービスを提供しひとりひとりにあった商品を紹介。診断を受けた人を対象に、シンガポール国内全店舗のSephoraで使える「無料メイクアップ体験」のデジタルチケットを配布しました。

 もしかしたら、このような方法で消費者のちょっとした待ち時間を有効活用した来店促進プロモーションは、今後街中で増えるかもしれませんね。

<動画:Sephoraのバス停併設型自動販売機>

<情報源:Global Cosmetics News:Sephora promotes Mix & Play skin care with vending machines on Singapore streets

◎自動車をスマホ一台で気軽に試乗から購入申し込みまで

 新車の購入を検討する際、気になる自動車の口コミを確認し、ディーラーへ向かい商談を複数回繰り返し...などとても時間がかかりますよね。そこでアリババは、自動車をより気軽に試乗し、購入も「缶コーラを買うくらい簡単なもの」にしたいと考えました。すでに、上海と南京にサービスを開始しており、2018年3月にFord車専用の自動販売機 "Super Test-Drive Center"を広州に開設し、4月23日から開始するようです。

 不正利用を防ぐため、アリババ傘下のアント・フィナンシャルが運営するクレジットスコアリングサービスのZhima(芝麻信用)を活用しています。700点以上のスコアを持つ利用者は無料で試乗サービスを受けることができますが、700点以下の場合試乗料金には料金が発生します。また、乗り継ぎの繰り返しを防ぐため、車種ごとの試乗は1度に限定され、2ヶ月の間に5車種までしか試せません。

 また、この自動販売機のびっくりする点はスマホ一台で簡単に利用できるところです。例えば、街中で気になるFordの自動車を見かけたら、それをタオバオアプリで写真撮影すれば、その場で試乗、さらに購入の申し込みまでできます。

 スマホ一つで試乗予約から新車の購入までができる時代が来るなんて夢にも思いませんでした!今回広州にできた自動販売機はFord専用ですが、それ以外のメーカーの自動車の取り扱いも増えるそうです。近い将来、日本にもこんな自動販売機をみかけるようになるのかな?

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<画像:アリババのFord専用自動車自動販売機>

<情報源:The Verge:Alibaba's car vending machine in China gives free test drives to people with good credit scores

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<画像:店舗内端末でレンタルの認証を行う>

<情報源:The Verge:Alibaba's car vending machine in China gives free test drives to people with good credit scores

<動画:Super Test-Drive Centerの利用イメージ>

<情報源:The Verge:Alibaba's car vending machine in China gives free test drives to people with good credit scores

◎自動販売機と対話しながらサプリのサンプルをゲット!

 たくさんあるサプリメントのなかで、どれを摂取すればいいか迷うことはありませんか?そんなときに、相談できる人が身近にいたらうれしいですよね。サプリメントを販売しているBlackmoresは、2017年の全豪オープン中に対話しながらサンプルやクーポンをもらえる自動販売機を設置しました。

 やり方は簡単で、自動販売機の画面からFacebook MessengerへログインするとBlackmoresのチャットボット「Well Bot」が立ち上がり、Well Botが「栄養、運動、マインドフルネス、美容に関してアドバイスが欲しいですか?Well Botがあなたの助けになります。私のことをパーソナルトレーナーと考えてください。」などと利用者へ話しかけます。利用者は、すべての質問に回答し、さらに会員登録をすませれば、Well botが推薦するその人の体調に合ったサプリメントや、クーポンを配布します。

 自動販売機から離れた後も、Facebook Messengerで引き続きWell Botで健康に関するアドバイスや、クーポンなどが定期的に配信されるようになっています。健康アドバイザーが身近にいてくれると心強いですね。

Blackmores.png<イメージ:全豪オープンの際に設置されたチャットボット付き自動販売機>

<情報源:CMO.com Blackmores aims at consumer wellbeing with AI-powered Well bot

◎ストレスを測る自動販売機が登場!100%リラックス状態でジュースがもらえる

 インドでは若者(22~25歳)の65%は高いストレスを抱えていると言われています。そのうち64%は不眠症からくるうつ病の予備軍とされ、インド国内で問題視されています。そこで、飲料メーカーのSipWiseは、自分のストレス度合を脳波測定することによって数値化し、どれほどストレスを抱え込んでいるか確認できる自動販売機を街中に設置しました。

 この自動販売機には脳波を測定するヘッドセットがついており、利用者はストレスを測定します。一定時間内にリラックスレベルを100%に達成することができれば、リラックス効果の高い健康飲料WhatIfが一本取得できます。

 日本でもストレス社会が問題視されていますが、より気軽にストレスチェックを受けることができ、その場でストレスレベルを下げたらご褒美がもらえる自動販売機があれば「なんて素敵!」と思いませんか?その場でいきなりストレスレベルを下げるのは難しいと思いますけど、自分なりのストレス発散法を見つけるいいきっかけになりそうですね。これは是非試してみたいです。

<動画:WhatIfのキャンペーンイメージ動画>

<情報源:The Ads of the world:WhatIf drinks Vending Machine

◎ショッピングモールで、サソリやタランチュラを販売する自動販売機が登場

 これまでオムツや自動車、サプリメントなど飲料以外の意外な自動販売機を紹介してきましたが、それら全てを上回る驚きの商品を取り扱う自動販売機がドイツにありました。

 JEEPは、人が集まるショッピングモールや、駐車場、またJEEPの販売店にガーリック風味のコガネムシ、タランチュラのグリル、サソリのローストなどが入った自動販売機を設置しました。実は、これはJEEPのオフロードトレーニングのプロモーションでした。この自動販売機では都会に住んでいる人にもっと冒険を味わってもらうため、購入商品の中にオフロードトレーニングに応募できるQRコードを同封。尚、この目を引く自動販売機はネット上でも話題になり合計で20,000以上の商品が配布され、20組が当選しました。

 ミネラル類やタンパク質が豊富なことで注目を浴びつつある昆虫食。ガーリック風味やグリルなどおいしく食べられるように工夫をしてありますが...あなたは食する勇気がありますか?

<動画:JEEPのキャンペーンコンセプト動画>

<情報源:Cannes Lions 2017 Cyber Winners :JEEP SNACK

 いかがでしたか、試してみたい自動販売機はありましたか?ちなみに、自動販売機の起源は意外に古く、古代エジプトで聖水を販売していたそうですよ。今後、どこまで深化するのでしょう?日本でも、おもしろい自動販売機があったら試してみたいですね。

(みさとまと)

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