【EC業界ニュース】Weekly Topics! 1218-1224

Today’s Topic
今週の注目ニュースは、楽天市場が「一律送料無料」配送について、公取委から独禁法違反の指摘を受けことだよ!

国内EC市場の競争が激しくなる中で、楽天の目玉施策である「一律送料無料」に、ついにストップがかかるかもしれません。来春よりサービス提供を開始することを計画している同サービスは、8月初旬の発表以降、出店事業者は交渉の余地なく決定事項として導入が求められました。特に、送料負担による利益圧迫の影響を受けやすい中小企業の不満が募るなかで、ついに公正取引委員会は、この施策が「優越的地位の乱用」に当たり、独禁法に触れる恐れがあると楽天に伝えたことが明らかとなりました。アマゾンの対抗策として打ち出す「一律送料無料」ですが、これにストップがかかると、送料無料で先行するアマゾンに対する競争力が弱まると考えられ、顧客離れに繋がる可能性が出てきます。楽天は、3月18日のサービス開始の変更の決行に向けて準備を進めているそうですが、現状の状況では難しいかもしれません。楽天の希望通りにサービスを開始できるかが注目されます。。

■テンセント、ライブセール機能本格スタートへ

china.png 12月16日、中国IT大手テンセント(Tencent)が、深センでパートナー向けのイベントを開催し、重力放送計画(引力播計画)を発表しました。同計画は、テンセントが今年3月よりパイロット運用を行っていたテンセントライブ(騰訊看点直播)を活用して、ライブセール機能を本格的にスタートさせるというものです。同社は、2020年度にウィーチャットオフィシャルアカウントを有する企業およそ10万店舗にサービス提供を行い、そのうちの1,000の企業が年間売上1,000万元(約1億5,600万円)を実現できるようサポートしていきます。

情報源:Glo Tech Trends 「テンセントが騰訊看点直播(テンセントライブ)を活用しライブセールを本格強化!」(2019/12/19)

■ターゲット、ホリデーシーズンのサービス強化

america.png 12月16日、米小売大手ターゲットが、ホリデーシーズンに向けてサービスを強化しました。店舗の開店時間の延長、24日の同日配送サービスの提供、20日までの注文で24日までに保証された無料配送などのサービスをターゲットの会員でなくても利用できます。また、お薦めクリスマスギフトのリストの提供なども行っています。

情報源:同社プレスリリース "Target Delivers for Last-Minute Holiday Shoppers - No Membership Required"(2019/12/16)

■イーベイ、スニーカー販売の手数料廃止へ

america.png 12月17日、米ネット通販大手イーベイが、北米において100ドル(約1万1,000円)以上のスニーカーを販売する際の手数料を廃止することを発表しました。同社は、販売手数料を掛けないことで、さらなる購買が生まれることを期待しており、数十億規模のスニーカー再販業界において、主要プレイヤーとしての地位を確固たるものにする狙いがあります

情報源:Contact PR Newswire "eBay Eliminates Sneaker Seller Fees for the First Time and Unveils New December Drop Series"(2019/12/17)

■テンセント、唯品会の出資比率を引き上げ

china.png 12月17日、中国IT大手テンセント(Tencent)が、中国割引ネット通販サイト唯品会(VipShop)への出資比率を8.7%から9.6%へと引き上げました。公開市場で、8,419万ドル(約92億円)で647万の米国預託証券を購入し、唯品会CEOに次ぐ第2位の株主となりました。テンセントは、アリババやPDDとの競争が激化する中で、今回の出資から唯品会の主要利用者である若い女性客の獲得を狙っています。

情報源:Technode "Tencent boosts its stake in discount retailer Vipshop to 9.6%"(2019/12/18)

■楽天、独禁法違反か

nihonn.png 12月19日、ネット通販大手楽天が打ち出している「送料無料」の方針について、公正取引委員会が独禁法違反の恐れがあると伝えていたことが明らかになりました。「送料無料」とは、沖縄・離島を除いた地域で3,980円以上の購入をすると配送料が無料になるサービスです。このサービスでは、出店者が配送料を負担することになるため、不満が相次いでいました。楽天は、販売価格の統一化による集客力の向上やあらかじめ商品に配送料を上乗せすることで対応可能と説明してきましたが、配送先が未定の状態では上乗せ金額を設定できないなどと反発にあっていました。同社は、送料無料を来年3月の導入を予定していますが、今後さらに出店者の理解を得るために対話を重ねていく方針であるとコメントしています。

情報源:朝日新聞 「楽天の「送料無料」、独禁法違反のおそれ 来春導入予定」(2019/12/19)

■アマゾン、一年で35億個の荷物を配送

america.png 12月19日、米ネット通販大手アマゾンが、2019年の自社配送網を使用した配送が35億件に上る見通しであることを明らかにしました。同社は自社配送の強化のため、今年の夏にフェデックスとの契約を解消しています。モルガンスタンレーの分析によると、2018年の同社の全体の配送のうち、自社配送網を使用した件数は約20%でしたが、2019年の1月から8月の間で約46%まで引きあがりました。同社は2022年までに自社配送により65億件の配送を行うと想定されています。

情報源:REUTERS "Amazon to deliver 3.5 billion packages through own network in 2019"(2019/12/20)

■ラザダフィリピン、12-12で560万円売上

Philippines.png 12月20日、フィリピンネット通販大手ラザダが行った12-12セールにおいて、過去最大の260万ペソ(約560万円)を売り上げたことが分かりました。11月に行われた11-11「独身の日」セールの2倍以上の売上となり、同セールの最初の24時間で660万件の商品が購入され、セール中にモバイルバッテリーが11万5,000点、靴が50万3,000点、玩具18万7,000点、モバイルフォンが8万点購入されました。

情報源:ABS-CBN NEWS "Lazada says biggest '12-12' shopping cart worth P2.6 million"(2019/12/20)

■アマゾン、日本に納税へ

nihonn.png 12月22日、米ネット通販大手アマゾンが、日本国内での販売額を日本法人の売上として計上する方針に転換し、2017年と2018年12月期の2年間で計300億円弱の法人税を納付していたことが分かりました。従来、日本の取引先との契約は米アマゾンが結び、売上高も米アマゾンに計上していたため、日本での税負担を軽減しているという批判がありました。同社は今後の日本事業拡大のためにも適切に納税するのがよいと判断したとみられます。

情報源:The SANKEI NEWS 「アマゾン、納税へ方針転換 法人税2年で300億円 売上高を日本法人に計上」(2019/12/22)

■インドネシア、免税限度額を引き下げ

Indonesia.png 12月23日、インドネシアで安い海外商品を管理し、国内の小規模企業を守るため、ネット通販で販売される消費財における免税限度額を75ドル(約8,200円)から3ドル(約330円)まで引き下げる方針であることが分かりました。ネット通販で海外から購入された商品は2019年すでに約5,000万件に達していて、昨年の1,960万件から大幅に増加しており、そのほとんどが中国から購入されています。同規制は2020年1月より施行される予定です。

情報源:REUTERS "Indonesia to lower threshold for import taxes on e-commerce goods"(2019/12/23)

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