【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0520-0526

Today’s Topic
今週の注目ニュースは、フェイスブックのコマース機能拡充だよ!
■ウォルマート、決算発表。オンライン事業が好調

america.png 5月19日、米小売大手ウォルマート(Walmart)が、2020年2-4月期決算を発表しました。売上高は、前年同期比8.6%増の1,346億ドル(約14兆5,100億ドル)で、営業利益は同5.6%増の52億ドル(約5,600億円)となりました。オンライン事業は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、宅配需要の急増から売上高が74%増となりました。なお、同社は4月中旬に注文から2時間以内に届ける速配サービスを投入し、EC関連の人材を中心に新たに23万人雇用しています。

情報源:同社決算発表資料"Financial presentation to accompany management commentary Q1 FY2021"(2020/05/19)

■フェイスブック、コマース機能拡充

america.png 5月19日、SNS大手フェイスブック(Facebook)が小規模事業者向けにECサービス「フェイスブック・ショップス(Facebook Shops)」の提供を開始したことを発表しました。同サービスは、事業者がフェイスブックとインスタグラム(Instagram)上でオンラインショップを開設できる無料のサービスです。これまでフェイスブックではマーケットプレイスを展開しており、インスタグラムではユーザーが投稿や広告で取り上げられたプロダクトを購入できる機能がありましたが、これらが統合され、より簡単にオンラインショップの開設できるようになりました。さらに、今回の発表でECプラットフォーム大手のショッピファイ(Shopify)やビッグコマース(BigCommerce)と提携することも明らかにしました。

情報源:同社プレスリリース"Introducing Facebook Shops: Helping Small Businesses Sell Online"(2020/05/19)

■ヨウザン、ソーシャルECで日本進出

nihonn.png 5月19日、中国EC大手ヨウザン(有賛)のCEOが、「ソーシャルEC」で日本市場への進出計画を明らかにしました。同社は中国で543万店によるサービス利用実績があり、2019年の流通総額は645億元(約9,700億円)でした。日本事業の窓口となるヨウザン・ジャパンは、ITサービ会社のインフォデリバと共同出資で設立し、まずは日本企業による中国市場での化粧品や食品のソーシャルECを支援する予定です。今後は日本市場向けにもノウハウを提供していきます。

情報源:日本経済新聞「中国有賛、「ソーシャルEC」で日本進出」(2020/05/21)

■ターゲット、決算発表。オンライン拡大に向けて、インスタグラムでの販売開始

america.png 5月20日、米小売大手ターゲット(Target)が、2020年第1四半期の決算発表を行いました。売上高が196億1,500万ドル(約2兆1,000億円)で、純利益は同64%減の2億8400万ドル(約306億円)となりました。ECサイトの売上高は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、141%増になりました。一方で、宅配にかかるコストの増加などによって、利益は大幅な減少となりました。既存店売上高は店舗とECを合わせると10.8%増ですが、店舗のみの売上高は0.9%増にとどまりました。なお、同社はオンライン販売を拡大するため、インスタグラムでの商品の直接販売を開始しました。

情報源:同社プレスリリース"Target Corporation Reports First Quarter Earnings"(2020/05/20)

■ロウズ、決算発表。オンライン売上拡大

america.png 5月20日に、米家電大手ロウズ(Lowe's)が2020年第1四半期の決算発表を行いました。売上高は前年同期比11.2%増の197億ドル(約2兆1,200億ドル)で、純利益は同27.8%増の13億4000万ドル(約1,445億円)となりました。ロウズは都心部よりも郊外や地方に多く出店していており、地方での売上とオンラインの売上が伸びたことが増収増益の要因として挙げられます。

情報源:同社ニュースリリース"Lowe's Reports First Quarter 2020 Sales And Earnings Results"(2020/05/20)

■ANA、物流ドローン開発へ

nihonn.png 5月20日、ANAホールディングス株式会社と株式会社エアロネクストが物流ドローンの共同開発に向けて、業務提携を結んだことを発表しました。両社は「空の産業革命に向けたロードマップ2019」にて示されている2022年度の「空の産業革命レベル4」(陸上輸送が困難な地域における生活物資や医薬品の配送や都市を含む地域における荷物配送)の実現に向けて必要とされる、高品質かつ安心・安全なドローンの開発を共同で行います。今後は、開発した機体をベースに国内外のドローンメーカーとも連携して量産化し、将来的な輸送インフラの一部として社会普及することを目指しています。

情報源:ANAホールディングスプレスリリース「物流ドローンの共同開発に向け業務提携」(2020/05/20)

■セシールとブレインパッド、ダイナミックプライシング実用化へ

nihonn.png 5月21日、ブレインパッドがファッションECディノス・セシールの運営するECサイト「セシール」にて、ダイナミックプライシングの実用化に向けた取り組みを推進したことを発表しました。両社は、訪問者予測・購買確率予測の2つの予測モデルを構築するとともに、これらのモデルと在庫数を用いて最適な販売価格を算出する数理最適化アルゴリズムを開発しました。これまで「セシール」は、担当者の経験やノウハウに基づき価格変更のタイミングや値引き率などを設定してきましたが、場合によっては適切に需要を捉えきれずに在庫が残るという課題があり、その解決に向けてダイナミックプライシングの手法に着目しました。

情報源:ブレインパッドプレスリリース「ブレインパッド、アパレル業界の「在庫過剰・衣服ロス」を解決するダイナミックプライシングの実用化に向けた取り組みを発表」(2020/05/21)

■アマゾン、インドで食品宅配事業開始

India.png 5月21日、EC大手アマゾン(Amazon.in)がインドで、「アマゾン・フード(Amazon Food)」という食品宅配サービスの提供を開始しました。同サービスは昨年開始を予定していましたが、今年の3月に後ろ倒しとなり、さらに3月はインド政府が全土に出した外出禁止令によって延期となっていました。対象となるのは、バンガロールの一部エリアのみで今後のエリア拡大に関しては明らかになっていません。

情報源:Tech Crunch"Amazon launches food delivery service in India"(2020/05/21)

■国内ライブコマースの終了と開始のニュース

nihonn.png 今週はライブコマースの終了と、開始のニュースがありました。

 5月21日、EC大手ヤフーが、Yahoo!ショッピング内にある「ショッピングLIVE」の機能を6月29日より順次、終了することを発表しました。機能終了日以降は配信済み動画も閲覧できなくなる予定です。なお、同サービスは2017年11月にスタートしました。
 5月22日、国内アパレルブランドシップスがライブコマース「SHIPS SHOPPING TV」をスタートさせました。同社は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、首都圏を中心とした実店舗が臨時休業をしていますが、ライブ動画で、この春に始動した新ブランド「SHIPS any」を紹介しています。

情報源:通販通信「Yahoo!ショッピング、ライブコマース機能「ショッピングLIVE」終了」(2020/05/21)、「シップス、ライブコマース『SHIPS SHOPPING TV』開始...新ブランドも紹介」(2020/05/20)

■アマゾン、プライムデー9月開催か

america.png 5月21日、米EC大手アマゾン(Amazon.com)が年に一度開催する大規模セール「プライムデー(Prime Day)」を2020年度は9月に開催することを決めたと、ウォールストリートジャーナルが報じました。例年プライムデーは7月に開催されていますが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、配送にさらなる負担をかけないために2か月ほどの延期が予定されています。なお、昨年は48時間のセールを開催し、過去最大の注文数となりました。

情報源:The Wall Street Journal"Amazon Targets Fall for Prime Day as it Tries to Return to Pre-Pandemic Operations"(2020/05/21)

■ピンドゥオドゥオ、決算発表。流通総額は前年同期比108%増

china.png 5月22日、中国EC大手ピンドゥオドゥオ(拼多多)が2020年第1四半期の決算発表を行いました。売上高は前年同期比44%増の65億4,110万元(約7,050億円)で、米国会計基準に基づく純損益は41億1,900万元(約4440億円)の赤字となりました。3月31日までの過去12か月の流通総額は、前年同期比108%増の1兆1,572億元(約125兆円)でした。月間アクティブユーザーは、同68%増の4億8,740万人となりました。なお、同社は4月に家電量販大手「国美」が発行する2億ドル(約215億円)の転換社債を引き受け、製品の調達や販売、共同マーケティングなどの戦略的パートナシップを締結しています。

情報源:同社ニュースリリース"Pinduoduo Announces First Quarter 2020 Unaudited Financial Results"(2020/05/22)

■ジオマート、200市町村でサービス開始

India.png 5月23日、インドの通信事業者ジオ・プラットフォーム(Jio Platform)と小売大手ジオ・リテール(Jio Retail)のECベンチャーとして、ジオ・マート(Jio Mart)が新たにサイトを立ち上げ、注文の受付を開始しました。これまではムンバイ郊外の3エリアでのみのサービス提供でしたが、今回エリア拡大によってインド国内200の市町村で、ジオマートの利用が可能になりました。なお、4月にはジオ・プラットフォームにフェイスブックが57億ドル(約6,100億円)の出資し、ECで共同事業を進める発表しており、注目を集めていました。

情報源:Tech Crunch"JioMart, the e-commerce venture from India's richest man, launches in 200 cities and towns"(2020/05/24)

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