【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0428-0511

Today’s Topic
今週の注目は、ウーバーとゴーパフの提携だよ!
●イーベイ、決算発表。売上高が2005年以来最高を更新

america.png4月28日、米ネット通販大手イーベイ(eBay)が2021年第1四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比42%増の30億2,300万ドル(約3,300億円)、純利益は同32%増の5億6,900万ドル(約620億円)、また、GMVは前年同期比29%増の275億ドル(約3,000億円)となりました。なお、同社はアクティブバイヤーが7%増加し、現在グローバルで1億8,700万人のバイヤーがいると述べています。イーベイCEOのジェイミー・イアノー(Jamie Iannone) は「2021Q1の売上高は2005年以来の高い収益となった。この実績はバイヤーとセラーにとっても良いスタートであった。『テクノロジー主導(Tech-led)』のイーベイは今後数年間成長を続けると信じている」と語っており、同社将来の成長にあたり、「テクノロジー主導」長期ビジョンの重要性を示しました。

情報源:同社決算発表資料 "eBay Inc. Reports Better Than Expected First Quarter 2021 Results"(2021/04/28)

●ZHD、2020年度業績を発表!ショッピング事業は好調で前年度45.1%増を記録

nihonn.png4月28日、大手ネットサービスのZホールディングスが2020年度の業績発表を行いました。売上収益は前年対比14.5%増の1.2兆円、営業利益は同3.5%増の1,651億円となりました。コマース事業の実績として、eコマース取扱高は前年対比24.4%増の3.兆円を突破し、とりわけショッピング事業は好調で同45.1%増1.5兆円を記録しました。また、モバイル決済サービスPayPayは、「超PayPay祭」のプロモーションの効果もあり、決済回数は前年対比2.5倍の20億回を突破しました。今回の決算発表で特に焦点があたったのは、メッセージアプリLINEにおける個人情報の取り扱いが挙げられ、中国からのアクセス遮断やプライバシーポリシーの改訂が完了したことに加え、データ保管の完全国内移転を進めていることが発表されました。加えて、Zホールディングスでは今後外部有識者が検証・評価する「グローバルなデータガバナンスに関する特別委員会」を設置することで、グループ内の監督体制の整備、NISTやCBPRといった国際基準への対応に向けた具体的な数値目標の設定、またユーザーが安心してサービス利用できるための説明の徹底も行うとしています。

情報源:同社決算発表資料 「通期および第4四半期決算」(2021/04/28)

●アマゾン、決算発表。従業員向けの予防接種プログラムを順次展開

america.png4月29日、米ネット通販大手アマゾン(Amazon.com)が第1四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比44%増の1,085億1,800万ドル(約11兆900億円)で、営業利益は同224%増加の89億ドル(約9,000億円)となりました。小売関連事業の業績としては、オンラインストアの売上高は前年同期比41%増の529億ドル(約5兆7,518億円)、実店舗販売の売上高は前年同期比16%減の39億ドル(約4,240億円)、サードパーティーセラーの売上高は前年同期比60%増の237億ドル(約2兆5,769億円)となりました。なお、地域別で比べると北米とインターナショナル売上は、引き続き新型コロナ感染に伴う日用品などの需要拡大に伴い、両方とも売上拡大となりました。また、アマゾンも自社での感染拡大予防を強化しており、現地政府や衛生委員会と提携し、現場にいる自社の正社員と契約社員に向けた「新型コロナウイルス予防接種プログラム」を米国から順次展開しています。

情報源:同社ニュースリリース "Amazon.com Announces First Quarter Results" (2021/04/29)

●TikTiok中国版「抖音」、アプリ内にサービス集約の新機能が登場

china.png中国発のショートビデオプラットフォーム「抖音(ドウイン)」が、アプリの新機能を内部でテストし始めました。抖音関係者によると、アプリ内に元々あった「ライブ配信」のボタンを音楽やライブ配信、ネット通販などの主要機能を集約するポータルに変更しました。そのほかにも、同社アプリ内の音楽サイトには、「おすすめ音楽」のようなカスタマイズ機能が導入されており、以前のバージョンと比べて大幅にアップグレードされているそうです。

情報源:36Kr 「TikTiok中国版「抖音」が新機能をテスト ライブ配信やECへのポータルサイトが登場」(2021/04/30)

●花王、中国個人バイヤーと契約、化粧品販売へ

china.png日本大手消費財メーカーの花王は、中国個人バイヤーと契約し、中国人消費者に向けて化粧品を宣伝・販売に取り組み始めました。背景としては、新型コロナウイルスの影響により訪日観光客が減少したため、これまで百貨店での対面販売を重視してきた同社の化粧品事業が打撃を受けたことが挙げられます。口コミが重視される中国市場では「インフルエンサー」や個人バイヤーを経由して商品を購入するのが一般的であるため、花王ではこれら個人バイヤーの影響力を活用し、中国での市場開拓を進めていきます。商品販売の流れとしては、花王の販売員がオンラインで個人バイヤーに商品の使い方について指南し、個人バイヤーが「Wechat」や「Taobao」などのSNSを経由して、フォロワーをはじめとする一般消費者に花王の商品を紹介・販売します。なお、化粧品メーカーが販促のためにインフルエンサーを採用することは普及していますが、花王のように個人のバイヤーを組織化する取り組みは珍しく注目を集めています。

情報源:日本経済新聞 「花王、中国個人バイヤーの発信力活用 化粧品販売で協業」 (2021/05/03)

●ウォルグリーン、米国全土を対象に2時間配送を開始

america.png5月4日、米大手ドラッグストア「ウォルグリーン(Walgreens)」は、米国全土を対象に2時間での当日配送サービスの提供を開始したことを発表しました。約24,000商品を対象としていますが、購入可能商品や配送時間、費用などは地域に応じて異なるとしています。同社では、新型コロナの感染拡大以来積極的に利便性の高い商品の受け取り方法の提供に取り組んでおり、2020年11月には注文から最短30分での店舗受け取りサービスを開始。このほかにポストメイツ(Postmates)、ドア・ダッシュ(DoorDash)、インスタカート(InstaCart)といったオンデマンドデリバリーサービスの活用も進めてきました。

情報源:Walgreens Newsroom " Walgreens Launches Nationwide Contactless Same Day Delivery in Under Two Hours for More Than 24,000 Products "(2021/05/04)

●ウーバーとゴーパフが提携、6月より日用品販売を開始

america.png 米配車サービス「ウーバー(Uber)」とオンデマンドデリバリーサービス「ゴーパフ(GoPuff)」が協業し、日用品販売を強化することを発表しました。6月より95都市を対象に、ウーバーのユーザーに対して、ゴーパフが取り扱う食品や医薬品、アルコール、洗剤といった日用品の販売を開始します。ウーバーパスやイーツパスなどの有料会員は15ドル(約1,630円)以上の注文で、配送料は無料となります。新型コロナの感染拡大に伴い、日用品の配送需要は増えており、既存のスーパーの商品を届けるインスタカート(Instacart)といったオンデマンドデリバリーサービスに加え、ウーバーイーツなどのレストランの食事の配送を行う事業者も、日用品配送に参入しています。ウーバーに関しては、2020年夏より米国内で日用品の取り扱いを開始しており、現在20都市で展開しています。ゴーパフとの協業で、同社の展開する250店舗以上のダークストア(商品ピッキング専用の店舗)から配送を実現することで、対象地域を一気に拡大することができます。なお、ウーバーはこれまで同業他社の買収はしてきましたが、初となる協業であることから注目を集めています。

情報源:Business Wire " Uber and Gopuff Partner to Bring Everyday Essentials to Uber Eats "(2021/05/04)

●ザランド、決算発表。GMVが前年同期比55.6%増

germany.png5月6日、独ネット通販大手ザランド(Zalando)が2021年第1四半期の決算を発表しました。売上高は、前年同期比46.8%増の22億3,780万ユーロ(約3,000億円)で、営業利益は9,300万ユーロ(約123億円)と前年の赤字から大幅改善となりました。なお、アクティブカスタマーは同30.9%増の4,180万人となり、GMVも同55.6%増と拡大しています。同社は「2021年は素晴らしいスタートであり、我々はファッション業界の原点として急速な成長を遂げた」としており、昨年の新型コロナウイルスによる影響から徐々に回復していることを説明し、2021年の業績成長への期待も示しました。

情報源:同社決算発表資料 "Financial Reporting"(2021/05/06)

●ツイッター、ユーザー間送金機能の提供を実験的に開始

america.png5月6日、米大手ソーシャルメディアの「ツイッター(Twitter)」は、ユーザー同士で送金できる新機能の実験を開始したことを発表しました。「チップジャー(Tip Jar)」を呼ばれる新機能を利用するためには、ペイパル(PayPal)やベンモ(Venmo)などの決済サービスとアカウント連携が必要となり、設定後に任意のアカウントに対して送金できるようになります。アンドロイド(Android)端末のユーザーについては、リアルタイム音声配信機能「スペーシズ(Spaces)」経由での送金も可能となっています。まずは、送金する対象を英語圏のクリエーターやジャーナリスト、専門家、非営利団体などに限定しており、アプリの設定が英語であればどの地域のユーザーも送金はできます。ツイッターは順次対象言語や受け取れるユーザーの範囲を広げることを計画しています。このようにクリエーターを支援する仕組みは「投げ銭」として動画配信サービスを中心に普及しており、クリエーターとの支援の仕組みのひとつとして注目を集めています。

情報源:Twitter Japan ブログ 『チップ制機能「Tip Jar」のご紹介』(2021/05/07)

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