【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0519-0525

Today’s Topic
今週の注目は、「中国EC大手の京東が2021年第1四半期の決算を発表」だよ!
●京東、2021年第1四半期の決算を発表。宅配の達達グループへ出資でDX強化を図る

china.png5月19日、中国大手ネット通販「京東(JD.com)」が2021年第1四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比39.0%増の2,032億元(約3兆4,400億円)、総利益は同26%減の17億元(約287億円)、年間アクティブユーザー数は前年同期比29%増の4億9,980万となりました。同社は、第1四半期に「ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)」や「ジョン・ロブ(John Lobb)」、「マルニ(Marni)」などとの提携により、ラグジュアリーブランドの取り扱いを強化しています。また、2021年の旧正月における新型コロナによる「帰省規制(帰省をせず、現地で年越しする)」を背景に、同社は新春ショッピングフェスティバルを開催し、特に春節期間中の配送や返品サービスを強化し、出店事業者からのショッピング体験の向上に取り組みました。なお、同社は中国ローカル宅配プラットフォームの「達達グループ(Dada Group)」へ出資することを発表しました。この出資により、約5億人のアクティブユーザーに対して、達達グループのオンデマンド宅配サービスを提供することが可能となり、京東のデジタルトランスフォーメーションを加速させることもできるとしています。

情報源:同社決算発表資料 "JD.com Announces First Quarter 2021 Results"(2021/05/19)

●シンガポールECのシー・グループ、2021年第1四半期の決算を発表。東南アジアEコマース市場の拡大を受け売上は好調に推移

ASEAN.png5月19日、東南アジア大手ネット通販「ショッピー(Shopee)」の親会社である「シー・グループ(Sea Group)」が、2021年第1四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比146.7%増の18億ドル(約1,958億円)、調整後EBITDAは同179.3%増の8,810万ドル(約96億円)となりました。Eコマース関連事業の売上高は前年同期比250.4%増の9億2,230万ドル(約1,006億円)になったとしています。主な増加要因として、東南アジア全体のEコマース市場の規模が拡大したことや、取引手数料、付加価値サービス、広告などの各収入源が増加したことが挙げられます。また、同社は、2021年2月に第2回オンライン・コード・ワークショップである「ショッピー・コード・リーグ(Shopee Code League)」を東南アジアと台湾で展開することを発表し、人材開発に注力しています。加えて、各地域のセラーのデジタル化・成長支援を目的に、優秀なセラーの表彰にも取り組んでいます。

情報源:同社決算発表資料 " First Quarter 2021 Results "(2021/05/19)

●アリババ、ベトナムコングロマリットへ出資

Vietnam.png5月18日、中国EC通販大手の「アリババ・グループ(Alibaba Group)」は、ベトナムコングロマリットの「マサン・グループ(Masan Group)」の小売部門に4億ドル(約435億円)を出資することを発表しました。マサンは食品・飲料を中心とする消費関連製品の生産・販売をしており、アジアの最も成長しているコングロマリットとしてアリババに注目されています。今回の提携により、マサンがアリババ傘下のECプラットフォームである「ラザダ(Lazada)」のベトナム市場に食料品を提供することが可能になるとアリババ・グループ東南アジア投資顧問のケニー・ホウ氏(Kenny Ho)は紹介しています。また、マサンの実店舗でデジタル関連のサービスを導入するなどのことにより、同社のデジタル化を加速する効果も期待されるとしています。

情報源:Global Banking & Finance " Alibaba leads $400 million funding in Masan's retail firm, first Vietnam investment "(2021/05/19)

●ウォルマートとターゲット、自前配送の実験を開始

america.png米ネット通販大手の「アマゾン(Amazon)」は、これまでネット通販におけるあらゆるデファクトスタンダードとなるサービスを生み出してきました。競合である米小売大手の「ウォルマート(Walmart)」や「ターゲット(Target)」も追随すべく、実験的に自前の配送サービスの提供に取り組み始めています。こうした動きに乗りだした背景として、新型コロナウイルスの影響によりネット通販利用が成長している一方で、宅配ニーズの増加により地場郵便やフェデックス(FedEx)といった大手宅配事業者の負担も増え配送品質を保つことが難しくなっています。フェデックスの主要顧客でもあるウォルマートは、2021年1月よりアーカンソー州で実験的にラストワンマイルデリバリーを自社で提供し始めています。一方で、ターゲットは2017年に買収したオンデマンドデリバリー「シップト(Shipt)」に登録する配送事業者を活用しているそうです。

情報源:Reuters " Echoing Amazon: Walmart, Target try local package delivery "(2021/05/19)

●スナップチャット、新機能レンズを発表、ARスタートアップを買収

america.png5月20日、米カメラアプリの「スナップチャット(Snapchat)」がオンライン形式で「Snap Partner Summit 2021」を開催しました。この発表会内で、同社はデンマークの玩具会社「レゴ・グループ(LEGO Group)」と共同開発した新機能「コネクテッド・レンズ(Connected Lens)」を、ARを制作するためのツール「レンズ・スタジオ(Lens Studio)」に搭載したことを発表しました。エンドユーザーは、コネクテッド・レンズを通じて、リアルタイムで友達とコミュニケーションを取り、一緒にレゴブロックを組み立てることも可能になります。また、スナップチャット内に搭載される新機能「スキャン(Scan)」についても紹介しました。スキャンは、カメラを対象物にかざすだけで関連性の高いコンテンツを提示することができます。応用例として、洋服をかざすことで類似ブランドのアイテムを提示することに加え、食材をかざすことでおすすめレシピが出てくるなど色々な場面で活用できるとしています。また、翌日にはARスタートアップの「ウェーブオプティクス(WaveOptics)」の買収を発表しました。米テクノロジーメディア「テッククランチ(TechCrunch)」によると、この取引はスナップにとって評価額面では過去最大の買収となり、5億ドル(約545億円)以上も支払ったとしています。買収されたウェーブオプティクスは、ARグラス開発において重要な光学系技術に強みを持ち、そのためARメガネ「スペクタクルス(Spectacles)」の最新バージョンを発表したスナップにとって、今回の買収は同社AR技術の向上にもつながります。

情報源:Watch 「スナップチャット、食材からレシピ提案やプラダのアイテムをAR試着する新機能」(2021/05/21)> TechCrunch Japan 「Snapが同社のARグラスに技術を提供するWaveOpticsを545億円以上で買収」(2021/05/23)

●メルカリ、個人情報漏洩が発生

nihonn.png5月21日、フリマアプリ「メルカリ」は、アプリの機能改善に活用している米ソフトウェア開発テストサービスを提供する「コードコブ(Codecov)」へ不正アクセスにより、顧客の個人情報を含めた約2万8千件のデータが漏洩したことを発表しました。漏洩したデータの中に、ユーザーの氏名や口座情報の関連データは約1万7千件が含まれ、また、運営するスマホ決済サービス「メルペイ」に加盟した業者の情報は約8千件に上るとも報じられました。一連の被害を受け、メルカリではコードコブの利用を止めた上で、漏れた顧客データの初期化を取り組んだとしています。

情報源:日本経済新聞 「メルカリ、個人情報など2万8000件流出 不正アクセスで」(2021/05/21)

●アマゾン、「プライムナウ(Prime Now)」アプリが終了

america.png5月21日、米ネット通販大手の「アマゾン(Amazon)」は、即時配送サービスを提供するアプリ「アマゾン・プライムナウ(Amazon Prime Now)」を2021年内に終了し、今後アマゾンのウェブサイト・アプリ内で提供することを発表しました。グローサリー担当であるステファニー・ランドリー氏(Stephenie Landry)によると、メインサイト・アプリへの統合により、アマゾンのサービスが一つの場所に集約され、ユーザーにとって便利に利用できるようになるとしています。なお、プライムナウの利用者数は発表されていませんが、アマゾンは2021年4月時点でプライム会員は2億人を超えていることを発表しています。

情報源:CNET JAPAN 「アマゾン、『Prime Now』アプリとウェブサイトを世界で終了へ--メインアプリに統合」(2021/05/24)

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