【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0602-0608

Today’s Topic
今週の注目はクーパンの日本進出だよ!

  今週は「韓国通販大手クーパン 東京で配達アプリの試験運用開始」に注目です。最近IPOを果たしたことで注目を集めたクーパンですが、今月より品川限定で食品配送サービスの提供を開始しました。まだ、同社の本格的なサービス展開の見通しはたってはいませんが、3月にZホールディングス(以下.ZHD)と共同でのサービス展開について協議を進めていることが明らかとなりました。そのため、ZHDのEC事業で、クーパンの強みであるロケット配送が取り込まれる可能性高いと考えられます。 これまで、ZHDは配送面においてアマゾンや楽天から遅れを取っていましたが、昨年よりヤマトとの提携をはじめ積極的に物流回りを強化しています。一方で、楽天は日本郵政との提携で配送面のケーパビリティを拡充はしたものの、現状、モバイル事業の拡大に注力しているため、配送には手が回っていない状況といえます。両社の2020年度のGMVを比較すると、楽天が約1.5兆円でリードしている状況ではありますが、ZHDがクーパンのロケット配送を取り込むことができれば、その差は大きく縮まってくるのではないでしょうか。

●トルコEC大手、米ナスダックへの上場を申請

Turkey.png5月28日、トルコEC大手の「ヘプシブラダ(Hepsiburada.com)」は、米国証券取引委員会に報告書を提出し、米ナスダック証券取引所(NASDAQ)への新規上場を申請しました。ヘプシブラダは、トルコ語で「ここで欲しいものは何でも見つけられる」という意味があります。同社は1998年に創業され、2011-2012連続2年で「トルコ一番人気のECサイト」に選ばれ、現在は中国大手EC「アリババグループ(Alibaba Group)」が投資する「トレンドヨル(Trendyol)」に次ぐシェア2位のEC事業者です。ヘプシブラダが提出した報告書によると、新型コロナウイルスにより同社売上高が急成長していますが、ロックダウン期間中の商品供給を確保するため、在庫購入のコストが高まり、2021年第1四半期の総利益は赤字となっています。

情報源:Pymnts.com "Turkish eCommerce Platform Hepsiburada Seeks Nasdaq IPO"(2021/05/31)

●調査会社マイボイスコム、ネット通販利用に関する調査結果を発表

nihonn.pngオンライン調査会社マイボイスコム(MyVoice)が2021年4月に実施した「オンラインショッピングの利用に関するアンケート調査(第16回)」によると、回答者の9割がネット通販を利用したことがあり、そのうち直近1年間に携帯・スマホを経由してオンラインショッピングを利用した人は4割弱で、7年前の2014年調査と比較して約4倍になったことが明らかされました。携帯・スマホ経由のネット通販利用者の多くは、女性と若年層に集中しています。また、利用目的としては「食料品・飲料・アルコール(44.9%)」の購入に利用する人が一番多く、その他は、「衣料品(41.8%)」や「靴・バッグなど衣類小物、装飾品など(27.8%)」などのファッション関連商品の購入目的も多く回答されました。なお、ネット通販の利用理由としては、送料や商品価格が安いと回答する人が6割強で、ネット通販最大のメリットとして消費者に受け入れられていると見られます

情報源:同社リリースニュース 「オンラインショッピングの利用に関するアンケート調査(第16回)」(2021/06/02)

●米手作り品ECエッツィー、若年層に人気な古着フリマアプリを買収

america.png6月2日、米国手作り品のECサイトを運営する「エッツィー(Etsy)」は、英国フリマアプリの「ディポップ(Depop)」を買収することを発表しました。エッツィーは2005年にニューヨークで創業され、アプリ上で手作りの服やアクセサリー、雑貨などの売買サービスを提供し、主にミレニアル世代以上の消費者に利用されています。一方、ディポップは2011年にロンドンで設立され、古着フリマアプリとして「Z世代」の若者に愛用されています。日本経済新聞によると、今回の取引総額は16億2,500万ドル(約1,780億円)で、米国でワクチンの普及によるEC売上の鈍化が見込まれる中で、EC利用の多い若者世代を取り込むための施策と見られるとしています。

情報源:日本経済新聞 「手芸品ECの米Etsy、英フリマアプリ買収 1800億円」(2021/06/03)

●急成長するアマゾン、2025年までにテスコを抜いて英小売業1位になるか

UK.png米国EC分析企業「エッジ・バイ・アセンシャル(Edge by Ascential)」が新しく発表したレポートによると、米ネット通販大手「アマゾン(Amazon)」は2025年までの4年内に英小売大手の「テスコ(Tesco)」を抜いて英国トップの小売業者になると予想しています。テスコの2020年売上高(640億ポンド、約9.92兆円)はアマゾンの約2倍(363億ポンド、約5.62兆円)でしたが、予測によると2025年までにアマゾンの売上高が 771 億ポンド(約11.9兆円)に達し、テスコの761 億ポンド(約11.8兆円)を上回るとしています。過去1年間で、アマゾンがロンドンに「アマゾン・フレッシュ・ショップ(Amazon Fresh shop)」を3店舗立ち上げており、英国オンライン小売市場での急成長が注目されています。新型コロナウイルスの影響によりニーズが高まる生鮮食品カテゴリーで同社の競争力は依然として小さいと指摘されていますが、全体的に見ると、アマゾンのシェアは継続的に拡大していき、2025年までに英小売チェーン市場の1/3まで占めるとしています。

情報源:CityAM "Amazon to dethrone both Tesco and Sainsbury as UK's largest retailers within four years"(2021/06/03)

●韓国EC大手クーパン、東京品川区で配達テストを開始

nihonn.png6月3日、韓国代表通信社聯合ニュース(Yonhap News)は、同国EC大手の「クーパン(Coupang)」が東京品川区で同社配達アプリによるサービスをテスト提供していることを報じました。同社にとって初めての海外進出になるとしています。日本でのサービスまだ限定されていますが、品揃えが豊富で、生鮮食品や加工食品、日用品、工業用品まで注文でき、配送時間はわずか15~20分となるそうです。同社関係者によると、「今回の配達サービスは一部地域でのテスト運行であり、エリアの拡大計画はまだ明らかではない」とコメントしました。

情報源:聯合ニュース 「韓国通販大手クーパン 東京で配達アプリの試験運用開始」(2021/06/03)

●スウェーデンの後払い決済大手クラーナ、すべてのECサイトで分割払いサービスの提供へ

Sweden.pngスウェーデン後払い決済大手「クラーナ(Klarna)」が手数料無料の分割支払いサービスをすべてのECサイトで利用できるようにすることを発表しました。同社の提供するショッピングアプリを利用することで、最大3分割での商品購入ができることが可能となります。また、利用者はアプリで月々の支払限度額を自ら設定することもでき、消費額をコントロールすることも可能にしています。これ以外にもアプリでは利用者の興味関心に基づいてコンテンツのクリエーションやオファーの提示、お気に入り登録した商品の割引通知などの機能も提供しており、買い物を便利に行うことができます。同社では、ショッピングアプリの提供を通じて、利用者に対してパーソナライズ化されたショッピング体験の提供を目指します。なお、これら機能はスウェーデンに加え、イギリス、アメリカ、オーストラリアで提供されています。

情報源:Fashion United "Klarna offers interest-free shopping to all online retailers" (2021/06/08)

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