【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0805-0818

Today’s Topic
今週の注目ニュースは、ブカラパックの上場だよ!
●ZHD、第1四半期の業績を発表。売上収益は第1四半期として過去最高を記録

nihonn.png8月3日、大手ネットサービスのZホールディングスが2021年第1四半期の業績を発表しました。売上収益は前年同期比36%増の3,733億円と第1四半期として過去最高となり、営業利益は前年同期比1%増の513億円となりました。コマース事業の実績として、eコマース取扱高は前年同期比16%増の8,172億円、そのうちリユース事業は好調で13.1%増の2,283億円を記録。傘下フリマアプリ「ヤフオク!」の客単価向上や、「PayPayフリマ」の堅調な拡大が成長の要因になります。今回の決算発表で特に焦点があたったのは、配送大手のヤマトホールディングスとの連携を通じて、配送品質を大幅に改善し、全体的に取扱高の向上に繋がったことが挙げられました。また、ZホールディングスがSNS大手のLINEが運営する「LINE公式アカウント」をBtoCコミュニケーションインフラとして全面的に導入し始めたことに加え、通販企業のアスクルおよびデリバリーの出前館と協業し、即配サービス「PayPayダイレクト by ASKUL」をテスト展開していることが発表されました。

情報源:同社決算発表資料「第1四半期決算」(2021/08/03)

●独ネット通販大手ザランド、第2四半期の決算を発表。GMVが同40%増

germaney.png8月5日、独ネット通販大手「ザランド(Zalando)」が2021年第2四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比34%増の27億3,300万ユーロ(約3,544億円)、営業利益は前年同期比13%減の1億8,410万ユーロ(約240億円)となりました。アクティブカスタマーは同31%増の4,450万人となり、GMVも同40%増の37億9,000万ユーロ(約4,915億円)と引き続き拡大しています。減益の原因として、ザランドは、パンデミック下のロックダウン政策が緩和され、実店舗へ回帰する消費者を繋ぎとめるためのマーケティング費用が増加したことを挙げています。また、仏LVMH傘下のコスメセレクトショップ「セフォラ(Sephora)」との戦略提携により、欧州市場のユーザーがザランドからオンラインで化粧品を購入することが可能になることが発表されました。同社は、ユーザーに新しい顧客体験を提供することに加え、欧州市場での更なる成長を目指すとしています。

情報源:同社決算発表資料 " Zalando Group Financials as of Q2/21 "(2021/08/05)

●ネット通販大手「ブカラパック」が株式公開、インドネシア最大規模の上場

Indonesia.png8月6日、インドネシアのネット通販大手「ブカラパック(Bukalapak)」が、インドネシア証券取引所に上場しました。新規株式公開で15億ドル(約1,655億円)の資金を調達し、インドネシアで最大規模の上場となります。ブカラパックは近年急成長している東南アジアのテック企業の一つとして注目され、今回の上場により、時価総額は109兆インドネシアルピア(約8,320億円)に達しました。なお、調達した資金は、主力事業であるネット通販ビジネスの強化に充てるほか、中小企業と提携するための専用アプリ「ミトラブカラパック(Mitra Bukalapak)」を通してインドネシアの中小企業を支援していくとしています。

情報源:Asia Nikkei " Bukalapak becomes Indonesia's 13th most valuable public company "(2021/08/06)

●2020年度の宅配便取扱実績を発表。取扱い個数は48億3647万個まで拡大

nihonn.png8月6日、国土交通省は2020年度の宅配便取扱実績を発表しました。新型コロナウイルスによる「巣ごもり消費」の拡大により、インターネット通販市場が拡大したことを背景に、取扱個数は前年度比11.9%増の48億3,647万個と大きく伸びしました。また、メール便取扱い冊数は同9.9%減の42億3,870冊となり、ネットの普及でDMやカタログ送付需要の減少による影響が挙げられます。なお、トラック運送について、ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の3社は依然として上位で、全体の94.8%を占めています

情報源:国土交通省 「令和2年度宅配便取扱実績について」(2021/08/06)

●トルコ地場ネット通販トレンドヨル、ソフトバンクなどから1655億円を調達

Turkey.png8月5日、トルコ地場ネット通販「トレンドヨル(Trendyol)」が、最新の資金調達ラウンドで日本通信大手のソフトバンクグループなどから15億ドル(約1,655億円)の資金を調達したことが報じられました。資金調達により、トレンドヨルの企業価値が165億ドル(約1兆8,000億円)の評価に達し、トルコ初のデカコーン企業になるとしています。また、同社はすでに2021年4月に中国大手ネット通販「アリババ(Alibaba)」から3.5億ドル(約379億円)の資金を調達しており、近年中東市場での急成長が注目されているそうです。

情報源:Asia Nikkei " SoftBank investment in Trendyol creates Turkey's first decacorn "(2021/08/09)

●ヤフーがヤマトとの提携を強化、2024年までにほぼ全商品対象の翌自配送を開始

nihonn.png大手ネットサービスのZホールディングス傘下の「ヤフー(Yahoo Japan)」が、配送大手のヤマト運輸との連携を強化し、2024年までにネット通販向けの翌日配送体制を整えることが明らかにされました。サービスは同グループのネット通販サイト「ヤフーショッピング」と「ペイペイモール」で展開し、ヤマト運輸が配送の役割を担うそうです。また、今回の提携により、約4億点以上の取扱商品が翌日に届けることができ、消費者にとっては利便性が向上する一方、同社にとっては配送体制の強化で利用者を獲得する効果もあるとしています。ヤフーによると、2024年までに離島への配送や特大サイズの商品以外、全国での原則翌日配送が目標となります。

情報源:日本経済新聞 「ヤフー、EC『翌日配送』ほぼ全商品で ヤマトと連携」(2021/08/09)

●韓国ネット通販大手のクーパン、第2四半期の決算を発表。火災などの影響で赤字拡大

Korea.png8月11日、韓国ネット通販大手の「クーパン(Coupang)」が2021年第2四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比71%増の45億ドル(約4,962億円)、純損失は5億1,860万ドル(約573億円)となりました。赤字の原因として、国内外事業への多額投資のほか、利川(イチョン)に位置する主要物流センターの火災に伴う損害による影響が挙げられます。また、アクティブユーザー数は前年同期比26%増の1,700万人と継続的に拡大しています。同社はこの第2四半期で積極的なグローバル展開をしています。主な動きとして、2021年6月の日本進出に続いて、7月から台湾で配達サービスを実験的に開始したことが挙げられます。

情報源:同社決算発表資料" Current report filing "(2021/08/11)

●楽天、第2四半期の決算を発表。モバイル事業への投資により損失拡大、「楽天トラベル」の利用者数は同75.7%増加

nihonn.png8月11日、ネット通販大手の「楽天」が2021年第2四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比16.9%増の7,936億7,100万円、Non-GAAP営業損失は911億2,400万円となりました。減益の原因として、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資による影響が挙げられます。主力サービスである国内ネット通販事業においては、流通総額は前年同期比12.2%増の1.2兆円になり、引き続き順調に拡大しています。また、ウィズ・コロナ時代で「巣ごもり消費」の拡大に伴い、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」をはじめとする各ネット通販サービスにおけるユーザー数は継続的に拡大し、売上高の伸びも堅調に進んでいます。その中に、パンデミックの状況に政府の外出自粛要請等から大きな影響を受けたインターネット旅行予約サービス「楽天トラベル」において、安心安全な旅への取り組み等により、ユーザー数は前年同期比75.7%増加し、取扱高も前年同期比で増加しました。

情報源:同社決算発表資料「2021年度第2四半期決算説明会」(2021/08/11)

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