【EC業界ニュース】Weekly Topics! 1104-1117

Today’s Topic
今週の注目は「独身の日セール」の結果だよ!
●内閣府、ネット通販普及率は24年まで8割になると試算

nihonn.png内閣府の試算によると、2024年までに国内ネット通販の利用率は8割に達することが明らかとなりました。新型コロナウイルスの影響でネット通販の普及率が進み、2021年6月時点で51.3%に達し、2017年と比べ8.3ポイント上昇しました。一方で、欧米先進国におけるネット通販普及率は、2017年時点で米国(80%)や英国(86%)、ドイツ(78%)、フランス(72%)はいずれも高水準であることから、日本でもさらにネット通販の普及が進むポテンシャルが高いと見られています。

情報源:日本経済新聞「ネット通販の利用率、24年にも8割へ 内閣府試算」(2021/11/03)

●ポーランドネット通販大手アレグロ、チェコのオンライン小売業者を買収

poland.png11月5日、ポーランドネット通販大手「アレグロ(Allegro)」は、チェコのオンライン小売業者「モール・グループ(Mall Group)」を8億8,100万ユーロ(1,145億4,000万円)で買収することに合意したと発表しました。背景として、2021年9月から、米アマゾンとシンガポールネット通販大手のシー・グループ(Sea Group)は相次いでポーランドへ参入し、同国のネット通販市場での競争が激化しています。地場のアレグロは、月間2,000万人のサイトアクセス数を誇っており、この数字はポーランドのインターネットユーザーの約80%に相当します。今回の買収により、同社の目標市場規模は1兆1,400億ズロチ(31兆8,400億円)まで約2倍で成長すると説明しました。

情報源:Reuters " Poland's Allegro buys Czech online retailer Mall for $1 bln "(2021/11/05)

●フードパンダの日用品即配サービス「パンダマート」、横浜で提供開始

nihonn.png11月5日、ドイツ発のデリバリー大手「フードパンダ(Foodpanda)」を運営するデリバリー・ヒーロー・ジャパン株式会社は、神奈川県横浜市にて日用品や食品などの即配サービス「パンダマート(Pandamart)」の提供を開始したと発表しました。同サービスは11月初めに渋谷から展開しており、今回は同社日本初上陸の場所である横浜でついに展開したとしています。消費者はフードパンダのアプリやウェブサイトから、「パンダマート」を利用すると、日用品や冷凍食品、ドリンクを含む約2,000種類の商品が最速30分で配達されます。「パンダマート」は現在、東京、大阪、京都をはじめとする合計8拠点でサービスを展開しており、今後サービスを順次拡大する予定です。

情報源:PRTIMES JAPAN 「もっと拡大中!foodpandaのQコマース事業『pandamart』日本初上陸の場所『横浜』でついにサービス開始!」(2021/11/05)

●米決済サービス大手ペイパル、第3四半期決算を発表。売上高は前年同期比13%増

america.png11月8日、米決済サービス大手「ペイパル(PayPal)」が2021年第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比13%増の61億8,000万ドル(約7,096億円)、純利益は前年同期比6.9%増の10億9,000万ドル(約1,252億円)となりました。パンデミック下でオンラインショッピングの拡大に伴い、決済サービスの利用者数が継続的に増加しているとしています。また、傘下の携帯電話向け個人間送金アプリ「ベンモ(Venmo)」が、2022年からアマゾンのショッピングサイトで利用できるようになることが明らかにされました。

情報源:同社決算発表資料" Third Quarter 2021 Results "(2021/11/08)

●楽天、第3四半期決算を発表。ネット通販事業の流通総額は1.2兆円

nihonn.png11月11日、ネット通販大手の楽天が2021年第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比15.4%増の1兆2,006億円、Non-GAAP営業損失は1,488億5,900万円となりました。減益の原因として、モバイルにおける自社基地局設置等の先行投資による影響が挙げられます。主力サービスである国内ネット通販事業においては、流通総額は前年同期比7.6%増の1.2兆円になり、引き続き順調に拡大しています。インターネット・ショッピングモール「楽天市場」は、新規利用者の定着および休眠利用者の活性化に注力しており、2021年第2四半期に購入した利用者が同年第3四半期でも購入した割合は75%となりました。また、「楽天市場」利用者の増加と共に、利用者あたりの購入頻度とグループ内の各ネット通販サービスとのクロスユースも継続的に拡大しています。具体的には、「楽天市場」と「Rakuten Fashion」の利用者は前年同期比30.2%増加し、「楽天市場」と「楽天西友ネットスーパー」の利用者は同37.1%増加と記録しました。

情報源:同社決算発表資料「2021年度第3四半期決算説明会」(2021/11/11)

●靴や衣料品販売のロコンド、通販サイトワジャを買収

nihonn.png11月5日、靴やファッションの通販サイト「LOCONDO.jp」を運営する株式会社ロコンドは、通販サイト「ワジャ(WAJA)」を買収すると発表しました。今回の買収は、ワジャの親会社であるデファクトスタンダードから分割する形で行うため、ロコンドは本会社分割の対価として、155万円を支払うことになります。承継するワジャ事業の取扱商品数は3万6812個となり、商品取扱高は7億7,900万円、売上高は2億5,500万円です。なお、ネット通販事業の強化を注力しているロコンドにとって、買収後の自社通販サイト「LOCONDO.jp」とのシナジー効果が期待されるとしています。

情報源:ネットショップ担当者フォーラム「ロコンドがデファクトスタンダードのファッションEC事業『waja』を買収」(2021/11/09)

●中国最大級のイベント「ダブルイレブン」が終了、アリババの取引高は9兆円超

china.png11月12日、中国で毎年11月11日に恒例で開催するネット通販セール「独身の日(ダブルイレブン)」が終了しました。13年前は1日だけのイベントとして始めたダブルイレブンは、今年では10月20日~11月11日に設定し、約1ヶ月間にわたるイベントに成長しました。また、「持続可能性」と「包括性」が今年イベントのキーワードで、ネット通販企業は消費者に「エコな生活」を呼び掛け、配送を始め環境に配慮した施策も積極的に導入しました。主要事業者の業績として、ネット通販1位の「アリババ・グループ(Alibaba Group)」の取引額は前年比8.5%増加、過去最高となる5,403億元(約9兆6,500億円)を記録しています。セールには29万ブランドが参加し、その内海外ブランドは2万9,000社となりました。また、傘下の越境通販サイト「Tモールグローバル(天猫国際)」では130万以上の新商品が提供されました。ネット通販2位「京東(JD.com)」の取引額も過去最高を刷新、前年比28.6%増の3,491億元(約6兆1,092億円)となりました。ダブルイレブンに合わせ、同社は食料品配送の関連会社「達達グループ(Dada Group)」と共に、即時配送の新事業「小時購」を立ち上げ、スピード配送提供を強化しました。なお、2020年頃から、中国当局はネット企業への統制を強めています。こうした背景に、セールを実施した企業は例年と比べセールの途中経過の売上速報の発表を控え、その代わりに環境に優しい商品の購入や寄付の呼び掛けなど、社会貢献へのアピールを行いました。

情報源:日本経済新聞 「中国「独身の日」セール終了 アリババ取扱高は9兆円超」(2021/11/12)

●韓国ネット通販大手のクーパン、第3四半期の決算を発表。多額の投資で赤字継続

Korea.png11月12日、韓国ネット通販大手の「クーパン(Coupang)」が2021年第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比48%増の46億4,470万ドル(約5,333億円)、純損失は3億1,510万ドル(約359億円)となりました。また、アクティブユーザー数は前年同期比20%増の1,680万人と継続的に増加しています。赤字の原因として、新規事業のストリーミング動画サービスや、より迅速な配達サービスを提供するための物流施設への投資が挙げられます。具体的に、2021年に入り第3四半期までの間で、物流インフラを74万平方メートル新設しており、自社生鮮食品「ロケットフレッシュ」の受注から配送までの役割を担うフルフィルメントセンターは約2倍にまで拡大させています。

情報源:同社決算発表資料 " Current report filing "(2021/11/12)

●フェイスブック、複数のショッピング関連機能をリリース

america.png11月12日、米フェイスブックは、新しいショッピング機能「ショップス・イン・グループス(Shops in Groups)」と「ライブ・ショッピング・フォー・クリエイターズ(Live Shopping for Creators」をリリースすると発表しました。前者は、フェイスブックのグループ管理者が自分と関連するページでオンラインストアを設置することができる機能です。グループ管理者の新たな収入源の一つとして期待されています。また、フェイスブックは以前からライブショッピング機能を導入していましたが、クリエイターとブランドのコラボレーションが一般的になってきたため、今回はクリエイター向けのライブショッピング機能のテストを始めました。同社は、今後ショッピング機能への投資を継続する意向を伝えています。

情報源:TechCrunch Japan 「フェイスブックが新ショッピング機能『Shops in Groups』と『Live Shopping for Creators』を開始」(2021/11/13)

●米フードデリバリ大手ドアダッシュ、フィンランド発のウォルトを買収

america.png米フードデリバリ大手 「ドアダッシュ(DoorDash)」は、フィンランドを拠点とする同業の「ウォルト(Wolt)」を買収すると発表しました。取引額は約70億ユーロ(約9,100億円)となり、同社は2022年度上半期で買収を完了する予定です。ウォルトは2020年8月に広島に初上陸して以来、サービスエリアを北海道から沖縄まで拡大し、現在は37都市で営業展開しています。ドアダッシュは2021年6月に仙台から日本へ参入しました。両社は買収により、「各地域の商品・サービスとユーザーを結ぶローカルコマース・グローバルプラットフォーム」を構築していくと宣言しました。グローバル展開においては、現在、ドアダッシュと比べ展開国が多いウォルトのCEOが今後海外事業を主導する見込みです。また、共同でグローバル展開、製品開発の加速、投資効率の向上なども目指す計画です。なお、買収後でもウォルトの企業名と提供サービスは変わらないとしています。

情報源:Bridge 「米フードデリバリ大手DoorDash、フィンランド発の同業Woltを9,100億円で買収へ」(2021/11/14)

●ウォルマート、第3四半期の決算を発表。経済正常化で実店舗の売上が9%増

america.png11月16日、米小売大手の「ウォルマート(Walmart)」が2021年第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比4%増の1,405億2,500万ドル(約16兆円)となりました。物流コスト上昇の影響を受け、純利益は前年同期比40%減の31億500万ドル(約3,566億円)になったとしています。ワクチン接種の普及に伴い実店舗売上は好調をみせ、米国市場の実店舗売上高は同9%増加し、特に会員制スーパーマーケット「サムズクラブ(Sam's Club)」の売上高が同14%伸びました。顧客が実店舗に戻りつつある一方、今期ネット通販全体の売上高は8%増加で成長鈍化が見られます。

情報源:同社決算発表資料" Walmart Releases Q3 FY22 Earnings "(2021/11/16)

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