【EC業界ニュース】Weekly Topics! 1209-1215

Today’s Topic
今週の注目は「ヤマダデンキのライブコマース、2日で1万人以上が視聴」だよ
●イタリア当局、独占禁止違反で米アマゾンに1400億円の罰金

Italy.png12月9日、イタリア当局は米アマゾンに対し、独占的地位の乱用を理由に11億3,000万ユーロ(約1,400億円)の罰金を科したと発表しました。イタリア機関によると、同社は販売者にアマゾンサイト内の特典を提供することで、自社物流サービスを使うように誘導した行為が発見されたとしました。アマゾン側は否定しており、不服を申し立ています。なお、欧州ではIT大手企業への規制が相次いでおり、11月にもグーグルに対して競争法違反への制裁金問題を巡り、欧州委の主張を支持し、グーグルの訴えを退けたばかりです。

情報源:日本経済新聞  「イタリア、Amazonに制裁金1400億円 独占的地位乱用で」(2021/12/09)

●英高級ファッション通販のファーフェッチ、高級品再販サービスを買収

UK.png12月9日、英高級ファッションネット通販「ファーフェッチ(Farfetch)」は、高級品再販サービスを提供する「ラクスクルーシフ(Luxclusif)」を非公開の金額で買収したことを発表しました。これによりファーフェッチは、再販サービス「ファーフェッチ・セカンド・ライフ(FARFETCH Second Life)」をさらに拡大させます。ラクスクルーシフは2013年に設立され、中古高級品の取得、認証、販売などのソリューションを提供するB2Bサービスプロバイダーとして、ファーフェッチと長年にわたり連携してきました。今回の取引完了後、同社は、ファーフェッチの再販サービスプラットフォームを運営することになり、既存および新規のパートナー向けにサービス提供をしていくこととなります。

情報源:Bakersfield.com "FARFETCH Acquires Luxury Resale Platform LUXCLUSIF "(2021/12/09)

●ヤマダデンキのライブコマース、2日で1万人以上が視聴

nihonn.png家電量販店「ヤマダ電機」を展開するヤマダデンキは、ライブ配信を開始したことを発表しました。同社は公式通販サイト「ヤマダウェブコム」で日本ユニシスが提供する「ライブキット(Live kit)」を活用し、ライブコマースに取り組みます。ライブコマースでは、消費者は紹介される商品の気になる点について質問ができ、それに対して販売員がリアルタイムで回答します。11月27日に開催した特別セールでは、2日間の配信期間中に1万人以上が視聴した実績があり、売上拡大に貢献したとしています。

情報源:ECのミカタ  「ヤマダデンキがライブコマースサービスを開始、2日間で1万人以上が視聴」(2021/12/10)

●米ワッツアップ、デジタルウォレット「ノヴィ」の送金機能を米国で一部展開

amerca.png米ワッツアップ(WhatsApp)は、米国の一部ユーザーに仮想通貨を管理できるデジタルウォレット「ノヴィ(Novi)」の送金機能を提供し始めることが明らかにしました。ノヴィはメタ(旧称フェイスブック)の決済システムで、サービスの構想段階でワッツアップを始め、フェイスブックやインスタグラムなど同社の子会社での展開予定を発表していました。今回、ワッツアップに対応したことで、ユーザーは同アプリの中に送金相手の連絡先を見つけ、テキストバーの中の送金アイコンを選択すれば、ノヴィのアカウントにアクセスし、送金を完結することができます。

情報源:TechCrunch Japan 「WhatsApp、米国の一部ユーザーにNovi送金機能提供開始」(2021/12/11)

●韓国大手ビューティーストアのオリーブヤング、2022年の上場計画を発表

Korea.png12月10日、韓国CJグループが運営している大手ヘルス&ビューティーストア「オリーブヤング(OLIVE YOUNG)」は、2022年の新規株式公開の計画を表明しました。CJグループの重要子会社であるオリーブヤングは、85%という圧倒的な市場シェアを誇り、今年の売上高は2兆4,000億ウォンを超え、パンデミックの影響にもかかわらず昨年より13%増加と堅調に成長しています。また、同社は株式公開の前に、実店舗とオンラインストアを結合させたオムニチャネルプラットフォームへの転換を計画しており、オンライン販売に注力することを計画しています。その一環として、3時間内配送のラスト・マイル・デリバリー・サービスをさらに強化する予定です。

情報源:The Korea Herald 「LINEが米韓で新組織『LINENext』設立、グローバルNFT市場サービス来春開始に向けて準備中」(2021/12/21)

●アスクル、AIによる物流センターの在庫配置最適化技術の実証実験を開始

nihonn.png通販事業アスクルは、電気通信大学、タイムインターメディアと共同で、2021年12月から3ヶ月わたってAIによる物流センターの在庫配置最適化アルゴリズム開発をテスト展開すると発表しました。同技術への検証が完成すれば、各物流センターの在庫容量や出荷能力、商品の在庫量、出荷実績データなどに基づき、商品の最適化した在庫配置を算出することができるとしています。アスクルは現在全国9カ所の物流センターを持っており、状況により1つのオーダーに対して複数の荷物に分けて配達するため、配送費用増加の問題が発生していました。今回の実証実験が課題の解決に期待でき、2022年7月までに、こうした計算手法を活用した、在庫配置を常に最適化し続けるシステムの開発を目指しています。

情報源:ITmedia  「アスクルと電通大などがAIで在庫配置最適化 最適化アルゴリズムで「個口割れ」防ぐ」(2021/12/13)

●アフリカの最大ネット通販ジュミア、ブラックフライデーの販売額が30%増と発表

Nigeria.pngアフリカの11市場で利用可能の最大ネット通販プラットフォーム「ジュミア(Jumia)」は、米国最大級の年末セール「ブラックフライデー(Black Friday)」について、自社実績を発表しました。具体的に、全体販売額は前年同期比30%増の1億5,000万ドル(約170億円)、期間中の注文件数は前年同期比39%増の430万件に達し、販売者数も前年同期比11%増の4万6,000となりました。また、同期間中のユニークビジター数は前年同期比27%増4,000万人を記録しています。イベント中によく購入された商品としては、消耗品と美容、ファッション関連が挙げられます。ジュミアによると、このような好成績を収めることをできた背景として、外出制限によるオンライショッピングの需要拡大に加え、アフリカ大陸全体でのスマートフォンとインターネットの普及率向上にあると説明しました。

情報源:TechCrunch Japan 「アフリカ最大のeコマースプラットフォームJumiaのブラックフライデー売上高は30%増」(2021/12/14)

●東南アジア配車アプリ大手グラブ、マレーシア高級スーパーを買収

malaysia.png12月14日、東南アジア配車アプリ大手「グラブ(Grab)」は、マレーシア高級スーパー「ジャヤ・グローサー(Jaya Grocer)」を買収すると発表しました。小売事業への本格的な参入と見られます。買収額は、15億~18億リンギ(約400億~490億円)を予定していると地元のメディアにより報じられました。グラブはこれまで東南アジア各国のスーパーと提携し、食品や日用品のデリバリーを提供してきましたが、スーパーを買収するのが初めてです。今回は、マレーシアで約40店舗を持っているジャヤ・グローサーの買収により、宅配品揃えの拡充と新規顧客の開拓を期待しています。

情報源:日本経済新聞「グラブ、マレーシアのスーパー買収 宅配事業の強化に」(2021/12/14)

この記事の関連タグ