【EC業界ニュース】Weekly Topics! 1216-1222

Today’s Topic
今週の注目は「ティックトックが米国でデリバリーサービスを開始予定」だよ!
●アリババ傘下のネット通販ラザダ、年間アクティブ消費者数が1.3億人達成

singapore.png12月16日、中国ネット通販最大手のアリババグループは、年次の投資家会議で傘下ネット通販プラットフォーム「ラザダ(Lazada)」の業績を公表。2021年に210億ドル(約2兆3,880億円)の商品総額を記録し、年間アクティブコンシューマー数が1億3,000万人、9月時点の月間アクティブユーザー数が1億5,900万人となりました。また、9月時点で92万2,000の出品事業者が毎月出品しており、その規模は1年前と比べて2倍以上成長したとしています。アリババは、インターネット関連企業に対する中国当局の締め付けや競争激化により、海外事業へ引き続き注力する意向を示しました。同グループが展開する国際的な消費者向けの通販サイト「アリエクスプレス(AliExpress)」は近年、ロシア進出で成功を収めているそうです。

情報源:TechCrunch " Alibaba's Southeast Asia arm Lazada hits 130M annual consumers "(2021/12/17)

●ティックトック、米国でデリバリーサービス「ティックトック・キッチン」を開始予定

america.pngティックトックは、バーチャルレストラン事業を展開する「バーチャル・ダイニング・コンセプト(Virtual Dining Concepts)」と提携し、デリバリーサービス「ティックトック・キッチン(TikTok kitchen)」を2022年から米国で開始すると発表しました。ティックトック・キッチンは、トレンドになったレシピを作って届けるサービスとなり、実際の調理はVDC傘下の調理拠点が担当し、ティックトックのアプリからのオーダーを受けて配達します。同サービスの調理拠点として、2022年3月に約300店舗、2022年内に1,000店舗を展開する予定です。

情報源:TechCrunch Japan 「TikTokが動画でバズった料理をユーザーに届ける宅配レストランを全米展開、3月に約300店舗オープン」(2021/12/18)

●印フリップカート、3級以上の都市で前年同期比47%の顧客増加を記録

India.pngウォルマート傘下の印ネット通販企業「フリップカート(Flipkart)」は、同国3級以上の都市で前年同期比47%の顧客増加を記録したこと明らかにしました。同社のレポートにより、ファッションは顧客数の伸び率が一番高い分野で、前年同期比58%成長したとしています。また、インドの食品・日用品市場を支える零細な小売店「キラーナ・ショップ」において、同社は10万店舗以上と提携しています。これらのキラーナ・ショップは月に6,000万件以上の配送のうち30%を担当し、配達によるキラーナ・パートナーの収入が昨年と比較して30%以上増加したと説明しました。また、同社卸売事業の「フリップカート・ホウルセール(Flipkart Wholesale)」について、プラットフォームでの販売開始後4ヶ月で、一般消費財部門は全体で1.12倍の成長を遂げ、顧客数も1.2倍増加となります。なお、近年D2Cモデルの成長とオンラインショッパーの台頭により、同社はブランドとのより深いパートナーシップを求め、2021年に昨年比2倍以上のブランドとの提携を記録しました。

情報源:The Hindu Business Line " Flipkart records 47% y-o-y customer growth in tier 3+ cities this past year: Report "(2021/12/18)

●欧米で人気の30分以内即時配達「Qコマース」、参入企業が相次ぐ

nihonn.png欧米で「Qコマース(クイックコマース)」と呼ばれている30分以内の即時配送は、注文して商品がすぐ届くため、配送時間を待つのを嫌う消費者から支持を集めてきました。日本では、新型コロナウイルスの影響でデリバリーが普及しており、これをきっかけに外資系や国内の大手企業が相次いで参入しています。例えば、Zホールディングスは10月に傘下の出前館とアスクルと連携し、都内で「PayPayダイレクトbyアスクル」を展開しています。また大手企業以外、スタートアップの「オニゴー(OniGo)」は、配送時間をさらに短縮する「10分配達」サービスを提供し始めています。

情報源:日本経済新聞 「『分』争うクイック配達 ZHDや外資が参入」(2021/12/18)

●ライン、米韓で新組織「ライン・ネクスト」を設立、NFTサービスの提供に

nihonn.pngラインは、グローバル市場向けにNFTサービスを提供するため、韓国と米国に新組織「ライン・ネクスト(LineNext)」を設立したことを発表しました。この新組織は、メッセンジャーやブロックチェーンサービスを開発・成長させてきたラインの豊富な経験を活用し、企業や個人がNFTを取引するためにプラットフォームを提供することによって、NFT体験を変革することを目指しています。同組織の韓国チームがプラットフォームの戦略・企画を担当し、米国チームがプラットフォーム事業の開発・運営を行うとしています。なお、ラインは、サービスの開始は2022年からの予定とし、また、約20社のグローバルパートナーと提携の可能性があると発表しました。

情報源:TechCrunch Japan 「LINEが米韓で新組織『LINENext』設立、グローバルNFT市場サービス来春開始に向けて準備中」(2021/12/21)

●英アパレルネット通販大手ブーフー、日本を含むアジア5つの市場へ事業展開

UK.png12月21日、英アパレルネット通販大手「ブーフー(boohoo)」は、日本、韓国、シンガポール、香港、台湾のアジア5つの市場への事業拡大を発表しました。アジア市場でのカスタマーサービスや配送方法については、それぞれの国や地域に合わせてスピード感のある対応を行うとのことです。ブーフーは2006年に設立され、複数のブランドを含む、ファッション、ホーム、美容関連のプラットフォームを確立してきました。毎週500点ほどの新商品を出し、手ごろな価格でインスピレーションにあふれるファッションを提供するのが目標です。近年はグローバル市場へ注力しており、英国外で急速な成長を遂げています。

情報源:Sankeibiz 「boohoo、アジアの5つの市場へと事業を拡大」(2021/12/21)

●資生堂、中国IT大手のテンセントと提携、傘下SNSのウィーチャット活用で商品販売や顧客関係構築へ注力

china.png12月21日、資生堂は、中国IT大手の「テンセント(Tencent)」とネット通販事業で3年間のパートナーシップを締結することを発表しました。資生堂は2019年4月から、中国ネット通販最大手のアリババグループとオンラインマーケティングや商品開発で提携してきました。今回は、アリババの競合であるテンセントと提携し、傘下チャットアプリの「ウィーチャット(Wechat)」を始めたSNSを通じて、商品販売や顧客との関係構築に注力していきます。他にも、データを用いた顧客分析やサービス開発も進めると報じられました。

情報源:日本経済新聞 「資生堂、テンセントと中国ECで協力 提携を発表」(2021/12/21)

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