【EC業界ニュース】Weekly Topics! 1230-0112

Today’s Topic
今週の注目は「Z世代がサステナブル消費をけん引!」だよ!

  今週は「Z世代、社会貢献に繋がる消費を重視」に注目です。日経は年始に、若年層の消費行動に関する調査を発表し、これによると、特にZ世代の間では 「自らの消費行動を通じて社会の課題解決に貢献」という意識が高く、3割を超える結果となりました。こうした消費意識はグローバルで広まっており、特にパンデミック以降では、消費者がライフスタイルを見直す中でサステナブルやエシカルといった、環境にも社会にもやさしい企業やブランドへの支持が高まっています。  そのため、企業にとってサステナビリティは「取り組んだ方が良い」オプションではなく、顧客との関係性構築・維持のためにも「取り組む必要のある事項」となり始めています。海外では、このような消費者ニーズに対応するためサステナブルやエシカルな商品の販売に留まらず、ECにおいても再利用可能な包装の活用、消費者が追加料金を払うことでカーボンニュートラル配送に変更できるといった取り組みも登場しています。今後、こうした取り組みが国内でも増えてくるかもしれませんね。

●Z世代が、日本のサステナブル消費をけん引となるか

nihonn.png1月1日、日経MJがZ世代(16~26歳)約5,000人を対象に、若者の意識や社会・企業に求めることを明らかにした調査結果を一部公開しました。特に注目されるのは、この世代はサステナブル消費への関心が高く、そのため「消費を通じて社会課題に貢献したい」と考える層は34.9%となり、貢献しなくていいと考える割合(計23.2%)を11.7ポイントも上回りました。自らを金銭的に貧しいと認識するZ世代も20%以上が消費を通じて社会貢献したいという意向を見せ、金銭状況を問わずソーシャルグッドへの関心が高いことが共通しています。なお、同様に質問をミレニアル世代に行ったところ、約25.9%が消費を通じて社会課題に貢献したいと回答しており、若年層の間ではZ世代がサステナブル消費をけん引することが見込まれます。

情報源:日本経済新聞 「 Z世代が消費を変える 『買い物で社会貢献』3割」(2021/01/01)

●クラブ、インドネシア地場銀行に出資、テック企業間の競争激化

Indonesia.png1月4日、東南アジア配車アプリ大手「グラブ(Grab)」が、インドネシアの地場銀行である「アロ・バンク(Arrow Bank)」に2,144億ルピア(約17億円)を出資することが明らかにされました。同社金融事業の強化の一環と見られます。グラブは近年、銀行業務へ積極的に進出しており、2022年中にシンガポールでネット専業銀行を展開するほか、マレーシアでもネット銀行の免許を申請しているそうです。また、2021年にインドネシアの大手決済サービスの「オボ(OVO)」株式の約90%を取得しており、東南アジア最大の市場で競争力を上げようとしています。なお、同国のネット銀行市場では、シンガポール発の大手テック企業「シー・グループ(Sea Group)」とインドネシアの配車大手「ゴジェック(Gojek)」が相次いで地場銀行へ出資・買収しており、これから競争が一層激しくなっていくと予想されています。

情報源:日本経済新聞 「グラブ、インドネシアの銀行に出資 金融事業を強化」(2021/01/04)

●東南アジア大手ネット通販ショッピー、日韓市場へ本格進出か

ASEAN.png東南アジア大手ネット通販「ショッピー(Shopee)」は、韓国で約40名の従業員を採用し、現地事業の展開を準備していると報じられました。同社は2021年、韓国で事業を開始しましたが、消費者向けの事業ではなく、韓国マーチャントを支援するサービスを行ってきたそうです。最近は日本及び韓国市場の人事職を募集し始め、両市場へ本格的に参入する可能性が大きく見られています。ショッピーは近年、海外市場の開拓を加速しており、2021年8月にインドでサービスを開始し、中南米諸国にも進出しています。なお、日本と韓国のネット通販市場はそれぞれ世界第3位と第6位で、2020年のデータを見ると、日本が約1,140億米ドル、韓国が約800億米ドルの市場規模を抱えます。

情報源:Techinasia " Shopee ramps up hiring in South Korea "(2021/01/04)

●韓ロッテグループ、国内最大の物流センターを稼働、商品の配送時間を大幅削減目標

Korea.png韓国巨大財閥のロッテグループは、3,400億ウォン(約330億円)を投じた国内最大の物流センターを2022年1月から稼働すると発表しました。同拠点の特徴はAIを使った自動化です。カメラでサイズが異なる荷物に貼り付けられたQRコードを捉え、瞬時に行き先を振り分けることにより、商品の配送時間を半分以上短縮できるとしています。収益を支えている化学事業が伸び悩んでいるロッテグループは、ネット通販に注力することで、グループ全体の成長を狙います。現時点ネット通販シェアが国内5位であり、同カテゴリーにおいての強力ライバルとして、クーパンやネイバー、新世界など「ネット通販3強」が挙げられます。

情報源:日本経済新聞 「縮むロッテ、ECテコ入れ 流通復活へ配送効率化」(2021/01/05)

●米ウォルマート、3,000人以上のドライバー雇用発表、宅配サービス強化

america.png1月5日、米ウォルマートは、生鮮食品の宅配サービスを強化するため、3,000人以上のドライバーを新たに雇用すると発表しました。同社は、ドライバーが顧客の自宅に入り、生鮮食品を冷蔵庫まで直接届けるサービス「インホーム・デリバリー」を2019年から始めています。同サービスを2022年末までに、現在の600万世帯から3,000万世帯に広げる予定とし、目標実現にドライバー雇用を積極的に行うと説明しました。現時点では100人が働いています。

情報源:日本経済新聞 「新型コロナ: 米ウォルマート、ドライバー3000人雇用 生鮮食品を宅配」(2021/01/06)

●中国アリババグループ、傘下2サイトを統合する新組織を設立、淘宝と天猫

china.png1月6日、中国ネット通販最大手のアリババグループは、傘下通販サイトの「タオバオ(淘宝)」と「Tモール(天猫)」を統括する新組織を立ち上げたと発表しました。同社責任者によると、2サイトの運営を継続することを前提に、新しく「産業運営・発展」や「プラットフォーム戦略」、「ユーザー運営・発展」3つのセンターを設立したとしています。具体的には、産業運営・発展センターでは、淘宝と天猫のそれぞれの業務を統合し、出店業者に緻密なサービスを提供する目的で設立されました。また、プラットフォーム戦略センターの役割として、プラットフォームの仕組みやルールの設計などを担当します。加え、ユーザー運営・発展センターでは、顧客体験の最適化のため、より使いやすい製品の投入を進めます。

情報源:Scmpnews " Alibaba restructures back-end operations of Taobao, Tmall "(2021/01/07)

●印複合企業リライアンス、同国配達スタートアップ「ダンゾー」を買収

India.png1月6日、インド複合企業「リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)」は、地場配達サービスを提供するスタートアップ「ダンゾー(Dunzo)」に2億米ドル(約232億円)への出資を発表しました。同社は、グループの小売店や、合弁事業の通販サイト「ジオ・マート(Jio Mart)」に出店している雑貨店からの配達にダンゾーを利用する予定です。今回の出資により、リライアンスは食料雑貨の配達サービス市場での競争力を一層強化し、一方、ダンゾーは、調達した資金を、即時配達サービスやBtoBサービスなどの拡大に充てるとしています。

情報源:Nikkei Asia " India's Reliance enters instant grocery delivery with Dunzo stake "(2021/01/07)

●印タタ・グループ傘下のビッグバスケット、4級都市で共同購買のサービスを開始

India.pngインド最大の財閥「タタ・グループ(Tata Group)」傘下の、食品・雑貨のネット通販「ビッグバスケット(Bigbasket)」は、食料品市場での競争が激化する中、4級都市で共同購買のサービスを開始しました。共同購買は、ソーシャルコマースの一種で、中国格安ネット通販の「ピンドゥオドゥオ(Pinduoduo)」(2020年中国ネット通販市場のシェアが16.9%で、アリババとJDに次ぐ第3位)が中小都市を中心に成功を収めた実績がありました。同社関係者によると、インド国内食料品や必需品のオンライン購買需要が増加する中で、このような新しいモデルを探索する必要があると説明しました。

情報源:The Economic Times " How BigBasket plans to enter the crowded group buying segment "(2021/01/10)

●ファーストリテイリング、自動倉庫の設立を世界中推進、中国市場は22年稼働予定

nihonn.pngファーストリテイリングは、ダイフクと共同で開発した、商品のピッキングや入出荷を自動化した自動倉庫の世界規模での整備を進めています。その背景として、世界的に物流関連の人手不足問題を解決することを挙げています。日本国内での事例を見ると、西日本向けの自動倉庫の稼働により、本州・四国では翌日配送が可能になり、注文から配送までかかる時間を5日間から1日まで削減することができました。すでに2021年夏には米国や欧州、オーストラリアで自動倉庫を稼働し始めており、2022年8月中に中国でも開始させる予定です。なお、同社の中国事業は、2019年にネット通販と実店舗における在庫情報の一元化を実現させました。今回新しく設立する自動倉庫の稼働で、より迅速な配送ができるとしています。

情報源:日本経済新聞「ファストリ、EC強化へ世界で自動倉庫 中国でも22年度」(2021/01/10)

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