【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0526-0601

Today’s Topic
今週の注目は「米アマゾン、アパレル実店舗第一号店を開設」だよ!
●ノードストローム、2022年第1四半期決算を発表・EC売上が好調

america.png5月24日、米大型百貨店チェーンのノードストローム(Nordstorm, Inc.)が2022年第1四半期決算を発表しました。全体収益は前年同期比18.6%増の35億6,900万ドル(約4,556億9,458万円)で、百貨店事業ノードストロームとファッション系アウトレット事業のノードストロームラック(Nordstorm Rack)を合わせた純利益は同18.7%増の34億6,700万ドル(約4,429億5,387万円)でした。この内、EC売上は39%を占め、13億5,213万ドル(約1,727億5,201万円)となりました。EC化率は前年同時期から7%低下した39%でしたが、EC売上は僅かに上昇し、同0.62%増の13億4,366万ドル(約1,716億6,986万円)でした。同社の最高経営責任者であるエリックノードストローム氏(Erik Nordstrom)は「デジタルプラットフォームと実店舗のOMO戦略によって、幅広い商品分野や地域における顧客のニーズに対応できた」と述べています。今後、更なる総商品売買差益とサプライチェーンの生産性を高め、顧客の購買行動率が高い現在の間に収益性を高めることを目指しています。

情報源:Nordstorm"Nordstrom Reports First Quarter 2022 Earnings"(2022/05/24)

●ファーフェッチ、2022年第1四半期決算を発表・不安定な世界情勢下でも売上維持

UK.png5月26日、英ファッション越境ECサイトのファーフェッチ(Farftech)が2022年第1四半期決算を発表しました。ロシアのウクライナ侵攻と中国のコロナ禍でのロックダウンが売上高に影響したことを説明しています。しかし、全体売上は前年同期比6.1%増の5億1,480万ドル(約665億2,060万円)で流通取引総額は同1.6%増の9億3,075万ドル(約1,202億6,747万円)でした。うち、EC売上は前年同期比10.8%増の3億1,678万ドル(約409億3,293万円)で、流通取引総額は同2.4%増の8億950万ドル(約1,046億円)を占めました。今後、中国のロックダウンが解除されればファーフェッチの売上は更に拡大する見込みです。

情報源:Farfetch "Farfetch Q1 Earnings: Mixed Luxury Ecommerce Opportunity"(2022/05/26)

●米アマゾン、アパレル実店舗第一号店を開設

america.png5月25日、米アマゾン(Amazon)がアパレル実店舗第一号店「アマゾンスタイル(Amazon Style)」を開設しました。店頭には1商品につき1点のみ陳列され、色やサイズ違いの商品はありません。顧客はアプリ「アマゾンショッピング(Amazon Shopping)」で商品のQRコードを読み取り、商品情報を確認できます。さらにアプリ上で商品を指定すると、試着室やレジに商品が準備されるため、顧客は店内を見回る際に商品を持ち歩く必要がありません。また、顧客が選択した商品情報を基にパーソナライズされたおすすめ商品やコーディネート例の紹介も可能です。実店舗で試着した商品を後にECサイトで購入することや、ECサイトの商品を店舗に取り寄せ試着することも可能です。アマゾンスタイルでは「リーバイス(Levi's)」「トミーヒルフィガー(Tommy Hilfiger)」「パヴォイ(Pavoi)」などのブランドアイテムを展開しています。

情報源:cnetJapan「アマゾン、初のアパレル実店舗「Amazon Style」をオープン--カリフォルニア州で」(2022/05/26)

●メイシーズ、2022年2~4月期決算を発表・コロナ規制緩和により実店舗利用率増加

america.png5月26日、米百貨店大手メイシーズ(Macy's)が2022年2~4月期決算を発表しました。純利益が前年同期比177%増の2億8,600万ドル(約363億円)で売上高は同14%増の53億4,800万ドル(約6,791億9,735万円)でした。コロナウィルス規制の緩和により実店舗での購買が増え、既存店売上高は直営店が12.8%増加しました。特にドレスや女性用靴、アクセサリー、仕立物の紳士衣料品の実店舗売り上げが好調でした。また、サプライチェーン規制緩和により在庫回転率は同17%増加しました。一方で、実店舗利用率の増加に伴いEC利用率は減少したため、純売上高に占める配送費用は0.5%減少しました。

情報源:Macy's inc."Macy's, Inc. Reports First Quarter 2022 Results and Raises Earnings Guidance"(2022/05/26)

●アリババ、2022年1~3月決算を発表・デジタル基盤への中長期的な出資を継続予定

china.png5月26日、中国EC大手アリババ(Alibaba)が2022年1~3月決算を発表しました。売上高が前年同期比9%増の2,040億5,000万元(約3兆9,013億585万円)で、コマース部門の売上高は同8%増の1,403億3,000万元(約2兆6,830億2,009万円)でした。年間アクティブ顧客数は約13億1,000万人に達し、うち中国の消費者が初めて10億人を突破しました。様々な購買場面でパーソナライズ化や没入型、魅力的な購買体験ができる「マルチアプリ戦略」により、顧客のECサイト離脱を抑えたことが好調の要因と考えられます。また、淘宝(Taobao)や天猫(Tmall)のようなオンラインモールは中国人消費者の日常に浸透し、高い消費行動をもたらしています。アリババは、スマートロジスティクスやクラウドコンピューティングなどのデジタル基盤によって顧客のニーズの変化に応え、出店事業者の国内外における売り上げ拡大を支援しています。そのため今後もデジタル基盤への中長期的な出資を重要視していく予定です。

情報源:Alibaba Group"Alibaba Group Announces March Quarter and Full Fiscal Year 2022 Results"(2022/05/26)

●パルコ、企業間チャネル横断を促進するPoCを実施

nihonn.png「PARCO」などの商業施設を展開するパルコが、パルコのチャネルと他社チャネルの購買体験の横断を促進するPoCを実施しました。衣料品販売流通事業を展開するウィゴーと、アパレルのバロックジャパンリミテッドと協業を行います。本PoCでは、各アパレル企業の公式ECサイトにてPARCOカードを利用すると、次回以降パルコでの買い物で使えるポイントが付与されます。本来PARCOポイントはパルコ各館、パルコECサイトのみで付与されますが、本PoCを通じて顧客の中長期的ライフタイムバリュー(LTV)の向上を目指します。コロナ禍で購買チャネルの選択肢が拡大する中、ネットと実店舗の横断だけでなく、企業間のチャネルの横断も可能にすることで新たな購買体験の提供を目指す見込みです。

情報源:PRTIMES 「ウィゴー・バロックジャパンリミテッド公式ECサイトでのお買物で、PARCOポイントがもらえるPoCを実施」(2022/05/27)

●トルコEC企業、トレンドヨルが初となる海外支店をベルリンに開設

Turkey.pngトルコのEC企業トレンドヨル(Trendyol)は本国以外で初となるベルリン支店を開設しました。ベルリン支店では200人の従業員を雇用します。また、2027年までに売上の3分の1をトルコ国外から生み出すことを目標とし、2022年までにアムステルダム、2023年までにロンドンにオフィスを開設する予定です。同社は越境EC事業に5億ドル(約約646億783万円)以上の投資を行い、テクノロジーやサプライチェーンの最適化、マーケティング、人材雇用への投資に重点を置くつもりです。そして2022年までに4億ユーロ(約553億6,332万円)以上の売上と、2025年までにドイツで30億ユーロ(約4,154億5,492万円)以上のビジネスボリュームを生み出すことを目指しています。同社は過去に中国EC大手アリババ(Alibaba)から多くの資金支援を受けており、コロナ禍でのオンラインショッピング市場を支える大手企業の1つです。

情報源:PYMNTS.com"Turkish eCommerce Firm Trendyol Expands to Berlin"(2022/05/30)

●ゴートゥー、2021年度決算を発表。販促費で最終損益は約1,900億円の赤字に

Indonesia.png5月30日、インドネシアの大手テクノロジー企業ゴートゥー(GoTo)が、インドネシア証券取引所に上場後初めての決算発表を行いました。2019-2021年までの業績は、配車大手のゴジェック(Gojek)とEC大手のトコペディア(Tokopedia)が合併した前提の数値を公表しています。2021年の売上高は前年対比43%増の17兆ルピア(約1,500億円)となり、新型コロナの感染拡大に伴う巣ごもり需要をつかみ好調を維持。一方で、販促費として約9兆ルピアを投じた結果、最終損益は21兆4,000億ルピア(約1,900億円)と赤字額を膨らませる結果となりました。EC事業の売上高は同53%増の6兆2,638億ルピア(約560億円)となり、ゴジェックを活用したハイパーローカル・デリバリーサービスの展開や、ゴジェックが展開するモバイル決済サービスのゴーペイ(GoPay)をトコペディアでの支払対応などの協業を強化したことが売上拡大を後押ししたとみられています。同時に。2022年第1四半期の決算も発表しており、売上は前年同期比53%増5兆2,314億ルピア(約460億円)、また最終赤字は6兆5000億ルピア(580億円)となり、前年と比べて3倍以上膨らむ結果となりました。EC事業については同52.5%増の1兆9,129億ルピア(約170億円)となりました。商材別では消費財やマタニティ―関連の売れ行きが好調で注文数は同50%増を記録。また、ECサイト内における広告収入も順調に成長していることも、EC事業の売上拡大を後押ししました。

情報源:GoTo "GoTo Group Reports 1Q22 and FY 2021 Results"(2022/05/30)

この記事の関連タグ