【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0630‐0706

Today’s Topic
今週の注目は「Tiktok、欧州でのライブコマース機能の提供中止」だよ!
●米ウォルマート、ARプラットフォーマーを買収 デジタルによる顧客のヘルスケア体験を拡充

america.png 6月29日、米小売大手のウォルマート(Walmart)が拡張現実(AR)スタートアップのメモミ(Memomi)を買収したことを発表しました。メモミが提供するARプラットフォームでは、製品や衣類の仮想試着が可能で、 顧客のスタイルや好みに応じてパーソナライズ化されたおすすめ商品情報を提案しています。2019年からメモミとウォルマートは協業し、2,800以上のウォルマートビジョンセンター(Walmart Vision Center) と550店舗を超えるウォルマート子会社のサムズクラブ(Sams Club)へ、顧客の身体情報のデジタル測定ツールを提供しています。今回の買収では、主にアイケア製品の購買体験の拡充を目指しています。 顧客は光化学スモッグ対策の眼鏡の購入や、試着を自宅で実施できるようになります。ウォルマートは自宅でのデジタルケアサービスの拡充により、地域社会への利用しやすい医療の提供を目指しています。

情報源:Walmart Inc. "Walmart To Acquire AR Optical Tech Company Memomi"(2022/06/29)

●ティックトック、アプリ内にオンラインショッピング専用タブを開設 インドネシアで実証実験開始

Indonesia.png 6月22日、米EC大手のイーベイ(eBay)がNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスのノウンオリジン(KnownOrigin)を買収することを発表しました。 中国大手テクノロジー企業のバイトダンス(ByteDance)が提供するアプリ、ティックトック(Tiktok)が、インドネシアにてオンラインショッピング専用タブ「ショップ(Shop)」 を設定する実証実験を開始しました。ティックトックは現在、Eコマース事業の収益拡大に優先的に取り組んでいます。顧客がショップタブ内で選択した商品は、アプリ内右上のショッピングカートに追加され、 容易に購入できます。この取り組みは中国版アプリのドウイン(Douyin)で既に開始されており、ドウインの収益の大半はEコマース事業が占めています。今後はティックトックも同様の事業方針を目指すと考えられています。

情報源:Social Media Today "TikTok Tests Dedicated Shopping Feed with Users in Indonesia"(2022/06/30)

●英フレイザーズ・グループ、マイセール買収 小売事業の収益拡大を目指す

UK.png 英小売大手のフレイザーズ・グループ(FrasersGroup)がオーストラリアに本社を置くファッションマーケットプレイスを提供企業のマイセール(MySale)の株式を28.7%購入しました。 マイセールは2007年に設立され、現在はオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、マレーシアの4つの市場にマーケットプレイスを展開しています。フレイザーズ・グループは、今回の取引によって 「ヨーロッパとオーストラリアのサプライチェーンを強化し、季節が真逆であることを活かした商品販売が可能になる」と述べています。 同社は小売事業の収益拡大に積極的で、6月22日にはドイツのファッションブランドのヒューゴ・ボス(Hugo Boss)に約9億4,000万米ドル(約1,272億5,057万円)投資しています。

情報源:Inside Retail "British retail giant takes stake in Australia's MySale"(2022/07/01)

●アマゾンジャパンと財務省関税局、模倣品対策強化に関する覚書に調印

nihonn.png 6月30日、アマゾンジャパン(Amazon Japan)と財務省関税局が模倣品の水際取締り関係強化に関する覚書に調印しました。EC事業者と財務省関税局の覚書締結は今回が初めてとなります。 模倣品は小売業界全体のグローバルな課題であり、顧客への安心安全な買い物体験の提供を掲げるアマゾン(Amazon)は様々な対策に取り組んでいます。2021年には9億ドル(約1,216億7,094万円) 以上を模倣品対策に投資するほか、ブランド保護ツールとして「Amazonブランド登録」などを提供しています。 アマゾンジャパン合同会社社長のジャスパー・チャン(Jasper Cheung)氏は今回の覚書締結に関して「模倣品対策を官民連携で行い、 日本における模倣品撲滅の一助になることを期待している」と述べています。

情報源:JIJI.com 「アマゾンジャパンと財務省関税局、模倣品等の水際取締りに係る協力に関する覚書に調印 知的財産侵害物品等の国内流入防止を目的に協力関係を強化」 (2022/07/02)

●アマゾンエジプト、BNPL支払いサービスの提供を開始

Egypt.png 7月3日、アマゾンエジプト(Amazon Egypt)がエジプト金融サービス企業EFGエルメスホールディングス(EFG Hermes Holding)の子会社、バリュー(valU)と連携し、後払い(BNPL)サービスを開始することを発表しました。 顧客はアマゾンストアでBNPL支払いを選択し、頭金なしで6ヶ月から60ヶ月の範囲で分割払いを選択できます。 分割払いプランはバリューが提供するプランから選択可能で、BNPL支払いの選択には最低約27米ドル(約3,678円)相当の商品を購入する必要があります。 アマゾンエジプトは今回の連携を通して、顧客の支払い体験をより柔軟で容易にすることを目指しています。

情報源:PYMNTS.com "Amazon Egypt Introduces BNPL Offerings Through valU FinTech Platform"(2022/07/03)

●ティックトックのライブショッピング機能、ヨーロッパで廃止

EU.png 7月5日、中国大手テクノロジー企業のバイトダンス(ByteDance)は自社アプリ、ティックトック(Tiktok)のライブショッピング機能のヨーロッパへの提供廃止を発表しました。 ヨーロッパのライブショッピング市場がまだ十分に成熟していなかったことが原因と言われています。同社のライブストリーミングを中心としたEコマース事業は、中国やその他のアジア圏では成功を収めています。 中国版アプリのドウイン(Douyin)では、Eコマース売上が前年対比3倍以上で拡大し、100億ドル(約1兆3,575億円)以上に相当する商品を販売しています。 一方で、ヨーロッパでは一般消費者にライブショッピングが十分に普及していないため、目標を達成できず、インフルエンサーや社員がプロジェクトから抜けてしまいました。 海外展開の計画としては、まず英国でティックトックのショッピング機能を開始し、その後ヨーロッパ、米国に展開する予定でした。しかし、米国では、ティックトックのプライバシー問題を理由に、 共和党議員によるiOSとアンドロイド(Android)のストアからの削除申請が進められるなど、先行き不透明の状況です。なお、CEOのショー・ズ・チュウ氏(Shou Zi Chew)は、問題定義している共和党議員向けに 米国で配信されるアプリはすべてオラクルのサーバで運用され、さらに顧客情報も同社のサーバで保管されることを表明しています。

情報源:PYMNTS.com "TikTok Drops Livestream Shopping Plans in US, Europe"(2022/07/05)

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