【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0509-0515

Today’s Topic
今週の注目は米Amazonの南アフリカ進出です。南アフリカのEC市場は年間利益が4,700億円と想定され、注目を集めており、今後Takealotなど現地企業との競争激化が予測されます。
●米Amazon、南アフリカでマーケットプレイスを開始

SouthAfrica.png 5月7日、米Amazon(アマゾン)が南アフリカでマーケットプレイス「Amazon.co.za」を開始しました。TechCrunch(テッククランチ)によると、南アフリカのEC市場は年間30億ドル(約4,700億円)の利益を生み出すと想定されており、現地大手EC事業者のTakealot(テイクアロット)やMakro(マクロ)、bidorbuy(ビドバイ)との競争が激化すると考えられています。Amazonは今回、有料会員Primeサービスの導入を行わず、その代わりに初回注文と500レアル(約15,000円)を超える注文の配送料を無料にします。Amazonは2022年にアフリカ大陸への進出計画を発表し、延長を重ねてきました。南アフリカのサービスは当初2023年4月の立ち上げを予定していましたが、延期を重ね2023年10月に出品業者の登録を開始し、漸くサービス開始に至りました。また、2023年2月に予定されていたナイジェリアでの展開は、いまだに具体的な計画が発表されていません。同社はアフリカ大陸の市場を重視しており、Amazon.co.zaを通して何百万もの消費者にリーチする予定と説明しています。

情報源:Tech Crunch "Amazon launches a Prime-free marketplace in South Africa, its first in sub-Saharan Africa"(2024/5/7)

●米Instacart、Uber Eatsと提携

america.png 食料品配達の米Instacart(インスタカート)がUber Eats(ウーバーイーツ)と提携し、これまでの食料品の宅配サービスに加えて料理の宅配サービスの提供を開始すると発表しました。同サービスは米国内のInstacart顧客が利用できます。Instacartによると、レストランのリスト化はUber Eatsの支援を受けて行い、Instacartのプラットフォーム上で料理の注文を受け付けた後、Uber Eatsのデリバリー業者が配達します。Instacartの有料プログラムであるInstacart Plus(インスタカート・プラス)の会員は、35ドル(約5,500円)以上の注文をすると配達料が無料になります。Instacartの無料会員にはUber Eatsの配達料が請求されますが、具体的な配達料は明らかになっていません。米国では食料品宅配サービスの競争が激化しており、DoorDash(ドアダッシュ)が2023年に家電メーカーのBest Buy(ベストバイ)と提携するなど、サービスの拡大を進めています。

情報源:Instacart Inc. "Uber Eats to Power Restaurant Delivery on Instacart"(2024/5/7)

●Shopify、2024年第1四半期決算を発表・売上は予想を上回る

Canada.png 5月8日、カナダEC事業者Shopify(ショピファイ)が2024年第1四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比23%増の19億ドル(約2,940億円)と予想を上回ったものの、経費削減に苦戦したため純損失は2億7,300万ドル(約410億円)を計上し、前年同期の6,800万ドルの黒字から一転赤字を記録しました。2023年6月に売却した物流事業が赤字に影響したと説明しています。一方、GMV(流通総取引額)は23%増の609億ドル(約9兆4,300億円)を記録したほか、決済サービスShopify Payments(ショッピファイペイメント)の普及により加盟店向けソリューションの売上高は20%増の14億ドルと好調でした。同社は決済処理や在庫データ、発送ツールなどを同一のプラットフォームに統合することで、企業のEC支援を一元で実施することに注力すると説明しています。

情報源:Shopify Inc. "Shopify Announces First-Quarter 2024 Financial Results"(2024/5/8)

●アイスタイルが2024年6月期第3四半期の連結決算を発表・マーケティング支援とリテールが好調

nihonn.png 5月10日、アイスタイルが2024年6月期第3四半期(23年7月~24年3月)の連結決算を発表しました。売上高が前年同期比32.5%増の409億8,000万円、営業利益が同167.6%増の14億5,500万円、四半期純利益が8億3,300万円でした。マーケティング支援事業とリテール事業の好調が、業績に寄与しました。マーケティング支援事業では、コスメ・美容の総合サイト「@cosme(アットコスメ)」を基盤とした、店頭ポップアップイベントの販売促進への需要増加と、それと連携したオンラインによる広告・ソリューションサービスの受注が増加しました。特に2024年2月には、業務提携したトレンダーズ社が提供する美容メディア「MimiTV」と「@cosme」を掛け合わせた広告メニューを開始しています。これにより、マーケティング支援事業の売上高は前年同期比14%増の62億4,800万円を記録しました。EC事業においては、スペシャルイベント「@cosme BEAUTY DAY」が成功をおさめ、過去最高の流通総額を達成しました。リテール事業では売上高が前年同期比で46%増の305億1,600万円を記録しました。同社は今後もSNSと@cosme、店頭まで連携した一貫性のあるブランドコミュニケーションの実現を目指すと説明しています。

情報源:株式会社アイスタイル 「2024年6月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2024/5/10)

●楽天ラクマ、ラグジュアリーブランドの名品を集めたリユース品展示会イベントを開催

nihonn.png 楽天グループのフリマアプリ「楽天ラクマ」は「ラクマ公式ショップ」に出品されるラグジュアリーブランドの名品を集めた初のリユース品展示会イベント「Rakuma Brand Mall Timeless Collection」を開催します。6月1日・2日の2日間、東京の表参道で開催します。同イベントは2024年4月に楽天ラクマに開設したラグジュアリーブランドを中心とした人気ブランドに特化して商品検索などができる特設サイト「Rakuma Brand Mall」の世界観を表現したオフラインイベントで、「Rakuma Brand Mall」公式Instagram に公開する投稿から応募して当選したユーザーのみ参加できます。参加者は来場後にイベントの様子をハッシュタグ付きでInstagramに投稿すると、1万ポイント分の楽天ポイントを獲得できます。

情報源:楽天 「「楽天ラクマ」、「ラクマ公式ショップ」におけるラグジュアリーブランドの名品を集めた展示会イベント「Rakuma Brand Mall Timeless Collection」を初開催」(2024/5/10)

●韓国当局、AliExpressとTemuに対し自主的な安全協定の締結を求める

Korea.png 韓国国内にて中国格安EC事業者からの取引量が急増する中、韓国公正取引委員会はAliExpress(アリエクスプレス)とTemu(ティーム―)の安全性確保へ本格的に乗り出しました。ソウル政府が、AliExpressのTemuのこども用品から発がん性物質を検出したことをきっかけに、公正取引委員会は両社に対し自主的な安全協定の締結を求めました。両社は政府と緊密に協力し、有害な製品を排除することを約束しました。公正取引委員会のハン・ギジョン委員長によると、今回の締結により国内企業と同様に、海外プラットフォームに対しても同等の安全基準を適用することを狙っています。

情報源:Korea JoongAng Daily "AliExpress, Temu sign safety agreement with Korean antitrust watchdog"(2024/5/13)

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