5月14日、楽天が2024年度第1四半期決算を発表しました。売上高が前年同期比8.0%増の5,136億2,400万円の過去最高を記録しました。営業損益は332億7,200万円の赤字であるものの、各事業のコスト最適化により前年同期から約435億円の改善を果たしており、通期黒字化達成に向けて改善を進めています。特にインバウンド需要により、「楽天トラベル」ではGMV(流通総取引額)が前年同期比243%増と大きく伸びました。国内ECのGMVは、収益性の向上を企図したマーケティング施策の変更に影響を受け、前年同期比4.7%減の約1兆3,000億円と鈍化したものの、楽天市場の競争力は依然として高いと三木谷社長は説明しています。持続的な楽天市場の発展に向け、物流強化を進める計画です。さらに生成AIによるEC事業の強化も目指し、楽天市場にて出店店舗向け「Rakuten AI」による店舗運営支援や出店店舗向けの動画講座「楽天AI大学」を開始しています。同社は引き続き、利便性や満足度の向上を追求した各種施策を進めていく計画です。
情報源:楽天グループ株式会社 「2024年12月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2024/5/14)
5月8日、LINEヤフーが2023年度通期決算を発表しました。売上高は前年対比8.5%増の1兆8,146億円、調整後EBITDAは収益力向上により前年対比24.7%増の4,149億円となり、4期連続で過去最高を更新。主にPayPay連結が成長をけん引したほか、コスト最適化が寄与しました。国内EC事業の売上高は前年対比3.6%増の8,215億円、調整後EBITDAは前年対比25.0%増の1,432億円で増収増益を記録し、国内物販系取扱高の回復とコスト最適化が成長要因となりました。2024年度はYahoo!ショッピングの成長を加速させる予定で、LYPプレミアムやLINEアプリなどグループアセットのクロスユースによるYahoo!ショッピング利用の増加を目指すと説明しています。
情報源:LINEヤフー株式会社 「2024年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2024/5/8)
ZOZO(ゾゾ)は、展開するパーソナルスタイリング体験施設「niaulab by ZOZO(似合うラボ)」体験者のZOZOTOWN(ゾゾタウン)への訪問頻度が約1.5倍、購入金額は約2倍になったことを発表しました。同施設は2022年12月、東京の表参道に開設されたリアル店舗で、独自のAIとプロのスタイリストの知見を掛け合わせた無料のパーソナルスタイリング体験を提供しています。完全予約制で抽選に当選した人のみ利用できるサービスで、これまでに累計約11万人が応募し、そのうち4分の1がZOZOTOWNの新規会員や休眠会員で、既存ビジネスにも好影響を与えました。同施設の体験者は累計約1,000人に上り、体験後のアンケートによると「体験の満足度」は10点満点中平均9.2点で96.6%の人が「似合うが見つかった」と説明しています。体験者のZOZOTOWNへの訪問頻度は約1.5倍、購入金額は約2倍となり、パーソナライズされた提案へのニーズが高いことが明らかになりました。同社は今後も買い物のパーソナライズ体験を提供していくと説明しています。
情報源:株式会社ZOZO 「ZOZOの超パーソナルスタイリング体験施設「niaulab by ZOZO」 体験者のZOZOTOWNへの訪問頻度が約1.5倍、購入金額は約2倍に!」(2024/5/)
5月14日、中国大手EC事業者Alibaba(アリババ)が2024年度第1四半期および通期決算を発表しました。第1四半期の売上高は前年同期比7%増の2,218億元(約4兆8,000億円)で市場予想を上回った一方、純利益は86%減の32億元(約691億円)を記録しました。主力するEC事業への投資拡大に加え、投資先企業の損失が影響したと説明しています。EC事業は、投資を拡大したにも関わらず、国内EC事業の売上高が前年同期比4%増の932億1,600元(約2兆円)にとどまりました。通期決算の売上高は前年同期比8%増の9,411億元(約20兆3,500億円)で純利益が同10%増の797億元(約1兆7,000億円)を記録しました。越境EC事業への先行投資で赤字が続いていましたが、収益性の高いクラウド事業や物流事業の好調が利益に貢献しました。国内EC事業の売上高は同5%増の4,349億元(約9兆4,040億円)で越境EC事業は同46%増の1,026億元(約2兆2,200億円)でした。同社は引き続き、成長事業である越境ECの顧客体験向上に向けたサービス拡充を続けると説明しています。
情報源:Alibaba Group "Alibaba Group Announces March Quarter and Full Fiscal Year 2024 Results"(2024/5/14)
5月16日、米大手小売事業者Walmart(ウォルマート)が2024年度第1四半期(2月~4月期)決算を発表しました。売上高は前年同期比6%増の1,615億ドル(約25兆3,000億円)、純利益は前年同期の16.7億ドル(約2,600億円)から205.1%増加となる51億ドル(約8,000億円)を記録し、大幅な増収増益でした。売上全体の7割近くを占める国内店舗の売上高は前年同期比4.6%増の1,087億ドル(約17兆296億円)と好調でした。また、EC事業の売上高はカーブサイド・ピックアップやデリバリー、マーケットプレイスの好調が寄与し、前年同期比で22%増を記録しました。また、5月30日には若い世代に向けた新食品プライベートブランド「bettergoods(ベターグッズ)」を発表しました。植物由来、グルテンフリーなどZ世代の興味関心が高い商品などを300品目揃えたほか、うち約7割を5ドル(約780円)以下で販売することで、高品質低価格な商品提供を目指しています。
情報源:Walmart "Walmart Reports First Quarter Results"(2024/5/16)