9月13日、米国バイデン政権は、デミニミスルールを利用した不正輸入や中国ECの格安商品の大量輸入に対処する、新たな措置を発表しました。デミニミス対象から特定の品目を除外する行政措置や原産国の表示、そして議会への法改正要請などが含まれています。特に繊維・アパレルなど、米国にとって重要な品目はデミニミス対象から除外される可能性があります。デミニミスルールとは、輸入貨物の申告額が一定額以下の場合、関税が免除され、原産地などの情報の申告も簡略化される制度です。米国では、輸入貨物の申告額が800ドル(約11万4,700円)以下の場合にこのルールが適用されます。近年デミニミスルールを利用した違法薬物の流入が問題視されているほか、SHEIN(シーン)やTemu(ティーム―)など中国ECを使って800ドル以下のショッピングをする消費者が増えたことで市場の公平性が保たれていない状況が問題視されています。法案が可決された場合、SHEINやTemuなどの商品価格が上昇し、市場の公平性が改善される見込みです。
情報源:Fashion Snap 「米バイデン政権がデミニミス免除による輸入対策強化、可決されればシーインやティームーの価格高騰か」(2024/09/20)
YouTube(ユーチューブ)と ECプラットフォームShopee(ショッピー)が提携し、インドネシアでECサービスを開始しました。この提携により、YouTubeユーザーはプラットフォーム上でShopeeの商品を直接購入できるようになります。同サービスはすでに韓国と米国でも展開されており、今後はタイとベトナムでもサービスを展開する計画であると、YouTubeのアジア太平洋地域担当者は説明しています。今後は東南アジア全域での拡大も検討しており、特にインドネシアの大手EC事業者Tokopedia(トコペディア)を買収し、同地域でのEC事業を拡大しているTikTok(ティックトック)に対抗する動きと見られています。
情報源:Investing.com 「YouTubeとShopeeがインドネシアでEコマースサービスを開始」(2024/09/19)
Amazon.co.zaは、南アフリカの地元企業製品を集めた新しいオンラインストア「Shop Mzansi」(ショップ・ムザンシ)を立ち上げました。160以上のブランドが入店し、数千もの商品を取扱い、おもちゃや家庭用品、アウトドア用品など、さまざまなカテゴリーの商品を販売しています。これにより、地元の中小企業がより多くの顧客にリーチできる機会を提供していきます。また、Amazon.co.zaは、中小企業向けにFulfillment by Amazon(FBA)(フルフィルメント・バイ・アマゾン)や店舗ピックアップなどのサービス、広告関連のツールを提供しオンラインビジネス運営の効率化を支援します。また、Shop Mzansi出店事業者は、他の国のAmazonストアへの出店することで、グローバルへのビジネス展開も可能となっています。
情報源:Ecommerce News Africa "Amazon.co.za launches local 'Shop Mzansi' storefront"(2024//09/23)
経済産業省は、9月25日に「令和5年度の電子商取引に関する市場調査結果」を発表しました。同省によると、2023年の国内BtoC-EC市場規模は、物販、サービス、デジタルの3分野合計で24兆8,435億円となり、前年比で2兆986億円の増加となりました。また、EC化率は9.38%(前年9.13%)と増加傾向にあります。サービス分野が大きく成長した一方で、物販分野は、消費者の実店舗回帰傾向などにより、伸び率は緩やかになりました。また、スマートフォン経由での取引額が増加していることや、SNSの利用が拡大していることなど、日本のEC市場の特徴が示されています。さらに、CtoC-EC市場規模も2兆4817億円と前年比5.0%増と拡大しています。日本、米国、中国の3か国間の越境EC市場規模も増加しており、特に中国消費者による日本からの越境EC購入額は2兆4,301億円に達しました。
情報源:経済産業省 「令和5年度電子商取引に関する市場調査の結果を取りまとめました」(2024/09/25)
9月25日、メルカリはオンラインで定時株主総会を開催し、2024年6月期の業績報告を行いました。フリマ事業の通期GMV(流通取引総額)が初めて1兆円を突破し、前年同期比9%増の1兆727億円に達しました。これはYahoo!オークションやYahoo!フリマなどを提供するLINEヤフーのリユース事業のGMVを初めて上回る結果となっています。一方、新たな競合として中国EC事業者のTemu(ティームー)が急速に台頭しており、その安値攻勢がメルカリにとって脅威となっています。これに対し、同社は個人間取引だけでなく、中小事業者や大手事業者の誘致も積極的に行う方針を示すほか、2025年6月期の業績予想を初めて期初時点で公表し、収益重視の経営へと舵を切る姿勢を明確にしています。山田CEOは「成長率が落ちているなかで、収益を重視しながら経営するフェーズになった。収益も一定の範囲内では予見できるようになってきた」と説明しています。
情報源:日本経済新聞 「メルカリ初の「ヤフオク超え」 成長は踊り場、迫るTemu」(2024/09/25)