【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0729-0804

Today’s Topic
今週の注目ニュースは、「中国アプリ、各国で制限の動き」だよ!
■グーグル、販売者の手数料無料へ

america.png 7月23日、グーグルが、小売業者がバイ・オン・グーグル(Buy on Google)を利用すると商品を販売する際の手数料を無料にすることを発表しました。バイ・オン・グーグルを使うことで、検索連動広告から直接購入できます。グーグルは同時に、在庫と注文の管理にはショッピファイ(Shopify)、支払い処理にはペイパル(PayPal)とショッピファイをはじめ、より多くのデジタルコマースプロバイダーにプラットフォームの開放を開始しました。なお、同社は6月にメインの「グーグル検索」の結果に、企業の商品リスティングを無料で掲載できるサービスを提供しています。

情報源:同社プレスリリース"Buy on Google is now open and commission-free"(2020/07/23)

■中国アプリ各国で、制限の動き

global.jpg 7月28日、自民党が8月にも、中国企業が開発したアプリの利用を制限するよう、政府に促す提言をまとめることが報じられました。経済安全保障を強化する一環で、規制に必要な法改正などの工程表を法律で定めるよう求める予定です。対象となるアプリは、日本で1千万人以上の利用者がいる動画投稿アプリティックトック(TikTok)などが念頭に置かれています。  

 なお、アメリカでは7月2日、マイクロソフト(Microsoft)がティックトックアメリカ事業の買収を検討していることを発表しました。米政府は以前より、同アプリにおける個人情報の取り扱いに関する安全保障上の懸念を示しており、外国企業の米国投資を審査する「対米外国投資委員会(CFIUS)」の通知に基づき、セキュリティー面の懸念を完全になくすことを今回の買収の条件としています。なお、3日トランプ米大統領は、マイクロソフトあるいは別の米企業への米国事業売却取引で9月15日までに合意が成立しなければ閉鎖させると言明しました。

情報源:日本経済新聞「中国アプリ制限へ法整備、TikTokなど念頭 自民提言へ」(2020/07/28)、「Microsoft、TikTok買収交渉認める トランプ氏とも協議」(2020/08/03)

■EC大手、相次ぐ決算発表

global.jpg  7月28日、米EC大手イーベイ(eBay)が、第2四半期の決算発表を行いました。売上高は前年同期比18.2%増の28億6500万ドル(約3030億円)で、純利益は同33.7%増の7億7,000万ドル(約815億円)となりました。第2四半期のGMV(流通取引総額)は、同29%増の271億ドル(約2兆8,700億円)に達し、アクティブなバイヤーは5%増加し1億8,200万人になりました。

 7月29日、カナダEC大手ショッピファイ(Shopify)が、第2四半期の決算発表を行いました。売上高は、前年同期比97.3%増の7億1,434万ドル(約760億円)で、純利益は前年同期の2,867万ドル(約30億3,570万円)の赤字から、3,599万ドル(約38億1,080万円)の黒字となり、最高益を大幅に更新しました。新型コロナウイルスの影響で、EC利用が急増し、取引総額は301億ドル(約3兆1,870億円)と2.2倍に増えました。
 7月30日、米EC大手アマゾン(Amazon.com)が、第2四半期の決算発表を行いました。売上高は前年同期比40.2%増の889億1,200万ドル(約9兆4,150億円)で、純利益は同99.7%増の52億4300万ドル(約5550億円)でした。同社は、従業員の新型コロナウイルス感染対策費用として40億ドル(約4240億円)を計上していましたが、これを吸収して最高益の更新となりました。新型コロナウイルスの影響で、主力のネット通販事業が好調となり、部門売上高は同48%増の458億ドル(約4兆8,500億円)を記録しました。

情報源:イーベイプレスリリース"eBay Inc. Reports Better Than Expected Second Quarter 2020 Results and Raises Full Year Guidance"(2020/07/28)、ショッピファイプレスリリース"Shopify Announces Second-Quarter 2020 Financial Results"(2020/07/29)、アマゾンニュースリリース"Amazon.com Announces Second Quarter Results"(2020/07/30)

■ペイペイ、ECサイトやアプリに簡単に導入できる開発者向けツールの提供開始

nihonn.png 7月29日、スマホ決済サービス「ペイペイ(PayPay)」が、自社で運営するECサイトやアプリなどオンラインサービスの決済システムとしてペイペイを簡単に導入できる開発者向けツール「PayPay for Developers」の提供を開始しました。サイト上で登録すると、ペイペイを導入するための試験環境を無料で利用できます。現在は、ペイペイのアカウントを使ったり、ペイペイのアプリを自動的に立ち上げたりする4種類の決済手段を提供しています。なお、ペイペイの登録者は累計で3千万人、実店舗の加盟店が230万カ所を超えており、今度は同ツールの導入によって12万カ所以上のオンラインの加盟店も伸ばす考えです。

情報源:同社プレスリリース「自社のECサイトやアプリに「PayPay」を導入できる開発者向けツール「PayPay for Developers」の提供を開始」(2020/07/29)

■メルカリ、「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」を設立

nihonn.png 7月30日、フリーマーケットアプリ大手メルカリが、メルカリのマーケットプレイスの運営・管理のためのルールのベースとなる、基本的な考え方を定めた原則(Principles)を議論することを目的に、外部有識者を交えた「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」を設立しました。これは、新型コロナウイルス感染拡大によって、マスクの高額転売など"悪質出品"が相次ぎ、後に法規制されるなど社会問題化したことを受けた動きです。議論を基に、メルカリの新しい運営ルールのベースとなる原則案を定め、9月末までに公開する予定です。

情報源:同社プレスリリース「メルカリ、「マーケットプレイスのあり方に関する有識者会議」を設立」(2020/07/30)

■インスタグラムショップ、日本での導入を発表

nihonn.png 7月30日、SNS大手インスタグラム(Instagram)が、インスタグラムショップの利用を日本でも導入しました。インスタグラムショップは、インスタグラム上に、簡単にオンラインショップを開設できる無料のサービスです。利用者は発見タブに導入された同機能を利用すると、人気のブランドやクリエイターから買い物をすることが出来ます。

情報源:同社プレスリリース「Instagramショップ: 好みに合った商品の発見から購入までのすべてを1か所に」(2020/07/31)

■ジョン・ルイス、オンライン売上60%へ

UK.png  7月30日、英大手百貨店ジョン・ルイス(John Lewis)が掲げるデジタルファースト戦略のレビューおよび今後の方針について発表しました。特に強化策として、アプリとウェブサイトの使いやすさとパーソナライズ化の強化によって、オンライン売上をコロナ前の40%から60%までに引き上げる計画です。また、ジョン・ルイスが運営するスーパーウェイトローズ(Waitrose)でも5%から20%へと上昇させる予定です。

情報源:同社メディアセンター"PROGRESS UPDATE ON OUR STRATEGIC REVIEW SECURING OUR SUCCESS"(2020/07/30)

■Zホールディングス、決算発表。コマース事業が伸長

nihonn.png 7月31日、EC大手ヤフーショッピングなどを運営するZホールディングスが、第1四半期の決算発表を行いました。売上収益は前年同期比14.8%増の2,738億円で、営業利益は同40%増の506億円となりました。特にコマース事業が伸長しており、ゾゾ(ZOZO)連結子会社化による拡大と、ペイペイ(PayPay)モールの拡大などにより、ショッピング事業取扱高が同85.9%増の3,793億でした。今後もショッピング事業とのエコシステム構築によって、ゾゾとのシナジーを創出する計画です。なお、同社は決算発表に先立ち、ジャパンネット銀行など傘下あるいは出資先の金融事業6社の社名・サービス名をペイペイブランドに統一すると発表しました。

情報源:同社決算発表資料「第1四半期決算」(2020/07/31)

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