【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0707‐0713

Today’s Topic
今週の注目は「ヤフーショッピングとペイペイモールの統合」だよ!
●拼多多、2024年までに流通総取引額の成長率が京東、アリババを超える可能性

china.png 米大手投資銀行のモーガン・スタンレー(Morgan Stanley)によると中国大手ECプラットフォーマーの拼多多(Pinduoduo)は2024年までに、競合の京東商城(JD.com)やアリババ(Alibaba)の流通総取引額の成長率が上回ると予測されています。2024年までに拼多多の流通総取引額は17.6%の成長率を達成し、15.5%の京東商城と8.8%のアリババを越え続けると考えられています。しかし、2024年Eコマース市場のシェアでみると依然としてアリババはトップの42.1%で、拼多多は17.5%に収まると推定されます。拼多多は共同購入サイトの割引を充実させているため、地方に住む所得の少ない消費者から人気を集めています。中国Eコマース業界全体では、2024年に流通総取引額22.6兆元(約460兆円)を達成すると考えられています。

情報源:Tech in Asia "Pinduoduo to outpace JD, Alibaba in GMV by 2024, says report"(2022/07/05)

●ヤフーショッピングとペイペイモール統合、EC大手の楽天やアマゾンに対抗する狙い

nihonn.png 7月6日、大手テクノロジー企業のZホールディングスは、ヤフーショッピング(Yahoo!ショッピング)とペイペイモール(PayPayモール)の統合を発表しました。2022年の10月の統合後は、ヤフーショッピングとしての取扱品目は4億点以上に及び、配送スピードの迅速化にも対応します。また、9,200万人の利用者を誇る傘下企業のライン(LINE)とも連携し、決済やポイントサービス、問い合わせ対応などの一本化を図る見込みです。同社はグループ内の連携を強めることで、国内大手EC企業の楽天市場やアマゾンジャパン(Amazon Japan)に対抗するとみられています。

情報源:日本経済新聞 「ヤフーとPayPay、ネットショップ統合へ LINEとも連携」(2022/07/06)

●米アマゾン、フードデリバリーサービスに注力 プライム会員は送料無料でグラブハブを利用可能に

america.png 7月6日、米大手EC企業アマゾン(Amazon)がオランダ大手オンラインフードデリバリーサービス企業のジャスト・イート・テイクアウェー・ドットコム(Just Eat Takeaway.com)傘下のグラブハブ(Grab Hub)の株式を2%取得することを発表しました。今回の連携により、米国のアマゾンプライム会員はグラブハブの会員サービスも無料で利用でき、12ドル(約1,600円)以上の注文で送料が無料になります。競争の激しいフードデリバリー市場で、グラブハブのシェアはドアダッシュ(Door Dash)の59%、ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies, Inc.)の24%に次ぐ13%の3位です。アマゾンとの連携を通して、グラブハブは集客力の向上を図っています。

情報源:日本経済新聞 「Amazon、米デリバリー3位に出資へ 無料で料理宅配」(2022/07/07)

●英テスコ、オンライン配達サービスの送料をまとめ払いでお得にするサービス開始

UK.png 英大手スーパーマーケットのテスコ(Tesco)は、長引くインフレを受け、年間配達セーバープラン(12-month delivery saver plan)の導入を発表しました。本プランは、オンライン注文の送料を年額または月額契約で支払うことで、都度払いで支払うよりも格安で注文が可能になるサービスです。年間83.33ポンド(約13,600円)または月額6.99ポンド(約1,100円)で利用可能で、オフピーク時の場合は半額で利用可能です。また、配送料をより抑えた半年間のクリック・アンド・コレクト配達プランも提供しています。6ヶ月間、14.94ポンド(約2,400円)の前払いか、2.99ポンド(約490円)の月額料金で、いつでも店頭受け取りが可能です。

情報源:Money Saving Expert "Tesco brings back 12-month delivery pass and launches cheaper click and collect pass ? here's how they compare"(2022/07/07)

●ウォルマート、自宅配達サービスとサブスクサービスの統合を発表

america.png 米大手スーパーマーケットのウォルマート(Walmart)は、自宅配達サービスのインホーム・デリバリー(InHome Delivery)とサブスクサービスのウォルマートプラス(Walmart+)を統合させることを発表しました。インホーム・デリバリーは2019年に開始し、顧客がオンラインで注文した商品が直接自宅の冷蔵庫へ配達されるサービスです。今回の統合により、通常年間98ドルかかるウォルマートプラスとインホーム・デリバリーを合わせて、年間138ドル(約18,800円)で利用可能になります。同社は本サービスをマイアミやタンパ、オーランドなどに範囲を拡大することで、2017年からアマゾン(Amazon)が米国5,000以上の都市で提供している類似サービスであるアマゾン・キー・サービス(Amazon Key service)に対抗していきます。

情報源:Pocnetwork "Walmart's InHome service has joined with the Walmart+ Membership"(2022/07/09)

●EU、デジタルサービス法を可決 対応スケジュールに対する懸念も

EU.png 7月5日、欧州連合(EU)の欧州議会は大手EC企業を抑制するデジタルサービス法(Digital Services Act:DS法)を可決しました。これにより欧州のオンラインマーケットプレイスは、小売業者との契約時に商品の安全性や顧客の個人情報保護やEU規則の順守について調査することが求められます。本法律に対して、欧州Eコマース協会は素早く可決されたことに対して評価したものの、EC事業者が対応するためのスケジュール、管轄組織が未整備であることに対する懸念を指摘しました。まず、スケジュール面において、大半のEC事業者は法律順守までの期間が15か月間設けられている一方で、大手ECプラットフォーマーはわずか7か月間のタイトなスケジュールでの対応が求められています。また、組織面において、DS法では裁判外紛争処理手続きをデジタルサービス調整担当官主導で進めることが定められているものの、担当官の任命が現在設定されているスケジュールでは間に合わず、管轄組織が機能しない懸念が生じています。そのため欧州Eコマース協会は、DS法の重要施策や規則の明確化と円滑な実装施策の重要性を強調しています。

情報源:Fashion Network "EU's Digital Services Act worries e-commerce associations"(2022/07/11)

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