【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0330-0405

Today’s Topic
今週の注目は「Kuaishou、2022年第4四半期および通年の決算を発表・新規顧客獲得により業績好調」だよ!
●Kuaishou、2022年第4四半期および通年の決算を発表・新規顧客獲得により業績好調

china.png  3月29日、Kuaishou(快手)が2022年第4四半期および通年の決算を発表しました。2022年第4四半期の売上高は前年同期比26.9%増の129億人民元(約2,500億円)で、収益は同15.8%増の283億人民元(約5,400億円)で増収増益を記録しました。EコマースのGMV(流通総取引額)は同30%増と好調で、同社のアプリアクティブユーザーは同13.3%増の3億6,620万人を記録しています。また通年でも、売上高は前年比23.8%増、収益は同16.2%増、EコマースのGMVは同32.5%増を記録するなど順調に成長しています。同社によると業績の好調はプラットフォームのサービスを強化し、新規顧客獲得に注力したことが寄与したとしています。同社は消費者のアプリ滞在時間やインタラクションを分析し、パーソナライズ化したマーケティング戦略を打ち出していました。その結果、同社アプリはショート動画やライブ配信の主要プラットフォームとして進化しています。

情報源:Kuaishou Technology "Kuaishou Technology Announces Fourth Quarter and Full Year 2022 Financial Results"(2023/03/29)

●Allegro、2022年第4四半期および通期の決算を発表・国内事業が好調

poland.png  3月30日、ポーランド大手ネット通販サイトAllegro(アレグロ)が2022年第4四半期および通期の決算を発表しました。第 4 四半期の国内事業の売上高は前年同期比26.5%増の20億ポーランドズロチ(約610億円)で、GMV(流通総取引額)は同14%増の144 億ポーランドズロチ(約4,400億円)を記録しました。ポーランド国内事業は同社グループの総事業の約95%を占めています。最終損益は同41.2%増の7億800万ポーランドズロチ(約216億1,100万円)の増収増益でした。また、同社のアプリのアクティブユーザー数は同4.2%増の140万人を超え、ユーザー1人当たりのGMVは前年同期比11.3%増の3,515ポーランドズロチ(約10万円)でした。通期のGMVは前年比15.9%増、売上高は同24.1%増で最終損益は同11.6%増加しています。同社は商品の低価格販売や迅速な配送サービスにより、消費者満足度を高めています。また、提供するBNPLサービスAllegro Pay(アレグロペイ)の需要も高く、融資額は55億ポーランドズロチ(約1,678億円)を記録し、今後は更なるサービス展開を計画しています。同社はグローバル展開も計画しており、ヨーロッパ展開を進めています。現在、マーケットプレイス展開の強化を視野に入れており、2023年にはチェコ共和国に参入する予定です。

情報源:Allegro"Financial Results"(2023/03/30)

●Walmartのインベスターデイが開催

america.png  4月4、5日の2日間で米大手小売事業者Walmart(ウォルマート)のインベスターデイが開催されました。世界的なインフレ下でWalmartは、低価格商品の販売や豊富な日用品の取り扱い、さらに、実店舗数の強みを生かしてオムニチャネル化やリテールメディア事業に注力しています。同社はサプライチェーンの自動化や店舗や倉庫の自動化などを実施し、配送効率の向上や人件費の削減に取り組んでいます。また、デジタル広告プラットフォームのWalmart Connect(ウォルマートコネクト)による広告収益を拡大しています。長期的な経済不安に伴い増加した高所得者顧客を維持するため、同社は高級感のある店舗の装飾やトレンド商品を中心に取り扱う店舗展開などを進めています。

情報源:Walmart Inc."Walmart Outlines Growth Strategy, Unveils Next Generation Supply Chain at 2023 Investment Community Meeting"(2023/04/04)

●Amazonの模倣品犯罪対策チーム、2022年に世界で600万点以上の模倣品を差し押さえ

global.jpg  4月4日、米Amazon(アマゾン)は同社の模倣品犯罪対策チームが2022年に世界で600万点以上の模倣品を差し押さえたことを発表しました。これまでに、米国や英国、EU、中国で模倣品業者などを告発した件数は1,300件に上っています。同社は各国の捜査当局と連携して模倣品を摘発する以外にも、特定した模倣品から物流ネットワークを遡り製造に関与した倉庫の突き止めや差し押さえも実施しています。また、模倣品の自動検知を実施した結果、2022年のAmazonへの権利侵害報告件数は前年比で35%以上減少しました。出店事業者には身分証明書や銀行口座、クレジットカードなどの情報提供を求め、過去に確認された悪質事業者との関わりなどを調査しています。悪質な事業者による新規アカウント開設を防止し、2022年の防止件数は80万件で2020年の600万件、2021年の250万件から大幅に減少しています。同社は今後も模倣品被害の減少に向けて積極的に活動することを主張しています。

"Amazon Releases 2022 Brand Protection Report"(2023/04/04)

●Alibaba、海外ブランドの中国Eコマース攻略法5選を発表

china.png 中国大手EC事業者Alibaba(アリババ)は2022年に自社グループで実施した100超のマーケティング戦略の結果に基づき、海外ブランドの中国Eコマース攻略法を5つ発表しました。1つ目はEコマースプラットフォームのセールイベントや限定販売の実施です。2022年には中国最大のセールイベント618ショッピングフェスティバルとダブルイレブンにおいて、海外ブランドによる中国限定商品の販売をしました。結果、合計で4億元(約76億円)のGMV(流通総取引額)を達成しており、限定商品ビジネスは有力な中国Eコマース攻略法となっています。2つ目は消費者を巻き込んだB2Bキャンペーンです。Alibaba Cloud(アリババクラウド)は、中国の若手映画監督に同社オリジナルのクラウドノートPCを提供することで、商品認知度を高める計画をしています。3つ目が共感マーケティングの強化です。Tmall(天猫)はコロナ禍を過ごした消費者同士の団結をドキュメンタリーにするキャンペーンを実施し、ロックダウン中の日用品のギフト売上を高めました。このように、危機的状況下では共感マーケティングが最も効果を発揮します。4つ目はインタラクティブなキャンペーンの実施です。フードデリバリー事業者のEle.me(ウーラマ:餓了麼)は消費者がオンラインクイズに参加すると加盟店から無料商品を獲得できるキャンペーンを実施しました。開始から半年でクイズ参加者は1億人を超え、何千もの加盟店が同キャンペーンを活用したプロモーションを行っています。ブランドは消費者参加型キャンペーンの強化により、ブランド認知度を高めることができます。5つ目は的確なターゲット層へのリーチです。格安通販アプリのTaote(タオター:淘特)は主要ターゲットに向けたキャンペーンを実施し、ブランド認知度を高めています。同社は、海外ブランドは以上5点のポイントを活用することで、中国市場への参入や事業拡大の効率的な達成が可能になると主張しています。

情報源;Alibaba News Japanese「アリババ、5つの中国EC攻略法を発表」(2023/04/04)

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