【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0412-0418

Today’s Topic
今週の注目は「プラットフォーマーによるChatGPT活用の相次ぐ発表」だよ!
●Alibaba、自社AIチャットボットTongyi Qianwenを発表

china.png  4月11日、中国大手テック事業者Alibaba (アリババ)が自社AIチャットボット「Tongyi Qianwen(トンギーチェンウェン:通義千問)」を発表しました。同サービスは中国語の大規模なテキストデータセットで訓練されたチャットAIで、中国語と英語での受け答えが可能です。現在は、法人顧客と限られたメディア関係者のみが招待制で利用できます。まずビジネスチャットアプリ「DingTalk(ディントーク:釘釘)」とスマートスピーカー「Tmall Genie(ティエンマオジンリン:天猫精霊)」に導入され、その後アリババの製品全てに導入される予定です。中国市場では米OpenAI(オープンAI)のチャットボットChatGPT(チャットGPT)に対抗すべく、大手IT事業者が中国大規模AIモデルの開発に注力しており、Baidu(バイドゥ:百度)の「Ernie Bot(文心一言)」をはじめ、SenseTime(センスタイム:商湯)やHuawei(ファーウェイ:華為)、JD.com(JDドットコム:京東)などが独自の大規模AIモデルを相次いで発表しています。

情報源:BBC News "AI: China tech giant Alibaba to roll out ChatGPT rival"(2023/04/11)

情報源:Bridge「Alibaba(阿里巴巴)、ChatGPTに似た大規模言語モデル「Tongyi Qianwen(通義千問)」をローンチ」(2023/04/12)

●AWS、自動生成AIをAPI経由で利用できる新サービスBedrockを発表

america.png  4月13日、米AWS(アマゾン・ウェブ・サービス:Amazon Web Services)が自動生成AI (Generative AI:ジェネレーティブAI)をAPI経由で利用できる新サービスBedrock(ベッドロック)を発表し、自動生成AI市場に参入しました。同サービスはAWSユーザー企業が、チャットボットの構築やテキスト生成と要約、プロンプトに基づく画像の作成と分類を支援する生成型AIツールです。小売事業者は過去のキャンペーンで効果のあったキャッチコピーと関連する商品説明をBedrockに読み込ませ、SNSやWebサイト向けの新しいキャッチコピー案の生成を自動で行うことができます。現在は限定プレビュー中で、今後は広範囲に展開していく予定です。

情報源:AWS cloud"Announcing New Tools for Building with Generative AI on AWS"(2023/04/13)

●Walmart、D2CブランドBonobosをついに売却

america.png  4月13日、米小売大手Walmart(ウォルマート)がD2CのメンズウェアブランドBonobos(ボノボス)をブランド管理会社WHPとアパレル小売業者Express(エクスプレス)に7,500万ドル(約100億円)で売却しました。売却額は、2017年にWalmartが買収した際の金額3億1,000万ドル(約410億円)を大きく下回ります。Walmartは大手オンラインマーケットプレイスのAmazon(アマゾン)に対抗するため、D2C事業への参入を強化していましたが、同社ではコア事業となる生鮮食料品や雑貨などのグローサリー販売にシフトし始めています。そのため、オンライン販売のノウハウや取扱商品の拡大・強化を目的に買収してきたBonobosをはじめとするShoes.com(シューズドットコム:2020年売却)やBare Necessities(ベア・ネセシティーズ:2020年売却)、modcloth(モドクロス:2020年売却)などのD2Cファッション関連ブランドを手放すことに至ったと業界内では言われています。

情報源:CNBC"Walmart sells Bonobos to WHP Global and Express in $75 million deal"(2023/04/13)

●Best Buy、コスト削減とオンライン販売強化への事業展開を目的に人員削減を実施

america.png  米Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)の報道によると4月14日、米家電量販大手Best Buy(ベストバイ)が全米の店舗を対象に、数百人規模の人員削減を実施しました。同社は2023年 1月時点で米国とカナダにて9万人以上の人員削減をしています。今回の人員削減はコスト削減とオンライン販売強化への事業展開を目的としています。同社のEC事業は2022年の国内総収益の38%を占めており、今後は店舗とオンライン販売強化での顧客体験の充実を目指してコストの最適化を行う予定です。

情報源:infotechlead"Best Buy slashes more jobs shifting focus to online sales"(2023/04/15)

●米Mercari Inc.がChatGPTを活用したMerchat AIを提供

america.png  4月18日、フリマ大手メルカリの米国法人Mercari Inc.が米Open AI(オープンAI)のChatGPT(チャットGPT)を活用した会話型ショッピングアシスタントサービス「Merchat AI(メルチャットAI)」のβ版を提供しました。AIが利用者とのチャットをもとに、メルカリに登録される何百万もの商品からおすすめ商品をリアルタイムで提案します。消費者はAIに対して「母の日に何を買うべきですか?」や「夏の結婚式に何を着るべきですか?」と質問することで、最適な商品を発見できます。現在、同サービスは米国全土で利用可能ですが、日本での導入は予定されていません。

情報源:CISION"Mercari Launches Merchat AI, a New Shopping Assistant Powered by ChatGPT"(2023/04/18)

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