【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0622-0628

Today’s Topic
今週の注目は「AmazonやTargetなど、米小売事業者が英ネットスーパーOcadoの買収に関心を示す」だよ!
●Amazon、中小企業のEC事業支援サービスをイギリスで開始

UK.png  米Amazon(アマゾン)が英銀行YouLend(ユーレンド)と協業し、英中小企業のEC事業を支援するサービスを開始しました。Amazon加盟店の中小企業は、500ポンド(約9万円)から最大 200 万ポンド(約3億6,500万円)までの融資を申請可能で、マーケティングや在庫管理、設備投資などに利用できます。申請が承認されると、中小企業は固定料金を支払い、返済額はAmazonでの売上に応じて決定します。返済は中小企業が売上を上げた場合にのみ請求されるため、販売が低迷している期間でもEC事業への投資が可能です。Amazonは同サービスによって、中小企業のEC事業における発展を目指しています。

情報源:Amazon UK"Amazon launches flexible financing for small and medium-sized businesses" (2023/06/20)

●Frasers Group、BoohooやCurrysの株式取得により小売市場でのプレゼンス拡大を目指す

UK.png  英スポーツ用品の小売事業者Frasers Group(フレイザーズ・グループ)は、ファッション小売のBoohoo(ブーフー)と家電小売事業者Currys(カリーズ)の株式を取得しました。この動きは、Frasers Groupが小売市場でのプレゼンスを拡大するための戦略的投資と見られています。同社は、自社ブランドのI Saw It First(アイソーイットファースト)とMissguided(ミスガイデッド)は若い女性消費者をターゲット層とするBoohooとの相乗効果で、ブランド力が一層強化されると考えています。また、Currysの株式取得により家電市場への足場を築くねらいです。

情報源:Fashion United"Frasers Group snaps up stakes in fashion giant Boohoo, electrical retailer Currys"(2023/06/20)

●YouTube、初の公式ライブコマースチャンネルを韓国で開設

Korea.png  聯合ニュースによると、YouTube(ユーチューブ)が韓国で初の公式ライブコマースチャンネルを90日間限定で開設します。このチャンネルでは約30のブランドがライブ配信を実施し、ユーザーはプラットフォーム上で直接商品を閲覧、購入が可能です。YouTube公式のライブコマースチャンネルは、世界初の取り組みです。韓国では既にNaver(ネイバー)がライブコマース事業を牽引しており、YouTubeの取り組みによって韓国のソーシャルコマース市場は一層発展する見込みです。

情報源:Reuters"YouTube to launch its first official shopping channel in South Korea, Yonhap reports"(2023/06/21)

●TikTok、新機能Trendy Beatをイギリスで開始

UK.png  TikTok(ティックトック)は、EC事業の強化に取り組んでいます。米Financial Times(フィナンシャルタイムズ)紙によると、Trendy Beat(トレンディビート)と呼ばれる新機能が追加されました。同機能は、プラットフォーム上でトレンドになった人気商品をまとめる機能で、ユーザーはアプリを離脱することなく商品購入まで完了できます。現在は英国でのみ実装され、商品は全て中国から発送されます。また、米ニュースサイトのTechCrunch(テッククランチ)によると、同機能は今後米国でも開始される可能性が高く、アパレル商品を中心にトレンドの商品を取り扱う予定です。

情報源:Social Media Today"TikTok Launches New In-Stream Shopping Push with 'Trendy Beat' Showcase"(2023/06/21)

情報源:Tech Crunch"TikTok looks to challenge Amazon and Shein with new e-commerce initiative"(2023/06/23)

●FTC、AmazonがPrime会員登録にダークパターンを使用しているとして提訴

america.png  6月15日、フランス食品小売大手Carrefour(カルフール)と広告大手Publicis(ピュブリシス)がリテールメディアの合同事業Unlimitail(アンリミテール)を立ち上げました。合同事業の立ち上げは2022年11月に発表され、約6か月後にヨーロッパ最大のスタートアップおよびテクノロジーカンファレンスのVivaTech(ビバテック)で発表されました。既に13社の企業がパートナーシップを結んでおり、楽天やホームセンター企業のKingfisher(キングフィッシャー)などが参加しています。Unlimitailはヨーロッパ、ブラジル、アルゼンチン市場でのリテールメディア展開を実施します。すでに世界で1億2,000 万人以上の利用者と、月間15億ページビューを記録しています。リテールメディア市場は今後2年間で米国のテレビ広告市場よりも拡大すると予測され、小売事業者は同市場に多額の投資を行っています。リテールメディア市場の主要プレイヤーは米Amazon(アマゾン)です。

情報源:日本経済新聞「Amazon競争力の源泉「プライム」照準 米取引委が提訴」(2023/06/22)

●Alibaba、Taobao Tmallコマース事業にてECプラットフォームの強化に向けた投資を発表

china.png  6月22日、中国大手EC事業者のAlibaba(アリババ)のEC部門、Taobao Tmallコマース事業が、ECプラットフォームの強化に向けた投資を行うと発表しました。この投資では、ユーザーインターフェースの改善や機能の追加を行い、より利便性の高いEC体験による顧客体験の向上を目指しています。特に、Taobao Tmallコマース事業内で最も急成長を遂げているライブコマースプラットフォームTaobao Live(タオバオライブ:淘宝直播)に多額の投資を行う予定です。Taobao Liveの利用者数は2023年4月1日から5月8日の間に前年同期比70%増を記録し、EC事業における重要な役割を果たしています。また、出店事業者の店舗運営費用のコスト削減にも注力するねらいで、出店事業者に対して新たに15種のツールを無償提供する予定です。

情報源:Alibaba News Japan「Taobao Tmallコマース事業、ECプラットフォーム強化策を発表」(2023/06/22)

●AmazonやTargetなど、米小売事業者が英ネットスーパーOcadoの買収に関心を示す

UKa.png  6月22日、米Times(タイムズ)紙が複数の米大手小売事業者が英ネットスーパーOcado(オカド)の買収に関心を示していると報道しました。Amazon(アマゾン)やTarget(ターゲット)、Instacart(インスタカート)、Walmart(ウォルマート)などが関心を持っています。Ocadoは自動化技術や生成食品のオンライン販売で注目を集めており、買収によってEC事業の強化が見込めます。また、同社の欧州市場における強力なプレゼンスと顧客基盤も、貴重なリソースとして捉えられています。自動化技術への投資と効率性の高いフルフィルメントセンターを持つOcadoの買収は、競争の激しいEC領域で米大手小売事業者にとって魅力的な要素だと考えられます。

情報源:Retail Technology Innovation Hub"Here's why Amazon, Target, Instacart, Walmart, AutoStore, Kroger should explore an acquisition of Ocado Group"(2023/06/23)

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