【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0720-0726

Today’s Topic
今週の注目は「中国発のライブコマースが東南アジアでも大人気、TikTokは今後5年で数十億ドルを投資」だよ!
●TikTok、コマース機能強化のためマレーシアでBNPL事業者と協業

malaysia.png  TikTok(ティックトック)は、マレーシアにてBNPL(後払い)サービスプロバイダーのAtome(アトム)と提携し、BNPLサービスを展開します。これにより、消費者は3か月から6ヶ月に渡って後払いを選択でき、TikTokへ出店する小売業者や中小企業がより豊富な支払いオプションを提供できます。この提携によりTikTokの東南アジア市場でのコマース事業を一層促進させるねらいです。

情報源:CNBC "TikTok Shop strikes 'buy now, pay later' partnership in Malaysia as part of e-commerce push"(2023/07/20)

●中国発のライブコマースが東南アジアでも大人気、TikTokは今後5年で数十億ドルを投資

ASEAN.png  中国発でグローバルに広まり始めているライブコマース、最近では東南アジア地域で人気を集めています。独調査機関Statista(スタティスタ)によるとは東南アジアでは、ソーシャルメディアなどのライブ配信機能を使ったインタラクティブな販売方法は、2027年に850億ドル(約12兆円)にまで拡大することが見込まれており、これは2022年と比べ2.5倍の規模となります。ライブコマース市場をけん引しているのはZ世代と呼ばれる若年層で、ソーシャルメディアに加え、地場オンラインマーケットプレイスのShopee(ショッピー)やLazada(ラザダ)などで買い物をしています。最近では、地場ネット系企業以外の参入も始まっており、例えばタイ財閥のSaha Group(サハ・グループ)は2023年6月にライブコマースへの本格参入を表明しました。これまで、ライブ配信はマーケティング活用が主なユースケースでしたが、人気ソーシャルメディアTikTok(ティックトック)の運営元であるByteDance(バイトダンス)の周受資最高経営責任者は、「ライブ動画が広告収入だけでなく、商品の購入につながる局面に来た」という見方を示しており、今後5年で数十億ドルを東南アジアに投じると明言しています。

情報源:日本経済新聞 「東南アジア、ネット通販に「ライブ」の波 Z世代けん引」(2023/07/20)

●開発投資機関NDC、中小企業のオンライン販売支援の一貫として独自Eコマースプラットフォームを開発

Philippines.png  フィリピン貿易産業省直下の開発投資機関NDCが、フードビジネスインキュベーターMercato Cetrale Group(メルカト・セントラル・グループ)との協業で、フィリピン・Eコマース・プラットフォーム(PEP)を開発したことを発表しました。PEPは、地場産業を支援するために構築されたオムニチャネルプラットフォームとなっており、貿易産業省の許認可を得た事業者の商品を取扱います。こうした取り組みにより中小企業がより多くの消費者に向け商品を販売できることをねらいます。フィリピンEC市場は2023年に前年と比べ22.9%成長し160億ドルにまで拡大することが見込まれています。このように急成長を遂げるEC市場が経済活性化にも貢献するとし、政府が推進しているフィリピン開発計画2023-2028を推進するプロジェクトとしても位置付けられています。

情報源:Manila Standard Business "Philippine e-commerce platform launched" (2023/07/21)

●相次ぐロシアからの西欧企業撤退、越境ニーズを狙って中華系企業の出店が相次ぐ

russia.png  7月22日、中国の情報サイト「虎嗅(Huxiu)」の報道によると、ウクライナ侵攻に伴いロシア国内から西欧企業が撤退した状況を受けて中国事業者がロシアに流入しています。ロシアの大手オンラインマーケットプレイスOzon(オゾン)では、取扱商品の90%以上が中国のアカウントから出品されています。Ozon側も中国事業者に対して出店を促進しており、2024年までに出店事業者を現在の4万から10万に増やす方針です。しかし、中国にとってロシアEC市場規模は中国国内市場と比べると小さく、ロシア国内のECインフラ基盤が整備されていないことからも、ロシアECから撤退する中国事業者も現れています。

情報源:Record China 「中国からロシアに越境ECで大量の商品、西側企業が撤退した間隙突く」(2023/07/24)

●Amazon、自然環境保護の取り組みの一貫としてプラスチック包装の削減を計画

america.png  Amazon(アマゾン)は自然環境保護施策として、脱炭素計画や廃棄物削減に取り組んでいます。その一環としてプラスチック包装をなくす計画を明らかにしました。こうすることにより過剰包装の削減、そして荷物を軽くすることで二酸化炭素排出を減らすことに繋がると見込んでいます。すでに同社では、これまで使用していたプラスチックと紙の包装を、アメリカとカナダの2か国で、包装物の99%をリサイクル可能な紙のみを使用した包装に変更しています。このような取り組み以外にも、プラスチックを削減した包装の開発に取り組んでいます。なお、同社ではサステナビリティゴールとして2040年までにゼロ・エミッションの実現を掲げており、2022年時点では0.4%と微減となりましたが、まだゼロ・エミッションを実現するには厳しい道のりとなっています。

情報源:RetailDive "Amazon phasing out plastic mailers and working to reduce e-commerce packaging" (2023/07/24)

この記事の関連タグ