NEW【EC業界ニュース】Weekly Topics! 1214-1220

Today’s Topic
今週の注目は、韓Coupangの英Farfetch買収です。Coupangの取扱商品拡大に加え、近年取り組むグローバル展開の足掛かりになると考えられます。現時点では、Farfetchは存続させる意向です。
●韓国Coupang、英ラグジュアリーEC事業者のFarfetchを5億ドルで買収

Korea.png  12月18日、韓国の大手EC事業者Coupang(クーパン)が英ラグジュアリーEC事業者のFarfetch(ファーフェッチ)を5億ドル(約710億円)で買収することを発表しました。Coupangはこれまで日用品を中心に販売し、高価格帯商品の取り扱いをしていませんでした。特に、近年アジアの中でも韓国市場はラグジュアリー需要が拡大しており、ラグジュアリーブランドも購買意欲の高い若年層リーチ拡大に取り組んでいます。そのため、今回のFarfetch買収でその需要に対応できると考えられています。一方で、最近ではAliexpress(アリエクスプレス)やTemu(ティーム)などの中国格安EC事業者の台頭により、韓国市場の競争が高まるなか、Farfetchの買収がCoupangのグローバル展開の足掛かりとなる可能性も考えられます。

情報源:Reuters "E-commerce giant Coupang to buy online luxury firm Farfetch"(2023/12/19)

情報源:Reuters "Richemont scraps agreement to sell online retailer YNAP to Farfetch"(2023/12/19)

●クリスマスホリデーに向け、米国大手小売事業者配送サービスのオプションを次々に拡充

america.png  クリスマスホリデーを目前に、米国大手小売事業者はCX向上を目指して、配送サービスのオプションを次々に発表しています。Amazon(アマゾン)は商品検索や商品説明の枠で、クリスマス前に商品が到着するかどうかを指定できるサービスを提供しました。同社は電子機器や美容用品など、ギフトとして人気のある商品のほとんどで当日配送を対応しています。また、Walmart(ウォルマート)は巨大な店舗網を活用して12月24日にはカーブサイドピックアップを提供するほか、送料10ドル(約1,400円)で商品が2時間で届くエクスプレス配送サービスを提供します。さらに有料のWalmart+(ウォルマートプラス)会員に対しては、12月中にエクスプレス配送が1回無料になるサービスを提供しています。AmazonとWalmartは2023年に多額の投資を行い、フルフィルメント強化を図っていました。物流企業のAuctane(オークタン)によると、クリスマスが近づくと消費者は、スピード配送サービスを受けるために送料を支払うことを厭わなくなるため、各小売事業者は配送サービスの拡充を進めています。

情報源:Digital Commerce 360 "Top retailers promoting convenience with premium shipping before Christmas"(2023/12/14)

●Zalando、顧客のロイヤル化を目的に限定商品の招待制ショッピングサービスを新設

germany.png  ドイツEC事業者Zalando(ザランド)は顧客のロイヤル化を目的に、限定商品の招待制ショッピングサービスを新設しました。Zalandoアプリ利用者は、発売後数分で売り切れる可能性の高い限定商品の購入招待をリクエストし、招待を受けた場合のみ指定された時間枠で商品を購入することができます。さらに有料のZalando Plus(ザランドプラス)会員は招待リクエストが承認される確率が上がります。12月19日には同サービスを活用してFenty x Puma Avantiシリーズの商品を販売しました。招待制で商品購入機会を提供することで、消費者が商品説明を確実に読み、ブランドストーリーを理解した上で商品購入をすることができるとZalandoは説明しています。

情報源:The Retail Bulletin "Zalando launches invite-only shopping for limited products"(2023/12/18)

●調査結果:日本の置き配利用率は4年連続増加

nihonn.png  調査会社ナスタが実施した「置き配に関する実態調査」によると、日本での置き配利用率は4年連続増加しています。「置き配」サービスを利用したことがあると答えた人は67.3%で前回から6.0ポイント増加し、利用率が26.8%だった2019年からは2.5倍に拡大しました。93.7%の人が置き配を利用して良かったと回答し、実際に置き配サービスで荷物を受け取る際、最も多く利用している場所は「玄関先」が62.0%と前回から6.2ポイント増加しました。一般的に玄関先や宅配ボックスが置き配利用時に活用されています。一方で、宅配ボックス設置率が6割を超えるマンションと比較すると戸建て・アパートは2〜3割程度と低く、82.1%のドライバーがトラブル防止のために自宅への宅配ボックスの設置を望んでいることがナスタの調査で分かっています。置き配はコロナ禍で拡大し定着したサービスですが、2024年問題を控えた今、再配達削減の有効な手段としても活用が広がっています。再配達削減の取り組みとして、円滑な宅配サービスになるためにも、宅配ボックスの設置率向上がより一層求められると考えられます。

情報源:ECのミカタ  「「置き配に関する実態調査」 2023年の置き配利用率は67.3%へ到達する一方、宅配ボックス設置率は約40%と伸び悩む」(2023/12/14)

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