NEW【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0208-0214

Today’s Topic
今週はQoo10のWish買収が注目だよ!SheinやTemuの登場以前までは越境ECのトップ企業だったWish、Qoo10はこの買収でグローバル物流強化を狙うみたいだね。
●Qoo10、Wishを買収

singapore.png  2月12日、シンガポールEC事業者Qoo10(キューテン)が、米NASDAQ(ナスダック)上場企業ContextLogic(コンテクストロジック)が運営する越境EC事業のWish(ウィッシュ)を買収することを発表しました。Wishは2010年に米サンフランシスコを拠点に設立した越境ECで、現在、世界200カ国以上の消費者に33の言語でサービスを提供しています。Qoo10によると、今回の買収でアジア地域を越えてグローバルに物流ネットワークを拡大するとともに、北米と欧州の消費者を獲得する計画です。特に、EC特化型のフルフィルメントを運営する物流子会社Qxpress(キューエクスプレス)のグローバル競争力強化や、Qoo10に出店する韓国企業にグローバル物流を提供できるようになります。

情報源:PYMNTS "ContextLogic to Sell Wish eCommerce Platform to Qoo10"(2024/2/12)

●オーストラリア市場にてAmazonがeBayを上回り最大の売上シェアを獲得

Australia.png  調査会社Pattern(パターン)によると、オーストラリア市場で、ついにAmazon(アマゾン)がeBay(イーベイ)の売上を上回りました。2023年度末までに、Amazonのオーストラリアでの売上高は55億ドル(約8,200億7,900万円)に達すると予想されており、また、2023年の最終四半期で月間平均サイト訪問数はeBayと比べて48%多い7,520万人を記録しました。なお、2024年はオーストラリア人の63%がAmazonを利用すると予測しており、特に高所得消費者層の80%がAmazonを好んで利用しています。Patternによると、Temu(ティームー)や Shein(シーン)など格安EC事業者も急速に市場シェアを獲得していますが、商品の幅広さやサイトの使い易さなどを理由にAmazonを利用する消費者が増加する予測です。

情報源:Ecommerce News Australia "Amazon overtakes eBay as Australia's top marketplace"(2024/2/7)

●Amazon、Hardly Ever Worn Itと協業

EU.png  Amazon(アマゾン)がラグジュアリー中古品プラットフォームHardly Ever Worn Itと協業し、ヨーロッパのラグジュアリー中古市場に参入しました。イギリス、スペイン、ドイツ、イタリアの消費者はAmazonマーケットプレイス内でラグジュアリー中古品の購入が可能になります。Ecommerce News Europeによると、2023年のヨーロッパで中古品売上高は10億ユーロ(約1,600億7,900万円)を超えています。これまでも、Amazonは欧州を対象にラグジュアリーブランドの公式ストア構築に取り組んできましたが、主に新興ブランド中心に出店してきました。Hardly Ever Worn Itとの協業により、CHANEL(シャネル)やDior(ディオール)、Hermès(エルメス)といったビッグネームの取扱いも可能となります。

情報源:Ecommerce News Europe  "Amazon expands luxury offering with pre-owned goods"(2024/2/8)

●中国EC事業者が、韓国市場への集中戦略を加速

china.png  朝鮮日報によると、中国EC事業者が、韓国に配送・返品用の物流センターを設置し、出店手数料の免除により韓国の出店事業者を囲い込むなど、韓国市場への進出を加速しています。特にAliexpress(アリエクスプレス)とTemu(ティーム―)、SHEIN(シーン)が勢力を伸ばしています。Aliexpressは3つの戦略で韓国市場に参入しています。1つ目は韓国商品の強化です。出店手数料の免除により韓国の出店事業者を囲い込み、国内から発送する商品の取扱拡大を進めてきました。2つ目は物流センターの構築です。仁川空港などに返品商品の集荷場を設けたほか、2023年11月から無料返品サービスを開始しています。2024年には、物流センターで「注文即時配送」システムの運用を開始することで、Coupang(クーパン)など韓国の地場EC事業者の翌日配達にも対抗できるようになります。3つ目はアフターサービスの拡充です。韓国消費者連盟によると、2023年のAliexpress への消費者苦情件数は465件で、前年の5倍に増えました。カスタマーセンターに繋がらない点や、チャット形式のFAQ対応で韓国語が通じない点などが苦情の中心だったため、2023年下半期から韓国国内のカスタマーセンターを拡充し、韓国人社員の雇用を増加しています。Aliexpress 以外にも、Temuが無料返品と購入後90日以内の全額払い戻しサービスを開始したほか、SHEINも他国の顧客のレビューを韓国語に自動翻訳し、返品・払い戻しサービスの韓国語対応を開始しています。

情報源:朝鮮日報 「配送・返品サービスも韓国国内並み...韓国市場に大攻勢をかける中国EC業者」(2024/2/13)

●楽天、2023年12月期連結決算を発表

nihonn.png  2月14日、楽天が2023年12月期連結決算を発表しました。売上収益は前期比7.8%増の2兆713億1,500万円で営業損益は2,128億5,700万円、当期損益は3,394億7,300万円と5年連続の赤字になりました。業績の改善に向け、赤字が続く携帯電話事業の黒字化を早急に目指すとしています。インターネットサービスの売上高は前期比9.8%増の1兆2123億1400万円で、営業利益は同18.9%増の768億円でした。うち、国内EC事業の売上高は前年同期比10.8%増の8,856億円で営業利益は同7.8%増の1,025億円、流通総額は同6.9%増の6兆円を記録しました。コロナ禍における巣ごもり消費が落ち着いた後も、利便性や満足度の向上に向けた施策や販促活動を実施し、顧客の更なる定着を達成しました。なお、同社では2024年に入りAI施策を強化し、生成AIを用いた店舗運営支援策に取り組むことで、2030年までの国内EC流通総額10兆円を目指し、楽天市場のさらなる成長を目指しています。

情報源:楽天 「2023年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)」(2024/2/14)

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