2月20日、米小売大手事業者Walmart（ウォルマート）が2023年第4四半期および通期決算を発表しました。2023年第4四半期の売上高が前年同期比5.7%増の1,733億8,800万ドル（約26兆342億円）で、営業利益は同30.4％増の72億5,400万ドル（約1兆891億円）を記録し、予測を上回る結果となりました。通期の売上高は前年同期比6％増の6兆4,810億ドル（約973兆767億円）で、営業利益は同32.2％増の66億ドル（約9,900億9,000万円）を記録しています。Amazon（アマゾン）やTemu（ティーム―）の台頭によるEC市場の競争激化にもかかわらず、低価格戦略による消費者の囲い込みと2023年年末商戦の好調が業績に寄与しました。EC事業では、店舗網を活用した配送の効率化を図ったことで、売上高が前年同期比23％増の1,000億ドル（約15兆150億円）を記録しました。また、同社は広告事業の強化の一環としてテレビメーカーのVizio（ビジオ）を買収することを発表しています。買収の詳細はまだ明らかではないものの、Walmart CEOのDoug McMillon（ダグ・マクミロン）氏は、テレビメーカーのソフトウェア技術を活用した広告事業に注目していると説明しています。
情報源：Walmart "Walmart Reports Fourth Quarter Results"（2024/2/20）
2月13日、メルカリが2024年第2四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比10％増の923億8,600万円で営業利益は同56%増の86億7,800万円、純利益は3.9倍の45億5,000万円で大幅な増収増益となりました。国内フリマが好調だったほか、クレジットカードサービス「メルカード」の会員獲得が寄与しました。国内フリマを含むマーケットプレイス事業は、ロイヤルティプログラムやカテゴリー強化などが寄与し、GMV（流通総取引額）が前年同期比10％の2,809億円を記録しました。また、キャンペーン施策やサービス開始10周年企画のオフライン施策などで、月間アクティブユーザー数が前年同期比9％伸長し、2,354万人となりました。メルカードはキャンペーン施策により発行枚数が250万枚を突破したほか、メルカード保有者の購入額がカード保有前と比べて最大60％増加したことが明らかになりました。米国事業は、調整後営業損失は500万ドル（約7億5,000万円）の赤字でしたが、前年同期の1,800万ドル（約27億390万円）の赤字からは改善しました。しかしGMV成長率は12％減、月間アクティブユーザーは前年同期比2％減の507万人と伸び悩んでいます。CEOは長引くインフレと、SHEIN（シーン）など中国格安EC事業者の台頭が米国の業績に影響していると説明しています。今後、中長期の成長を見据えてクレジットカードの利用者獲得や初春開始のスポットワーク事業に向けた投資を増やす予定です。投資強化により、通期決算では前期と比べて増益は想定していないと説明しています。
情報源：株式会社メルカリ 「2024年6月期 第2四半期決算短信〔IFRS〕（連結）」（2024/2/13）
2月13日、カナダ大手ECプラットフォーマーShopify（ショッピファイ）が2023年第4四半期および通期決算を発表しました。2023年第4四半期の売上高は前年同期比24%増の21億ドル（約3,150億7,900万円）でGMV（流通総取引額）は同23%増751億ドル（約11兆2,700億円）、総利益は同33%増の11億ドル（約1,650億4,100万円）と好調でした。通期の売上高は前年比26%増の71億ドル（約1兆652億円）でGMVは同20％増の2,359億ドル（約35兆3,900億円）、総利益は同28％増の35億ドル（約5,300億3,100万円）となりました。ユニファイドコマースの運用機能を拡張し、出店事業者の売上拡大に貢献したことが業績に寄与したと同社は説明しています。さらにAI機能の「Shopify Magic」やAIアシスタント「Sidekick」、ChatGPTなどを導入したことが、出店事業者のコスト削減に貢献しました。また、ブラックフライデーからサイバーマンデーまでの4日間セールでは、出店事業者全体で前年同期比24％増の93億ドル（約1兆3,900億円）の売上を記録しました。同社CEOのHarley Finkelstei（ハーレー・フィンケルシュタイン）氏は「2023年はShopifyにとって驚異的な年だった」と表明し、2024年も引き続き売上高と収益拡大に注力していくと説明しています。
情報源：Shopify "Shopify Announces Fourth-Quarter and Full-Year 2023 Financial Results"（2024/2/13）
中国大手EC事業者Alibaba（アリババ）はサウジアラビアやUAEの地元企業と提携し、同地域でのテクノロジー事業を強化する計画をドバイの世界政府サミットのパネル・セッションにて発表しました。米Bloomberg（ブルームバーグ）によると、Alibabaは中国国内での当局の規制強化や競合との競争激化に伴うテクノロジー事業の失速を補うことが背景としています。また、同社はサウジアラビアのキング・アブドゥラー金融地区（KAFD）を金融ハブとして選択し、事業を強化する予定です。これにより、サウジアラビアの更なる発展が見込まれるとARAB NEWSは予測しています。
情報源：ARAB NEWS 「アリババ、サウジアラビア、UAEの地元企業との提携を計画」（2024/2/15）
2月15日、アフリカ大手EC事業者Jumia（ジュミア）が2023年第４四半期及び通期決算を発表しました。2023年第4四半期の売上高は前年同期比2％減の5,900万ドル（約88億5,400万円）でGMV（流通総取引額）は同8％減の2億3,300万ドル（約349億6,400万円）、営業損失は400万ドルで前年同期の4,500万ドル（約67億5,270万円）から90％減少の減収減益でした。通期の売上高は前年同期比8％減の1億8600万ドル（約279億1,100万円）でGMVは同20％減の7億5,000万ドル（約1,100億4,500万円）、営業損失は5,800万ドル（約87億348万円）で前年の1億8,200万ドル（約273億1,100万円）から68％減少しました。営業損失の大幅な減少は、第4四半期にフードデリバリー事業から撤退し、人員削減に取り組んだことが影響しています。CEOのFrancis Dufay（フランシス・デュフェイ）氏は、コスト最適化により効率的な収益回収を目指すとともに、今後はEC事業に注力していくと説明しています。
情報源：Jumia "Jumia reports Fourth Quarter and Full Year 2023 results"（2024/2/15）
インド政府が主導する国内ECネットワークONDC（Open Network for Digital Commerce）とMEitY（電子情報技術省）のCSCs（コモン・サービス・センター）が連携し、これにより、農村部の住民にもECアクセスが容易になったと、2月14日にMEitYが発表しました。CSCs が提供する農村部向けECサイト「e-Grameen」をONDCネットワークに統合し、農村部の住民がONDCの幅広いECネットワークを利用できるようになります。また、農村部の販売事業者もONDCのネットワークに参入が可能になります。ONDCは、この連携によりインド全体のEC取引拡大や経済の活性化を目指しています。
情報源：Apparel Resources "CNC, ONDC join hands to provide e-commerce reach to rural areas"（2024/2/15）