NEW【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0222-0228

Today’s Topic
今週はInditexのZ世代向けブランド「Lefties」に注目!SHEIN対抗のため実店舗展開を含む海外展開を強化し、特に格安商品やインフルエンサー活用への投資を増やす模様です。
●ZARAを展開するInditex、Z世代をターゲットにした低価格ブランド「Lefties」に注力しSHEINに対抗

spain.gif  スペインのファッションブランド「ZARA(ザラ)」を展開するInditex(インディテックス)は、台頭する中国格安ファッションブランド「SHEN(シーン)」に対抗するため、Z世代をターゲットにした低価格ブランド「Lefties(レフティーズ)」に注力しています。SHEINが積極的な低価格戦略を行う一方、Inditexはインフレ下で利益率を確保するためにZARAの商品価格の値上げを進めてきました。LeftiesはZARAの売れ残り商品を取り扱う店舗として開始し、現在は本拠地のスペインだけでなくメキシコやサウジアラビア、UAEなどを含む17ヶ国に店舗を展開しています。ReutersによるとLeftiesは2019年の開始以降、スペイン国内のユーザー数は約350万人から2023年には約500万人を達成し、SHEINの国内ユーザー数520万人に迫る勢いです。Inditexは特に店舗展開に力を入れており、2023年にはベルリン、ロンドン、パリ、ローマなどの都市でポップアップストアを開催し、2024年はヨーロッパ全土でポップアップストアを展開する予定です。同社は現在はSHEINと同様に格安商品の販売やインフルエンサーによるマーケティング展開に注力しており、今後も競争を強めていくと説明しています。

情報源:Reuters "Lefties: Zara's secret weapon in fast-fashion fight against Shein"(2024/2/22)

●シンガポールGrab、2023年第4四半期および通年決算を発表 初の黒字化を達成

singapore.png  2月22日、シンガポールGrab(グラブ)が2023年第4四半期および通年決算を発表しました。2023年第4四半期の売上高が前年同期比30%増の6億5,300万ドル(約978億2,800万円)で、利益は1,100万ドル(約16億円)と初の黒字化を達成しました。前年同期には3億9,100万ドル(約586億円)の赤字を記録しており、今回の黒字転換は主にグループ調整後EBITDAの改善、投資の公正価値変動、株式報酬費用の減少によるものと同社は説明しています。2023年通年の売上高は前年同期比65%増の23億5,900万ドル(約3,500億6,700万円)で、損失は4億8,500万ドル(約726億円)で前年の17億4,000万ドル(約2,600億9,100万円)から72%減少しました。特に配車事業とデリバリー事業の継続的な成長が業績に寄与しました。デリバリー事業では、売上高が2023年第4四半期は前年同期13%増の3億2,100万ドル(約480億円)、2023年通期では同80%増の11億9,400万ドル(約1,800億5,700万円)を記録しました。同社は2023年、配送時間の引き延ばしと引き換えに送料の引き下げを開始して、既存顧客の平均注文頻度向上に取り組んできました。

情報源:Grab "Grab Reports Fourth Quarter and Full Year 2023 Results and Announces Inaugural Share Repurchase Program of Up to $500 Million"(2024/2/22)

●JD.com、英家電小売事業者Currysの買収を検討

UK.png  中国大手EC事業者JD.com(京東)が英家電小売事業者Currys(カリーズ)の買収を検討していることを発表しました。Currysは英国に約300店舗、世界中に800以上の店舗を展開しています。同社はAmazon(アマゾン)など大手EC事業者やElkjøp(エレクショップ)など家電小売チェーンとの競争が激化していました。JD.comは出店ブランドとの関係や調達コスト最適化のノウハウを活かし、より安価な中国製家電をCurrysに提供することができると専門家は分析しています。さらにJD.comは90以上のグローバルフルフィルメントセンターを運営しているほか、2022年にはオランダを拠点にヨーロッパ専用の格安ECプラットフォームOchama(オチャマ)を展開しています。専門家によると今回の買収が成立すれば、JD.com は英国や欧州でAmazonに匹敵する主要EC事業者になる可能性があると指摘されています。

情報源:Reuters "With Currys buyout, China's http://JD.com could get hungered short-cut to Europe expansion"(2024/2/22)

●Flipkart、国内に4つ目となる食料品フルフィルメントセンターを設立

India.png  インド大手EC事業者Flipkart(フリップカート)は、国内に4つ目となる食料品フルフィルメントセンターを設立しました。東部に位置する西ベンガル州に設立し、地元農家やMSMEのビジネス機会を創出するねらいです。また、同センターでは1日あたり10万個の商品を配送、7,000件以上の注文処理を行い、翌日配送を強化しています。これにより地方食品を新鮮な状態で全国へ配送し、消費者の利便性や地方経済の活性化を計画しています。

情報源:Retail Insight Network "Flipkart opens new grocery fulfilment centre in West Bengal, India"(2024/2/27)

●Coupang、2023年第4四半期および通年決算を発表

Korea.png  2月27日、韓国EC事業者Coupang(クーパン)が2023年第4四半期および通年決算を発表しました。2023年第4四半期売上高は前年同期比23%増の66億ドル(約9,900億円)で、純利益は10億3000万ドル(約1,500億円)、アクティブユーザーは前年同期比16%増の2,100万人を記録しました。通年の売上高は前年同期比18%増の244億ドル(約3兆6,600億円)、純利益は同31%増の62億ドル(約9,300億円)でした。また、有料会員の「Coupang Wow」は2023年末時点で前年同期比27%増の1,400万人を記録しています。同社CEOのBom Kim(ボム・キム)氏によると、2023年はCoupang Wow会員への割引や特典に計30億ドル(約4,500億円)投資し、有料会員の囲い込みに注力しました。また、ロケット配送の強化により一般ユーザーのCX向上に努めています。同社は今後もロケット配送の強化とCoupang Wow会員への投資を強化するほか、台湾への投資も強化する計画です。

情報源:Coupang "Coupang Announces Results for Fourth Quarter 2023" (2024/2/27)

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