NEW【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0229-0306

Today’s Topic
今週の注目は「消費生活用製品安全法」の改正案の閣議決定です。安全性が不確かな海外商品をオンライン販売する事業者への規制を強化するねらいで、2025年中の実施を目指しています。
●インターネット通販での海外商品販売事業者に対する規制を盛り込んだ「消費生活用製品安全法」などの改正案を閣議決定

nihonn.png 3月1日、経済産業省はインターネット通販で海外商品を国内消費者向けに販売する事業者への規制を盛り込んだ「消費生活用製品安全法」などの改正案を閣議決定しました。決定の背景には、モバイルバッテリーの発火など海外製品の事故が増えており、危険性を未然に防ぐ体制を強化するねらいがあります。早ければ2025年中の実施を目指しています。特に玩具などの子供向け商品は、安全基準を満たしていない海外商品がECモールを通して国内に流通し、誤飲などの事故が増えているため規制を強化しています。これまで、国内に輸入代理店がある場合は商品安全性の責任を代理店が担っていましたが、ECモールなど輸入事業者を介さない場合の責任の所在が明らかではありませんでした。今回の規制により、商品が安全性を満たしていないと判断された場合、経済産業省がECモール運営企業に削除を要請することができます。同様の規制強化はEU(欧州連合)が先行しており、ECモールでは海外商品の責任者名やサイトの表示義務や、事故発生時の報告義務を盛り込んだ規制が2023年6月から施行されています。

情報源:日本経済新聞 「海外ネット通販、国内に責任者」(2024/2/29)

●Macy's、約3割の実店舗を閉鎖 業績改善に向けて構造改革に注力

america.png  2月27日、米大手百貨店Macy's(メーシーズ)が全米に500店ある実店舗のうち約3割の150店を閉鎖すると発表しました。同日に発表した2023年11月〜1月期決算では、売上高が前年同期比1.7%減の81億2,000万ドル(約1兆2,200億円)で、最終損益は7,100万ドルで前年同期の5億800万ドル(約764億円)黒字から2期ぶりに赤字転落しました。同社は2023年12月に米ファンドから58億ドル(約8,700億円)での買収提案を受けていたものの、自力再建を進める意向を示していました。そのため構造改革を進めており、今回の店舗閉鎖のほかに2024年1月には従業員の3.5%にあたる2,350人を解雇する計画を発表しています。コスト削減などにより7億5000万ドルから10億ドルの収益改善を見込んでおり、その分を350店への投資や実店舗のオムニチャネル化の強化に充てる予定です。米国ではショッピングモールとの競合やECサイトなどショッピング体験の多様化が続き、百貨店の業績悪化に直面しています。Macy'sは業績改善に向けて引き続き構造改革に注力すると説明しています。

情報源:Macy's "Macy's, Inc. Reports Fourth Quarter and Full-Year 2023 Results"(2024/2/22)

●eBay、2023年第4四半期決算及び通期決算を発表

america.png  2月27日、米EC事業者eBay(イーベイ)が2023年第4四半期決算及び通期決算を発表しました。第4四半期の売上高は前年同期比2%増の26億ドル(約3,900億円)でGMV(流通総取引額)は同2%の186億ドル(約2兆7,600億円)を記録し、市場予想を上回りました。年末商戦の好調が寄与しています。通期の売上高は前年同期比2%増の101億ドル(約1兆5,000億円)、GMVは同1%減の732億ドル(約10兆8,400億円)を記録しました。同社はCX向上に向けた取り組みを強化しており、特に生成AIを使った出品支援サービス 「Magical Listing(マジカルリスティング)」や商品画像の背景編集サービス「Background Swap(バックグラウンドスワップ)」などを展開しています。同社は今後もAIへの投資を継続し、出品者の出品過程の簡素化や売上拡大支援を強化する計画です。

情報源:eBay Inc. "With Currys buyout, China's http://JD.com could get hungered short-cut to Europe expansion"(2024/2/27)

●ベトナム税務総局、税金未納付のEC個人事業主に対する制裁を強化 出国禁止措置も適用

Vietnam.png  ベトナム税務総局は、税金未納付のEC個人事業主に対する制裁を強化する方針を発表しました。制裁の一環として、制裁対象のEC個人事業主はマスメディアで公表され、出国禁止措置を適用します。現在、EC販売による年間売上高が1億ベトナムドン(約61万円)を超えた場合、個人事業主は付加価値税と個人所得税を納付する必要があるものの、個人事業主の取引やキャッシュフローの把握などの管理が徹底されておらず、税損失が発生しています。さらに、Shopee(ショッピー)やLazada(ラザダ)などのECプラットフォームに出店している個人事業主も売上高の情報を税務当局に提供する必要があります。2023年は357のECプラットフォームが当局に情報を提供し、国内の販売者が納付した税金は5,360億ベトナムドン(約33億円)となりました。今回の制裁強化で更なる取締りを行う計画です。

情報源:VietJo 「税務総局、滞納EC事業者の取り締まり強化へ 出国禁止も」(2024/2/28)

●米Amazonの南アフリカ市場への参入強化により同市場のEC事業の競争が激化

SouthAfrica.png  米Amazon(アマゾン)が南アフリカ市場への参入を強化し、同市場のEC事業の競争が激化しています。南アフリカ最大のECサミット「Insaka e-commerce summit」では、Amazonの参入強化は南アフリカのEC市場の発展に繋がると予測しています。そのためにはTakealot(テイクアロット)など地場EC事業者は、Amazonとの差別化を図るニッチ市場や独自の販売方法を確立する必要があると強調されました。また、地場EC事業者はこれまで以上にテクノロジー投資やデータ分析に注力し、CX向上施策を重視する必要があると説明されました。さらに出店事業者は、最適なECプラットフォームを選択するほか、配送サービスの強化やSNSの活用を実施することで売上の拡大に繋がると予測されています。

情報源:BNN Breaking News "Amazon's Entry into South Africa: A New Era for E-Commerce Market Dynamics"(2024/2/29)

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