NEW【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0425-0508

Today’s Topic
今週の注目は、WalmartがRobloxで ECサービスの実証実験を開始です。実際の商品をメタバース内で購入でき、CX向上やブランド価値の向上、新たなショッピング体験の拡大が見込まれます。
●WalmartがRoblox内でECサービスの実証実験を開始

america.png  2024年4月、米大手小売事業者Walmart(ウォルマート)がメタバースプラットフォームRoblox(ロブロックス)にて、ECサービスの実証実験を開始しました。消費者はRoblox内に設置された仮想ノートPCからWalmartのウェブサイトにアクセスして、実際の商品を購入できます。消費者の名前や住所、クレジットカード情報などはWalmartによって管理され、安全面を保証しています。同サービスは米国内の13歳以上の消費者に対して提供され、Walmartは今後もRoblox内でのECサービスを拡大する予定です。またRobloxも今回の実証実験を通してZ世代のショッピング需要を探る予定です。実際の商品をメタバース内で購入できる取り組みは、ユーザー体験の向上やブランド価値の向上、新規収益源の確保などを期待できると説明されてます。

情報源:Digiday "Walmart and Roblox are teaming up to make virtual e-commerce a reality"(2024/4/29)

●米Amazon、2024年1〜3月期決算を発表・EC事業では中古品ラグジュアリー販売開始や生成AIツールを実装しサービス拡充

america.png  4月30日、米Amazon(アマゾン)が2024年1〜3月期決算を発表しました。売上高が前年同期比13%増の1,433億1,300万ドル(約22兆6,000億円)で、営業利益が前年同期の3.2倍で153億700万ドル(約2兆4,170億円)、生成AIサービスの需要拡大によりクラウド部門の売上が好調でした。EC事業では、プライム会員の当日および翌日は配送を拡大したほか、Hardly Ever Worn It(ハードリー・エヴァー・ウォーン・イット)との協業で中古品ラグジュアリー販売を開始するなど、サービスを拡大しました。その結果、売上高は7%増の546億7,000万ドル(約8兆6,300億円)でした。また米国の出店事業者向けに、URLをAmazonサイトに張り付けるだけで商品サイトを作成できる生成AIツールを実装し、サービスの拡充を図りました。同社は今後も生成AIへの投資を継続し、出店事業者や消費者のニーズに応えると説明しています。

情報源:Amazon "Amazon.com Announces First Quarter Results"(2024/4/30)

●SHEINの商品をForever 21の店舗で返品可能に

america.png 4月30日、米貨物運送会社UPS(United Parcel Service, Inc:ユナイテッド・パーセル・サービス)が運営する返品事業Happy Returns(ハッピー・リターンズ)は、ブランド向けにオンライン返品サービスの提供を開始しました。これにより、Happy Returnsのサービスを導入したブランド店舗では他ブランドの返品を受け付けることができます。今回、SHEIN(シーン)とForever 21(フォーエバー21)が同サービスを導入しました。SHEINの返品サイトでQRコードを発行し、Forever 21の店舗でコードをスキャンすると、SHEINの商品をForever 21で返品できます。これにより、Forever 21は客足増加のほか、返品時に割引を提供することで売上拡大が期待されています。

情報源:Supply Chain Dive "UPS' Happy Returns now powers Shein returns at Forever 21 stores"(2024/4/30)

●ZOZO、2024年3月期通期決算を発表・コスメ事業が好調

nihonn.png  4月30日、ZOZO(ゾゾ)が2024年3月期通期決算を発表しました。売上高が前年同期比7.4%増の1,970億円で営業利益が同6.5%増の600億円、GMV(流通総取引額)が7.1%増の5,369億円を記録しました。親会社のLINEヤフーが運営するヤフーショッピング内の「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)支店」が好調で、同事業のGMVは15.7%増の576億円と大幅に伸びました。特にコスメ事業が好調で、CEOの廣瀬氏によるとデパコス系の出店が順調で今後はプチプラコスメを強化する予定です。クーポンなどの積極的なプロモーション施策を行い、ファッションだけでなくコスメ事業も強化する計画です。ZOZOTOWNリテールメディア事業も好調で、売上高は25.3%増の97億3,700万円を記録しました。

情報源:株式会社ZOZO 「2024年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2024/4/30)

●米eBay、2024年第1四半期の決算を発表・業績横ばい

america.png  5月1日、米EC事業者eBay(イーベイ)が2024年第1四半期の決算を発表しました。売上高が前年同期比2%増の2億5,600万ドル(約399億24万円)でGMV(流通総取引額)が同1%増の186億2,000万ドル(約2兆9,000億円)、アクティブユーザー数は前年同期から横ばいの1億3,200万人でした。ほぼ横ばいとなった業績の要因は、コレクター向け商品や自動車部品などの主力商品カテゴリーでの売上の低迷と同社は説明しています。特に近年、インフレ下の消費者が購買に慎重になる中、米Amazon(アマゾン)など大手EC事業者との競争が激化していました。これに対し同社は、高級バッグ・腕時計、再生品電子機器、自動車部品などの重点カテゴリーへの注力を進めています。2022年にはトレーディングカード専門プラットフォームTCGplayerを2億9,500万ドル(約459億7,880万円)で買収し、コレクター向け事業を拡大したほか、高級品やコレクター商品の本物認証サービスも開始しています。今後も底堅い需要があるコレクター向け商品に注力し、認証サービスで差別化を図るねらいです。

情報源:eBay Inc. "eBay Inc. Reports First Quarter 2024 Results"(2024/5/1)

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