【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0202-0208

Today’s Topic
今週の注目は「中国当局、越境ECの出荷と出品費用を大幅削減することを発表 EC市場の発展を支援」だよ!
●eBay、Notable Liveと協業でライブコマースを発表

america.png  eBay(イーベイ)と有名人とファンがライブビデオを通じて交流できるプラットフォームNotable Live(ノータブルライブ)が協業し、スポーツ選手とファンの交流を深めるためのライブコマースを発表しました。eBayのマーケットプレイスで限定版NFTを獲得したファンは、Notable Liveプラットフォーム上でライブ配信を行い、お気に入りの選手やチームと交流することができます。本協業によりスポーツ選手とファンの交流を深めるだけでなく、デジタルアイテムコレクターやスポーツ投資家のコミュニティに新たな体験を与え、スポーツ業界の発展に貢献するねらいです。

情報源:eBay Inc. "Notable Live Scores with eBay to Revolutionize the Fan-to-Player Experience"(2023/01/31)

●中国EC市場、コロナ禍の経済不況や消費低迷により競争激化

china.png  2022年、中国ではコロナ禍のロックダウンやEC市場の競争激化、インフレによる消費低迷により少なくとも89のECサイトが閉鎖されています。これらECサイトの内32社が倒産しており、これらの多くは過去にAlibaba(アリババ)やJD.com(京東商城)など大手EC事業者が支援や資金提供をしていました。特に注目を集めたECサイトは米eBay(イーベイ)が買収した、中国のオークションサイトEachnet(易趣)の閉鎖です。同サイトの閉鎖は中国国内のニュースでも取り上げられ、コロナ禍が中国EC市場に与えた影響を浮き彫りにしています。

情報源:South China Morning Post "China's e-commerce market sees at least 89 platforms close in 2022 amid Covid-19 controls, fierce competition, weak spending"(2023/02/02)

●ZHD、2023年3月期第3四半期決算を発表・EC事業が好調

nihonn.png  2月2日、ZHD(Zホールディングス)が2023年3月期第3四半期決算を発表しました。売上収益は前年同期比6.8%増の1兆2,385億9,600万円、営業利益は同64.4%増の2,902億6,000万円の増収増益を記録しました。売上収益はPayPay(ペイペイ)の連結子会社化やコマース事業の増収などにより、過去最高の記録を更新しました。コマース事業ではアスクルグループやZOZO(ゾゾ)グループが増収を記録し、Eコマース事業は主にコスト最適化を進めたものの、トラベル事業の好調や国内物販、海外ECの成長により前年同期比11.3%増の3兆1,340億円を記録しました。また、主にPayPayフリマが成長をけん引し、リユース事業は堅調な成長が続きました。

情報源:Zホールディングス株式会社「2023年3月期 第3四半期決算短信〔IFRS〕(連結)」(2023/02/02)

●Amazon、2022年第4四半期決算を発表・増収を記録したものの純利益は前年同期比98%減

america.png  2月2日、米Amazon(アマゾン)が2022年第4四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比9%増の1,492億400万ドル(約19兆6,780億円)と増収したものの、コスト上昇の影響で純利益は同98%減の2億7,800万ドル(約366億3,780万円)で減益しました。Eコマース事業の売上高は同2%減の645億ドル(約8兆5,000億円)で、消費者の支出抑の動きが影響しています。長引くインフレやウクライナ侵攻による資源高騰により、消費者は格安ブランド商品の消費に一層積極的になっています。同社は人員削減やAmazon Freshの閉鎖など積極的なコスト削減に取り組んでいます。

情報源:Amazon.com, Inc."Amazon.com Announces Fourth Quarter Results"(2023/02/02)

●Naver、2022年の通期連結決算を発表・ECプラットフォームBrandstoreやKREAMが好調

Korea.png  2月3日、韓国インターネットサービス大手Naver(ネイバー)が2022年の通期連結決算を発表しました。売上高は20.6%増の8兆2,201億ウォン(約8,750億円)で、営業利益は前年比1.6%減の1兆3,047億ウォン(約1,370億円)でした。コンテンツやコマース事業が好調で、コンテンツが同91.3%増の1兆2,615億ウォン(約1,330億円)コマースが同21.0%増の1兆8,011億ウォン(約1,900億円)を記録しました。ECプラットフォームのBrandstore(ブランドストア)やフリマサイトKREAM(クリーム)が好調で、GMV(流通取引総額)は同13.7%上昇しました。

情報源:Naver Inc."4Q 2022 NAVER Earnings Report"(2023/02/03)

●Walmartの広告支出が急成長 今後はディスプレイ広告に注力する見込み

america.png  企業のECサイトへのオンライン広告出稿を支援するPacvue(パックビュー)の調査によると、2022年第4四半期にWalmart(ウォルマート)のスポンサー付き広告支出が、前年同期比31.5%増の成長を遂げました。Walmartが第2四半期初めにセカンドプライスオークションを開始して広告投資回収率が向上したことや、サードパーティマーケットプレイスの出品者の増加などが要因と考えられています。また、第4四半期に初めて出店企業がクリック単価(CPC)の上昇を経験したことも報告されています。2022年2月、Walmartはメディア・広告事業の売上が21億ドル(約2,730億円)で、年間売上の1.4%に相当することを明らかにしました。今後、同社はディスプレイ広告の拡大に注力することを発表しています。

情報源:DIGIDAY「ウォルマートの広告プラットフォームに投資するブランドが増加:急成長を支える機能拡張の中身」(2023/02/03)

●中国当局、越境ECの出荷と出品費用を大幅削減することを発表 EC市場の発展を支援

china.png  2月1日、中国当局は越境EC事業の発展支援として中国EC事業者の出荷と出品費用を大幅に低減することを発表しました。支援内容として、輸入可能商品を29品目追加したことや輸入時の通関及び税関手続きの簡素化が含まれています。その結果、2023年第1四半期における中国越境ECによる輸出入は4,345億元(約8兆4,211億円)に達し、中国越境ECが生み出す貿易額は5年前の10倍近い1兆9,200億元(約37兆1,517億円)にまで拡大しました。中国EC市場は2022年に高い成長率を記録しており、企業や消費者にとって魅力的な市場となっています。

情報源:CGTN"China's cross-border e-commerce exporters enjoy reduced costs" (2023/02/03)

●AmazonとAlibabaが越境EC事業者の世界トップ2を占める

global.jpg  郵便事業体の任意加盟団体であるIPC(International Post Corporation:国際郵便機構)によると、米Amazon(アマゾン)と中国Alibaba(アリババ)は依然として越境ECの世界的リーダーです。2020年にはヨーロッパの越境EC販売の約58%をオンラインマーケットプレイスが占め、AmazonとeBay(イーベイ)がその半分以上を占めました。しかし、近年米国と中国の越境ECサイトは他国のECサイトにそのシェアを奪われています。IPCが実施した直近で利用した越境ECサイト調査によると、回答者が直近で利用した越境ECサイトの27%がAmazon、17%がAlibabaのAliExpress(アリエクスプレス)でした。Alibabaの結果はIPCがコロナ禍前の2019年に実施した同様の調査結果の30%から3ポイント減少し、その他にも米eBay(イーベイ)のシェアは2019年の14%から9%に、米Wish(ウィッシュ)は11%から5%に低下しています。コロナ禍で各国の小売事業者が越境EC展開を開始したことや、生き残りをかけた国内ブランド企業や小売事業者がEC展開をしたことで、消費者の選択肢が広がったことが要因と考えられています。

情報源:Digital Commerce 360"Amazon and Alibaba lead in cross-border ecommerce"(2023/02/03)

●メルカリ、2023年6月期の第2四半期決算を発表・国内黒字の一方で米国は不調

nihonn.png  2月7日、メルカリは2023年6月期の第2四半期決算を発表しました。売上高は前年同期比18%増の842億円、営業損益は58億円の黒字で前年同期の赤字から一転しました。国内フリマ事業を中心に着実な成長を遂げたほか、国内外の広告宣伝費などの投資を抑制したことが寄与しています。国内フリマ事業のGMV(流通取引総額)の成長率は前年同期比10%増の4,752億円、MAU(月間アクティブユーザー)が過去最高の2,153万人となりました。招待キャンペーンやメルカリの使い方を教える「メルカリ教室」の実施などによる新規顧客獲得がGMV増加に寄与したとされています。一方で、米国フリマのMAUは前年同期比1%増と伸長しましたが、GMVは同12%減で赤字を記録しました。インフレの長期化により消費行動が抑制されたことが原因とみられています。今年に設立10周年を迎えた同社は新たなグループミッションを発表し、『世界中のあらゆる人をUnleashする(可能性を広げる)』存在を目指すことを公表しています。

情報源:株式会社メルカリ「2023年6月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(連結)」(2023/02/07)

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