NEW【EC業界ニュース】Weekly Topics! 1221-1227

Today’s Topic
今週の注目はMeeshoの業績です。近年、インドでは大手ECが地方利用者獲得に向けて投資を増やしているところ、同社はTier2利用者の囲い込みに成功し、注目を集めています。
●Meesho、2023年はTier 2からの取引が全体の80%を占める 力強い成長を記録

India.png  Softbank(ソフトバンク)が出資するインドEC事業者Messho(ミーショ)が2023年に力強い成長を記録しました。12月24日、同社の発表によると、約7万5,000人の販売者が2桁の成長を達成し、2万人以上の販売者が約10倍の売上高を記録しました。Meeshoは、2023年初めてインドで黒字転換に成功しているユニコーンです。販売者の約60%は、Avinashi(アビナシ)やBharuch(バルーチ)などの小さな町の人で、1,400億人を超える購入者の80%近くがTier 2(ティア2)および地方都市に住んでいると同社は発表しています。

情報源:Business Outlook India "Nearly 75,000 Sellers On Meesho Hit Double Digit Growth In Sales"(2023/12/25)

●Jumia、ナイジェリアなど7つの市場でのフードデリバリー事業Jumia Foodを廃止 EC物販事業に注力

Nigeria.png  アフリカ大手EC事業者Jumia(ジュミア)は、ナイジェリアを始めとする7つの市場でのフードデリバリー事業Jumia Food(ジュミアフード)を廃止すると発表しました。Jumia Foodは、2023年第3四半期まで同社のGMVの約11%を占め、数年前から数量ベースではアパレルに次いで2番目に大きいカテゴリーでした。しかしJumia CEOのFrancis Dufay(フランシス・デュファイ)氏は、フードデリバリー事業はGlovo(グローボ)やUber Eats(ウーバーイーツ)、Dial-A Delivery(ダイアルAデリバリー)などの競合が多い上に、利益が見込みにくい事業とし、今後はEC物販事業に注力することで収益拡大を目指すとしています。特に同社は物流への投資を強化しているため、EC事業での優位性が見込めると説明しています。

情報源:Tech Crunch "Jumia quit food delivery because of deep-pocketed 'aggressive' rivals, CEO says"(2023/12/18)

●Alibaba CEOの呉氏、Taobao GroupとグループのCEOを兼任することを発表 事業のテコ入れを図る

china.png  12月20日、中国大手EC事業者Alibaba(アリババ)CEOの呉泳銘(エディー・ウー)氏がEC事業のTaobao Group(タオバオグループ:淘天集団)CEOとグループCEOを兼任することを発表しました。同社の国内ECプラットフォームTmall(天猫)とTaobao(淘宝網)は、依然として中国最大のシェアを獲得していますが、Temu(ティーム―)など低価格帯を強みとするプラットフォームを展開するPinduoduo(ピンドゥオドゥオ:拼多多)が、11月末には時価総額でアリババを逆転しました。呉泳銘氏はこれまでもTaobao Groupの会長を兼務していましたが、CEOとして事業のテコ入れを図る予定です。

情報源:Reuters "Alibaba Group CEO consolidates control of core businesses with new e-commerce role"(2023/12/20)

●楽天、楽天西友ネットスーパー株式会社を完全子会社することで合意

nihonn.png  楽天グループと大手スーパーマーケットチェーンの西友は、楽天が楽天西友ネットスーパー株式会社を完全子会社することで合意しました。今後楽天は、「楽天西友ネットスーパー」と倉庫型ネットスーパー事業は楽天が運営継続し、西友は実店舗を起点とする店舗出荷型ネットスーパー事業を単独運営する形態へ移行します。約1年間の移行期間を経て、会社名やサービス名称が変更される予定です。楽天は、これによりネットスーパー事業の拡大を加速させるねらいです。同社は楽天市場や楽天ポイントなどの強みを生かして、楽天西友ネットスーパーの顧客基盤を拡大し、競争力を強化する考えです。西友は、店舗出荷型ネットスーパー事業を独立して運営することで、実店舗との連携を強化し、顧客満足度の向上を目指します。同社は実店舗の強みを生かして、店舗出荷型ネットスーパーの利便性を向上させ、顧客のニーズに応えるねらいです。

情報源:ECのミカタ  「楽天、「楽天西友ネットスーパー」を完全子会社化 サービス名称も変更へ」(2023/12/20)

●英Frasers Group、英ラグジュアリーECのMatches Fashionを約93億円で買収

UK.png  英スポーツ用品の小売業者Frasers Group(フレイザーズ・グループ)は英ラグジュアリーEC事業者のMatches Fashion(マッチズ・ファッション)を約6000万ユーロ(約93億8,200万円)で買収します。買収は2024年1月1日に完了する予定です。Frasers Groupは既にFlannels(フランネルズ)というラグジュアリーブランドを展開しており、今回の買収でラグジュアリー市場の競争力を高めるねらいです。Matches Fashionは近年赤字を記録しており、2023年1月の最終会計年度末の調整後EBITDAは3860万ユーロ(約60億2,200万円)でした。今回の買収でFrasers Group傘下に入ることで、経営回復が期待されています。

情報源:Ecommerce News Europe "Matches Fashion acquired by Frasers Group"(2023/12/21)

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