【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0317-0323

Today’s Topic
今週の注目は、拼多多がEC利用者数で中国首位になったことだよ!
●伊藤忠商事、台湾でのEC事業の包括支援を視野に地場宅配大手に追加出資

taiwan.png3月16日、伊藤忠商事が出資先である台湾宅配大手「台湾宅配通」への出資比率を7%から19%にまで引き上げることを日本経済新聞が報じました。台湾の資訊工業策進会傘下の産業情報研究所によると、シンガポール発の蝦皮購物(shopee.tw)や地場のPChome線上購物(PChome.com.tw)、Yahoo!奇摩 購物中心(tw.buy.yahoo.com) 、momo購物網(momoshop.com.tw) などのオンラインマーケットプレイスがEC市場の上位を占める状況にはありますが、伊藤忠商事は今回の追加出資に合わせて2021年中に現地食品メーカーのEC事業立ち上げを包括支援するサービスの提供を計画しており、将来的にさらなる追加出資で宅配通を持ち分法適用会社化することも視野に入れています。

情報源:日本経済新聞「伊藤忠、台湾宅配大手に追加出資 EC需要取り込み 」(2021/03/16)

● 拼多多、第4四半期および通期決算を発表、利用者数でアリババを抜き中国EC市場首位に!

china.png3月17日、中国の共同購入型ECサイト「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」が2020年第4四半期および通期決算を発表しました。年間売上高は前年比97%増の594億9,190万元(約9,900億円)、純損失は同30%減の9億6,500万元(約495億円)となりました。2020年通年の総取扱高(GMV)は前年比66%増の1兆6,676億元(約27兆8,500億円)で、成長率は業界平均の6倍ともいわれています。また、利用者数については2020年末時点で前年比35%増の7億8,840万人となり、初めてアリババの7億7,900万人を超え業界一位となりました。報告書では、拼多多の次の目指すべき段階としては、中国に留まらず世界最大の農産物プラットフォームに成長することを掲げ、そのために農産物に特化した物流インフラを構築し、廃棄物の削減、配送コスト削減・スピード向上といった効率化を目指すとしています。

情報源:同社ニュースリリース Pinduoduo 4Q revenue tops estimates, states goal to be world's top grocer (2021/03/17)

●伊勢丹新宿がメタバースに登場

nihonn.png3月17日、三越伊勢丹がVRを活用したスマートフォン向けアプリ「REV WORLDS(レヴ ワールズ)」の提供を開始したと発表しました。利用者はアプリを使いアバターを操作し、メタバース内の三越伊勢丹で買い物をすることができ、また、他の利用者との交流も可能としています。まずは食品と化粧品の取り扱いから始め、今後取り扱いカテゴリーを増やしていく計画です。アプリ開発を手掛けた沖田朝彦氏によると、これまでのオンラインショッピングは一人で目的買いをするために利用されてきましたが、レヴ ワールズでは、コミュニケーションをしながら買い物を楽しむ「アナログな買い物」体験のデジタル化を実現しているとしています。三越伊勢丹では、バーチャルマーケットに参加するなど、以前から積極的にVR活用を模索してきました。レヴ ワールズでは、これまでの経験を活かし、リアル店舗と連動したコンテンツで、リアルでは実現できないサービスを掛け合わせることで新しい顧客体験の提供を目指していくとしています。

情報源:流通ニュース三越伊勢丹/スマホアプリのアバターで買物「バーチャル伊勢丹新宿本店」(2021/03/17)

●D2Cブランド「マイグラム」、アマゾンなどから資金調達に成功

India.pngインドD2Cブランドの「マイグラム(MyGlamm)」がアマゾン(Amazon)、地場大手ITサービス事業者傘下のウィプロ・コンシューマ(WiPro Consumer)、そしてグローバルファンドのアセント・キャピタル(Ascent Capital)などから計17億5,000万インドルピー(約26億円)の資金調達に成功したことが報じられました。これは、アマゾンにとって初めてのインドの地場ブランドへの出資となります。マイグラムは、2017年に設立された美容ブランドで、現在600種類もの商品を取り揃えており、コミュニティーファーストのアプローチで成長してきました。オンラインに留まらずオフラインにも積極的に展開しており、すでに70都市1万か所で商品が販売されています。

情報源:BusinessInsider India "Amazon, Wipro Consumer and Ascent Capital invest inbeauty brand MyGlamm"  (2021/03/18)

●三井不動産、オンラインで購入した商品の試着に特化した「LaLaport CLOSET」をオープン

nihonn.png三井不動産は、千葉県船橋市内のららぽーとTOKYO-BAY店舗内に、新たに「LaLaport CLOSET」をオープンしました。LaLaport CLOSETでは、オンラインショッピングと連動したサービスを提供しています。三井不動産では、以前からオムニチャネルリテールに注力しており、オンラインショッピングサイト「&mall」では店舗在庫が確認できるほか、2018年より店舗受け取りサービスの「&mall DESK」を開始しています。LaLaport CLOSETでは、こうした商品の受け取りに加え、ワコールが提供する3D計測サービス「3D smart & try」による全身計測に基づいた体型分析に合わせたファッションアドバイスサービスを展開します。また、LaLaport CLOSETの全商品に備え付けられたQRコードを、スマートフォンや店舗内に設置されたデジタルサイネージで読み込むことでお勧めのコーディネートを見ることができ、さらに過去に&mallで購入したアイテムと組み合わせたコーディネートも確認できます。

情報源:Impress Watch 「ネットで買って店で試着。複数店舗の試着もWeb予約「LaLaport CLOSET」 -」(2021/03/18)

●ファーストリテイリングとメルカリ、高額転売対策で提携

nihonn.png3月18日に、「ファーストリテイリング(Fast Retailing)」と「メルカリ」が転売対策での提携を発表しました。「マーケットプレイスの共創に関する覚書」を締結することにより、ファーストリテイリング傘下のブランドの商品がメルカリ上で安心・安全に取引できる環境構築を目指します。主な取り組みとしては、ファーストリテイリングはメルカリに特定の新商品の発売や商品情報を提供し、この情報に基づいてメルカリは自社のアプリや公式ブログで特定商品に関する注意喚起を行います。また、ファーストリテイリングとの協議のうえで、合意した特定商品についてはメルカリでの利用規約に違反する出品として削除対応を実施することも含まれます。メルカリでは、「ユニクロ」が3年連続で出品・購入ともに最も多く取り引きされているブランドとなっており、特に昨年リバイバルしたジル・サンダー氏が手掛ける「+J(プラス・ジェイ)」をはじめとする人気コラボ商品は高値で転売されていることでも話題となりました。

情報源:ヤフーニュース「ユニクロとメルカリが転売対策で提携 人気コラボの混乱回避へ 明日「+J」春夏コレクション発売前に発表(松下久美)」(2021/03/18)

●b8ta Japan、凸版印刷の開発する「IoA Shopping」で新しいショッピング体験を提供

nihonn.png3月22日、「b8ta Japan(ベータ・ジャパン合同会社)」は2020年より協業している凸版印刷の開発する「IoA仮想テレポーテーション」技術を活用して新しいショッピング体験を提供することを発表しました。これまでの実店舗でのショッピングに加え、新たに「遠隔体験」「バーチャル店舗体験」「AR体験」など、オンラインショッピングでの体験向上を目指します。特徴としては、実店舗で買い物している体験を再現していることがあげられ、店舗に設置しているAIカメラで人やロボットの位置をリアルタイムに把握しバーチャル空間に反映することで、どの商品に人が集まっているかがわかります。また、バーチャル空間に友人や家族など複数人とアバターで店舗を訪問できるほか、ビデオカメラで店舗店員から商品説明を受けることもできます。なお、バーチャル空間については有楽町店舗をモチーフとしています。

情報源:Digital ShiftTimes 「b8ta Japanと凸版印刷、バーチャル空間上で店舗のように買い物ができる「Virtualb8ta」の実証実験を開始」(2021/03/22)

●アマゾン、2021年に入り一日当たり3,000以上の新規セラーが出店

global.jpg3月23日、金融メディアFinance in Bold(以下.Finbold)は「アマゾン(Amazon)」 のマーケットプレイスに関する分析結果を発表しました。発表によると、今年に入り、アマゾンマーケットプレイスには、新規に約29万店舗が出店しており、一日当たりに換算すると3,734ものセラーが出店していることが判明しました(2021年3月21日時点)。このペースで新規出店が増えれば、年末には約140万店舗にまで増える見込みです。その内訳をみていくと、アメリカが最も多く(26%)、次いでインド(10.1%)、カナダ(7.5%)となっており、日本のマーケットプレイスへの新規出店数は7位の6.2%となりました。Finboldによると、この出店ブームは2020年の新型コロナの影響を受けているとしており、多くの中小企業は顧客ベースの大きなアマゾンなどのマーケットプレイスへの出店で売上拡大を図っているとしています。一方で、このようにセラーが増えることによりマーケットプレイスでの競争環境の激化や、アマゾン自身が低価格のプライベートブランドを販売しているため新規出店セラーにとっては露出を増やすための広告出稿が必須となっており、セラーにとってアマゾンとの付き合い方はひとつの課題になるとみられています。

情報源:Finance inBold "Amazon adds 3,700 new sellers daily in 2021"(2021/03/23)

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