【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0407-0413

Today’s Topic
今週の注目は、花王が楽天市場でテストマーケティング実施だよ。
●スナップチャット、コマース事業拡大に向けて「スクリーンショップ」を買収

america.png米ソーシャルメディア大手「スナップチャット(SnapChat)」が、コマース事業を拡大するにあたりファッションの画像検索を実現する「スクリーンショップ(Screen Shop)」を買収しました。スクリーンショップを使い、気になるファッションアイテムの画像をスキャンすると、類似商品を提示してくれます。同サービスは、リアリティースターのキム・カーダシアンの紹介により注目を集め、現在ではノードストロム(Nordstrom)やサックスフィフスアベニュー(Saks Fifth Avenue)といって大手小売450社と提携しています。スナップチャットは同社の買収により、すでにARで提供しているバーチャル試着体験との連動を図る見込みです。なお、スクリーンショップを使ったサービス提供は、5月に開催される年次会議で発表を予定しているといわれています。

情報源:Social Media Today " Snapchat Acquires Fashion Recommendation App Screenshop to Advance its eCommerce Efforts "(2021/04/07)

●アマゾンジャパン、東京商工会議所に入会

nihonn.png4月9日、大手ネット通販事業者「アマゾンジャパン」が東京商工会議所に入会したことが明らかとなりました。東京商工会議所は会員企業の連携などにより、中小企業の成長に取り組んでいます。アマゾンジャパンも加入することで、中小企業向けにEコマースで国内外での販路拡大を支援していく見込みです。なお、同社では2021年3月に中小企業のICT活用による販路拡大や生産性向上を支援するため、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営する「EC活用支援パートナー制度」に登録しています。

情報源:同社PR 「Amazon、東京商工会議所に入会 」(2021/04/09)

●中国政府、アリババに対して独禁法違反で罰金を科す

china.png4月10日、中国当局は地場最大のネット通販事業者「アリババ(Alibaba)」に対して、独禁法違反で罰金182億2,800万元(約3,050億円)の罰金を科すことを決定しました。管轄機関である国家市場監督管理総局によると、アリババはこれまで出店事業者に対して競合サイトへの出店を阻む「二者択一」と呼ばれる行為を実施しており、今回の罰金額はアリババの2019年の中国国内の売上高が対象となっています。中国政府では2020年より、大手プラットフォーマーへの統制を強化しており、2020年11月にはアリババ傘下で、電子決済サービスを運営する「アント・グループ(Ant Group)」の香港上場が急遽延期されました。なお、4月13日に規制当局はアリババや「テンセント(Tencent)」をはじめとする、大手プラットフォーマー34社の担当者を招集した会議を開き、独禁法などの法律への順守を指導しています。

情報源:ITmedia 「国がアリババに罰金3000億円 過去最高額か:独禁法違反」- ビジネスオンライン(2021/04/10)

●楽天、メーカーのテスト販売を支援、第一弾に花王が参加

nihonn.png4月12日、大手消費財メーカー「花王」と大手ネット通販「楽天」が協業し、オンラインで新商品のテスト販売を開始することが明らかとなりました。楽天市場内に「新商品コレクション」が新設され、ここにはクリエイターズ商品、楽天限定販売商品、楽天先行販売商品、一般新商品の4つのタイプの商品が販売されます。第一弾として花王の「スポットジェリー(SPOT JELLY)へそごまパック」と「アルギニスタ(ARGINISTA)足ラボ石けん」を販売し、今後はテストマーケティングなどの実証実験の場として、他社の出品誘致を進める計画です。こうした動きは他のプラットフォームでも進んでおり、例えば米有名歌手レディー・ガガ(Lady Gaga)は、プロデュースしたコスメライン「ハウス・オブ・ガガ(Haus of Gaga)」発売にあたり自社ネット通販サイト以外ではアマゾン(Amazon.com)でテストマーケティングを行いました。また、中国では地場大手ネット通販「アリババ」がメーカーにデータを提供することでテスト販売に留まらず、商品開発までも支援しています。

情報源:日本経済新聞「花王、ECで市場開拓 購買データでニッチ需要探る」(2021/04/12)

●クーパン、ついに海外展開開始か

Korea.pngこの間ニューヨーク証券取引所に上場したばかりの韓国ネット通販大手「クーパン(Coupang)」が、ついに海外展開すると噂されています。同社では、昨年シンガポール大手通信シングテル(Singtel)傘下の動画配信サービスを買収しており、ビジネス向けSNSのリンクドイン(LinkedIn)上でも物流関係を中心とする採用を始めていることが明らかとなりました。韓国経済新聞によるとすでに数百人もの採用が進んでいるそうです。シンガポールは他の東南アジア諸国と比べ人口は少ないものの、東南アジア市場に参入するための実験市場となっており、実際、米ネット通販大手アマゾン(Amazon.com)もシンガポールを足掛かりにプレゼンス向上に繋げています。

情報源:Vulcan Post " Amazon Of South Korea' Coupang Corp. Enters S'pore's E-Commerce Market And Is Now Hiring " (2021/04/12)

●ワイルドベリーズ、アメリカ市場に参入

america.pngロシア大手ネット通販「ワイルドベリーズ(Wildberries.ru)」がついにアメリカ市場に参入しました。専用のサイトとアプリの配布を開始し、英語とロシア語の2か国語に対応し、約4万ブランド550万点の商品を販売します。50ドル以上の購入で送料は無料となり、配送はおおよそ8-12営業日かかる見込み。すでに、ロシアやそのほか欧州のセラーが商品を販売していますが、今後はアメリカ地場のセラーの開拓も進める計画です。

情報源:The Moscow Times " Russia's Top Online Retailer Targets U.S. Market "(2021/04/12)

●大手アパレルが決算を発表、オンライン売上は好調

nihonn.png今週、国内大手アパレルの「オンワードホールディングス」と「ファーストリテイリング」がそれぞれ決算を発表しました。オンワードホールディングスの2021年2月期の売上高は前期比29.8%減の1,743億2,300万円、EC売上高は同26%増の416億円、営業損失は212億3,000万円となりました。決算発表とともに中長期ビジョンの発表も行い、今後3年間は新型コロナウイルスの影響を見込み、ほぼ横ばいの目標である売上2,000億円を設定する一方で、10年後の最高益およびEC化率50%の目標に向けてデジタル投資を加速させる計画です。特に、サプライチェーンの可視化・効率化を掲げており、デジタル化を通じて納期の短縮や価格の適正化を進めます。また、アパレル事業においてはOMOを強化し、在庫の一元管理に留まらず、ソーシャルコマースやライブコマースといった新しい販売手法によるエンゲージメント構築、またEC連動型店舗も都心と郊外の双方で展開することを計画しています。また、ファーストリテイリングの2021年8月期第2四半期の連結業績は、売上収益は前年同期比0.5%減の1兆2,028億6400万円となる一方で、営業利益は同22.9%増の1,679億8,200万円となりました。国内ユニクロ事業では売上収益が前年同期比6.2%増の4,925億円、営業利益が同36.6%増の978億円、EC事業は売上高が同40.5%増の738億円と大幅な増収に終わり、EC化率も15%になりました。また、ジーユー事業は売上収益が前年同期比0.3%増の1,326億円、営業利益は同0.4%増の158億円とほぼ横ばい。EC事業は販売計画の精緻化や特別サイズのラインナップ拡充、アプリを通じた情報発信の強化に取り組んだことで約4割の増収となりました。なお、下期の予想としては増収増益を見込んでいます。国内ユニクロのEC事業については、前年度下期に売上が急増したことから、減収を予想する一方で2年前比では約4割増収を予想しています。

情報源:オンワードホールディングス IR資料 「2021年2月期 決算補足説明資料(PDFファイル)」(2021/04/08) 「オンワードグループ中長期経営ビジョン「オンワード・ビジョン2030」策定のお知らせ(PDFファイル)」(2021/04/08) 「ファーストリテイリング IR資料「2021年8月期 上期業績および通期見通し(テキスト付:7.2MB)」(2021/04/08)

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