【スペシャル】アジア10都市オンラインショッピング利用動向調査2019

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東京よりもそのほかアジア都市の方が、積極的にオンラインとオフラインを行き来しながら買い物をしているみたいだね!

トランスコスモスでは、昨年に引き続き、アジアにおけるオンラインショッピングの利用実態と越境ECへの関心を探ることを目的として「アジア 10都市オンラインショッピング利用調査 2019」を実施しました。この調査は、東京を含むアジア 10都市におけるオンラインショッピング利用者 3200人を対象とし、都市の特徴やアジアに共通する傾向を明らかにしています。当ブログでは、アジア各都市のオンラインショッピング利用者が、実店舗で商品を確認してオンラインで購入する「ショールーミング」と、オンラインショップで商品を確認して実店舗で購入する「ウェブルーミング」について紹介したいと思います。


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【注目ポイント】

  • ショールーミングの経験割合は東京が 62%に対して、ほかのアジア都市はいずれも 80%以上を占めました。ウェブルーミングの経験割合も東京の 54%に対して、北京、台北は 70%台、他の都市は80%以上となっています。
  • その結果、ショールーミングとウェブルーミングの両方を行っている利用者(オムニチャネルショッパー)の比率は東京が 32%にとどまるのに対して、ほかのアジア 9都市は 70%~80%台(平均 77%)と大きな差がみられました。
  • どの都市でも「ファッション(アパレル、鞄、アクセサリーなど)」「家電・パソコン」「化粧品・医薬品」などの商品ジャンルでショールーミングとウェブルーミングが行われる傾向は共通しています。
  • ショールーミングは、実物を見て安心したい、より安いECサイトで買いたいという理由が多数をしめる一方、ウェブルーミングは、レビューでの評判確認、買物の手間軽減や探しやすさ、送料をかけたくないなど多様な理由があげられます。

■「ショールーミング」と「ウェブルーミング」の経験者は8割!

 アジア10都市の回答者に、最初に実店舗で欲しい商品を見たり触ったりして確認し、後からその商品をオンラインショップで購入するいわゆる「ショールーミング」及び最初にオンラインショップなどで欲しい商品を探して、後からその商品が置いてある実店舗で購入するいわゆる「ウェブルーミング」を行う頻度についてそれぞれ尋ねました。「ショールーミング」と「ウェブルーミング」の経験を持つ回答者の割合は共通して約 8割で、「頻繁にしている」割合も約 2割しめます(図表 1)。

図表 1 「ショールーミング」と「ウェブルーミング」の利用状況

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 「ショーミング」と「ウェブルーミング」を行う理由についてそれぞれ尋ねたところ、ショールーミングは「店舗で実際に見たり触ったりすれば安心だから」と「同じ商品でも実店舗よりネットが安い場合があるから」の回答が多く、また、ウェブルーミングについては「ネットで評判やレビューを確認すれば安心だから」や「ネットの方が欲しい商品を探しやすい場合があるから」などが上位にあがりました(図表 2)。

図表 2 「ショールーミング」と「ウェブルーミング」 を利用する理由(Top 5)

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 また、購入する商材について尋ねたところ、共通して「ファッション(アパレル、鞄、アクセサリーなど)」「家電・パソコン」「化粧品・医薬品」が上位にあがっています(図表 3)。ちなみに、男女別で比較すると同じ商材が上位にあがりますが、男性は女性よりも「家電・パソコン」を、また女性は男性よりも「ファッション(アパレル、鞄、アクセサリーなど)」と「化粧品・医薬品」でショールーミングとウェブルーミングを行う傾向がみられました。

図表 3「ショールーミング」と「ウェブルーミング」で購入する商品について(Top 5)

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 都市別で「ショールーミング」と「ウェブルーミング」の経験を比較すると、東京を除くアジア都市では積極的に両方を行っています。経験割合をみていくと、東京ではショールーミングが 62%、ウェブルーミングが 51%のところ、他のアジア都市ではそれぞれ 70%~90%台となりました(図表 4)。全体的にウェブルーミングの経験割合が高く80%以上となっていますが、北京と台北は 70%台となりました。特に、ウェブルーミングを頻繁に行う都市としてはマニラ(39%)とムンバイ(37%)があげられます。

 「ショールーミング」と「ウェブルーミング」を行う理由については大きな差はみられません。また、購入する商品については、多少都市ごとの違いはありますが、全体的にファッション関連、家電・PC、化粧品・医薬品が上位にあがってきます。

図表 4 各都市のショールーミングとウェブルーミングの利用状況

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■アジア9都市平均、オムニチャネルショッパーの割合は東京の2倍以上!

 ショールーミングとウェブルーミングの両方を行う「オムニチャネルショッパー」をの割合を比較すると、アジア 9都市ではその割合がが多く 77%しめました。一方で、東京では 32%となりました(図表 5)。

図表 5 ショールーミングとウェブルーミングの併用状況 (クロス集計)

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図表 6 都市別オムニチャネル消費動向

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■「アジア10都市オンラインショッピング利用者動向調査2019」について

調査方法:インターネットによるパネル調査

調査対象都市:日本(東京)、中国(上海)、台湾(台北)、インドネシア(ジャカルタ)、シンガポール(シンガポール)、タイ(バンコク)、マレーシア(クアラルンプール)、ベトナム(ハノイ)、フィリピン(マニラ)、インド(ムンバイ)の10都市

調査対象者:10-40代の男女で、直近1年以内のオンラインショッピング利用(購入)経験者

回収サンプル数:320x10都市=計3,200サンプル

調査実施期間:2018年12月11日~2019年1月8日

 アジア都市のオンラインショッピング利用者は「ショールーミング」と「ウェブルーミング」を行う割合は高く、それぞれ約 8割をしめます。また、東京を除くアジア9都市ではその両方を行うオムニチャネルショッパーの割合も約 7~8割と高い傾向がみられます。一方東京は約 3割にとどまっており、むしろ特殊な市場といえます。したがって、アジア各都市でのEC展開を行う際には、東京以上に実店舗とオンラインを自在に行き来するオムニチャネル消費行動を前提にした施策が必要となるでしょう。

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