【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0310-0316

Today’s Topic
今週の注目ニュースは「京東集団、2021年度第4四半期及び通期決算を発表」だよ!
●ショッピファイ、配送プラットフォームのシッポーと提携

america.pngカナダの大手ネット通販プラットフォームであるショッピファイ(Shopify)が米配送プラットフォームのシッポー(Shippo)と協業したことが発表されました。APIを使い両社のプラットフォームを連携することで、ショッピファイを活用してオンライン販売を展開する事業者は、直接ショッピファイのプラットフォーム上からシッポーの配送サービスを利用することが可能となります。シッポーは、ネット通販事業者に対してUPSやDHL、フェデックスを含む主要配送事業者の配送ラベルを自動生成するほか、全配送業者の料金を比較する機能を提供しています。こうしたサービスの統合により、売り手は集荷・返品のスケジューリング、住所確認、購入後の追跡サービスを顧客に提供することが可能となっています。また、低価格でアメリカ国内や海外への配送も可能となることが特徴となっています。

情報源:日本経済新聞 "eCommerce Platform Shippo Teams With Shopify"(2022/03/09)

●ツイッター、ショッピング機能を実験的にリリース

america.png大手ソーシャルメディアのツイッター(Twitter)が、ソーシャルコマース機能の強化を図るべく、3月9日に新機能「ツイッター・ショップス(Twitter Shops)」のベータ版を発表しました。米国の一部企業向けに提供されており、大手通信のベライゾン(Verizon)やフードデリバリーサービスのオール・アイ・ドゥ・イズ・クック(All I Do Is Cook)などが含まれます。iOS向けの英語版アプリを利用する米国利用者はビュー・ショップ(View Shop)機能をタップすることで、ツイッター・ショップス掲載の商品を閲覧することができます。商品の購入時には、各事業者のオンラインショップに誘導されます。事業者は無料でこの機能を利用することができ、ツイッターでは手数料の徴収をしないとしています。

情報源:TechCrunch Japan 「Twitter、最大50件の商品を表示できるショッピング機能をベータ提供」(2022/03/10)

●西友と楽天、OMOでの協業を強化

nihonn.png大手スーパー西友が楽天との協業で、オンラインとオフラインの融合を図るOMOを強化するための新た体制を4月より展開することを発表しました。戦略の中核には、楽天ポイントを据えており、4月1日以降新たに楽天カード西友デザインを発行し、同カードでは楽天Edyの電子マネーや西友グループの店舗で利用ができるようになります。また、4月26日より、既存の楽天西友ネットスーパーを「楽天西友アプリ」に刷新し、新たに実店舗で利用できる機能の追加や楽天ポイントカード・楽天ペイも統合することで、ネットショッピングと実店舗の両方での便性向上を狙います。このような取り組みにより、新規顧客の獲得や既存顧客の活性化を目指し、ダウンロード数目標として、2022年内に120万超、25年に500万超を掲げています。

情報源:IT media Japan 「楽天×西友のOMOが新フェーズに 「楽天ポイント」を軸に協業を強化」(2022/03/10)

●ドアダッシュ、商品の返品代行サービスを実験的に開始

america.png米オンデマンドフードデリバリー大手のドアダッシュ(DoorDash)が実験的に、商品の返品代行サービスの実証実験を開始したことを発表しました。サービスを利用するためには、顧客は事前に返品商品の包装や元払いの配送シールを用意しておく必要があります。アプリ経由で返品オプションを利用すると、ドアダッシュのドライバーが商品を回収し、郵便局やフェデックス、UPSなどの受付に対応している近場の店舗にまで商品を届けてくれます。なお、同様のサービスは過去に他社も提供しており、例えばウーバーも2015年に期間限定で郵便局にまで商品を届けるサービスを提供しています。

情報源:TechCrunch "DoorDash is testing a feature that lets you return packages to post offices, FedEx or UPS"(2022/03/10)

●京東集団、2021年度第4四半期及び通期決算を発表。投資によるコスト増で赤字に転落

china.png3月10日に、中国ネット通販大手の京東集団が2021年第4四半期及び通期決算を発表しました。通期の業績としては売上高が前年対比27.6%増の9,516億元(約17兆7,783億円)となり、部門別では小売が同24.8%増8,663億元(約16兆1,847億円)、傘下物流企業の京東物流は同42.7%増の1,047億元(約1兆9,561億円)、また海外業務や技術刷新などを含む新業務は同48.1%増の261億元(約4,876億円)となりました。純損益は米国会計基準ベースで36億元(約673億円)の赤字となり、各種コストと投資損が膨らみ、前年の495億元(約9,248億円)の黒字から赤字に転落しました。また、2021年度のアクティブ利用者数は前年対比20.7%増の5億6,970万人。京東物流が運営する倉庫の数は12月末時点で1,300カ所を超え、延べ床面積は2,400万平方メートル以上となりました。今期のハイライトとして、オムニチャネル対応の強化、ラグジュアリーブランドの提携の強化、そしてショッピファイとの提携などが挙げられます。オムニチャネルの取り組みとして、第4四半期に地場小売大手のCRバンガード(CR Vanguard)の600以上の店舗のオムニチャネル対応を推進し、達達グループのオンデマンド配送サービスに対応。同様の取り組みをウォルマートや永輝超市とも進めました。また、ラグジュアリーブランドとの協業強化においては、仏LVMHグループ傘下のディオール(Dior)やロエベ(LOEWE)、ジバンシー(Givenchy)が、京東のミニアプリ経由の販売を開始したほか、時計ブランドやアイウェアブランドも相次いで旗艦店をローンチしました。また、2022年1月にカナダのショッピファイ(Shopify)と提携し、ショッピファイ利用者が簡単に京東への出店が可能とする他、中国ブランドの海外展開も支援していきます。

情報源:同社 IR "JD.com Announces Fourth Quarter and Full Year 2021 Results"(2022/03/10)

●三菱自動車、ゴジェックなど4社と協業でEVの実験へ

Indonesia.png3月14日、三菱自動車はインドネシア配車大手ゴジェック(Gojek)や郵便会社のポス・インドネシアと独物流大手DHLの現地法人、配送電などのハレヨラ・パワーなど地場事業者4社との協業で商用電気自動車(EV)の実験を月内に開始することを発表しました。実験は、ゴジェックを含む各社は三菱自動車の軽自動車サイズの電気自動車を配送に使用します。一日当たりの走行量、充電器などの使い勝手、電気自動車電池の効果などを測定することで、今後のインドネシアの充電環境や効率的な配送経路のデータを集めるというものです。なお、トヨタ自動車も同様に地場配車サービスとの協業で研究開発に取り組んでいます。同社は出資先のグラブ(Grab)との協業で、自動運転技術を活用したライドシェアサービスの開発を行っており、グラブの保有する車両100台に通信型ドライブレコーダーを搭載し、車両データの収集・分析を進めています。

情報源:同社 IR 「三菱自動車、ゴジェックと商用EVで実験」(2022/03/14)

●アマゾン、アメリカEC市場規模のシェア約6割へ

america.png決済特化メディアのペイメンツ・ドット・コム(PYMNTS.com)の独自調査によると、アメリカのオンライン購入の約6割はアマゾン上で発生したことが明らかとなり、2014年時点と比べ2倍に拡大しています。同社では流通総額(GMV)ベースで市場シェアを算出しており、競合であるウォルマート(Walmart)を比べると、新型コロナにより大きく売上を拡大したものの2021年時点でのシェアは6.2%で、いかにアマゾンが市場を支配しているかがわかります。このようにオンラインで先行しているアマゾンではありますが、ウォルマートではオムニチャネル戦略を強化することで対抗しています。実際、2月の決算発表ではウォルマートのCEOであるダグ・マクミリオン氏(Doug McMillion)は小売のビジネスモデルが変化をしており、実店舗は商品を直接販売する場所であると同時にフルフィルメントセンター化していることを紹介しています。

情報源: PYMNTS "Amazon's Share of US eCommerce Sales Hits All-Time High of 56.7% in 2021"(2022/03/14)

●H&M、中古品ブランドの取り扱いを開始

Sweden.pngスウェーデン大手ファストファッションブランドのH&Mが、本国のネット通販サイトで中古品の取り扱いを開始しました。同社は数年前に中古アパレル専門のセルピー(Sellpy)を買収しており、これまで同ブランドを中心に中古品のオンライン販売を展開し、本国以外にドイツやオランダ、オーストラリアでも展開してきました。今回は、H&Mの公式ネット通販サイトでも中古品の取り扱いを開始し、自社ブランドに加えプラダ(Prada)やグッチ(GUCCI)、バーバリー(Burberry)などの他ブランドも取り扱っていきます。まずはスウェーデンで開始し、年内にはドイツのH&Mのネット通販サイトでも展開することを計画しています。なお、中古品を購入すると、サステナブルな選択・行動に対してポイントを付与するコンシャスポイントを貯めることができ、一定のポイント数が貯まると割引クーポンなどに変換することができます。

情報源: PYMNTS 「H&Mがスウェーデンで他ブランドの古着取り扱い開始 」(2022/03/14)

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