【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0317-0323

Today’s Topic
今週の注目は「インディテックス、2021年通期決算を発表、2024年にはEC化率30%へ」だよ!
●中古専門ヴェスティエール・コレクティブ、同業のトレードシーを買収

america.png仏高級品中古販売プラットフォームのヴェスティエール・コレクティブ(Vestiaire Collective)が、アメリカの同業のトレードシー(Tradesy)を買収したことを発表しました。両社を合わせると利用者数は2,300万人、商品数は500万点、流通総額10億ドル(約1,224億円)を超えることになります。近年、ヴェスティエールでは、アメリカ市場にも進出しており、2022年に入ってからも前年対比75%成長で拡大しています。買収により、アメリカ市場でのシェア拡大に加え、トレードシーの保有する顧客データを活用することで市場にあった品揃えや価格付けをしやすくなるとしています。また、買収に合わせて、新たにロサンゼルス地域に鑑定センターも開設する計画も発表しました。

情報源:Fashion Law "Vestiaire Acquires Tradesy in Major Secondary Market Deal"(2022/03/15)

●インディテックス、2021年通期決算を発表、2024年にはEC化率30%へ

spain.gifスペインファストファッションのインディテックス・グループ(Inditex Group)が2021年通期決算を発表しました。売上高は前年対比35.8%増の227億ユーロ(約3兆577億円)オンライン売上は同14%増の75億ユーロに達し、EC化率は25.2%となりました。2024年にはEC化率が30%にまで達することを見込んでいます。アプリのアクティブ会員数は1億4,600万人となり、オンラインでの訪問率は前年対比13%の62億回。グループとして、ソーシャルメディアのフォロワー数も2億2,800万人となりました。同社では、2012年以降のオムニチャネルやデジタルへの投資は累計130億ユーロ(約1兆7,511億円)を超えており、2020-2022年の間で27億ユーロ(約3,637億円)の設備投資を計画しています。その一環として、2022年には8,000万ユーロ(約108億円)を投じてサラゴサの物流センターの生産能力を20%増やすことを計画しています。加えて、本社施設内にはザラ(ZARA)の販売・デザイン・オンライン業務を収容する新車億の建設も予定しています。このようなデジタル化に加えサステナビリティにも注力しています。その取り組みの進捗につても発表し、例えば使用エネルギーに占める再生可能エネルギーの割合は91%に達し、商品に関してはサステナブルな素材を使用した「ジョン・ライフ(Join Life)」ラベルの商品のシェアは47%となりました。

情報源:同社PR "INDITEX FY2021 RESULTS"(2022/03/16)

●ウォルマート、5万人を超える新規採用を発表

america.png3月16日、米小売大手ウォルマート(Walmart)は米国内で新たに5万人を新規雇用することに加え、2023年1月期中にグローバルに5,000人以上の技術職を採用し、カナダのトロントとアメリカのアタランタで新たな開発拠点を設けることを発表しました。事業拡大に伴う人材確保および人工知能などの新技術を活用した効率を進める計画です。アメリカ国内で人材不足が続くなかで、同社は一部職種や地域の初任給の時給を30ドルにまで引き上げることを発表しており、これは国内の平均受給の16.40ドルの約2倍となります。また、技術開発においては、現在グローバルに展開するウォルマート・グローバル・テック(Global Walmart Tech)には2万人ほどが従事しており、新拠点ではソフトウェア開発やデータ分析、サイバーセキュリティ、人工知能、物流管理などの分野の採用を進めることを発表しています。

情報源:TechCrunch Japan 「ウォルマート、5万人雇用 米・カナダに開発拠点も新設」(2022/03/17)

●ソフトバンクら仮想試着の実証実験を開始、アバター制作にはゾゾスーツのデータを活用

nihonn.pngアパレルネット通販ゾゾの子会社であるゾゾ・ネクスト(ZOZO NEXT)、通信大手ソフトバンク、繊維商社MNインターファッションの3社が共同でスマートフォンアプリを使った試着体験サービスの実証実験を進めていることを発表しました。試着体験サービスでは、アプリ内でアバターを作成し3Dデータの衣類を試着させるというものです。利用者は、店舗での試着と同様の体験を味わうことができ、商品のサイズ感やコーディネートなども可能となります。実験には20歳以上の男性400名が参加しており、MNインターファッションの紳士ブランド商品14種類を販売し、アバターで試着をしてもらっています。アプリ利用者のアバターを生成するにあたり、これまで前進採寸用のボディースーツのゾゾスーツ(ZOZO SUIT)で集積した測定データを活用します。

情報源:情報源:日経XTECH 「アバター作成にあの「ZOZOSUIT」のデータ生かす、ソフトバンクらが仮想試着アプリ」(2022/03/17)

●アナップ、メタバース空間で利用可能なファッションアイテム制作サービスの提供を開始

nihonn.pngアパレルブランドのアナップ(ANAP)は、実在のファッションアイテムをメタバース空間で利用可能な形式にデジタル変換をするプラットフォームの「アパレルド・メタ・コネクト・バイ・アナップ(APPARELED Meta connect by ANAP)」のリリースを発表しました。これまでのファッションECサイトを運営してきたノウハウを活かし、同プラットフォームでは、企業が保有するファッションアイテムの採寸データや画像素材を用いて3Dモデリング、また展開を予定する各種メタバースの規格に適合したデジタルアイテムに転換することを支援します。また、デジタルアイテムの制作に加えNFT対応へのサポートも提供します。まず、対応するメタバースとしてはディセントラルランド(Decentraland)、ヴィアールチャット(VRChat)、ネオス・ヴイアール(Neos VR)などが挙げられます。なお、アナップ自身もメタバース内でのNFT販売を行っており、3月にディセントラルランド内にメタバース店舗を新設しています

情報源:同社PR 「ANAP、ファッションアイテムをメタバース空間で利用可能な形にデジタル変換する「APPARELED Meta connect by ANAP」のサービス提供を開始。 」((2022/03/17)

●グーグル、配送関連ソリューションを発表

america.pngIT大手のグーグル(Google)が新たにグーグル・マップ(Google Map)で「ラスト・マイル・フリート・ソリューション」とグーグル・クラウドで「クラウド・フリート・ルーティング API」の2つのサービスをローンチしました。前者は、すでに一部企業を対象にサービス展開が始まっており、後者は第2四半期以降のローンチとなる見込みです。ラスト・マイル・フリート・ソリューションでは、グーグル・マップを用いたインサイトを用いることで、住所登録の改善や配送の追跡、最新の到着予測情報などを顧客と配送事業者に提供します。また、これは配送事業者の既存のワークフローに組み込むことができるため、ルーティングの改善などに活用できます。クラウド・フリート・ルーティング APIでは、フリートのオペレーターがルート最適化を支援するソリューションとなっています。配送される商品の特定や配送タスクを関連付けが可能となります

情報源:Freight Waives "Google launches last-mile and cloud fleet routing solutions"(2022/03/18)

●ナイキ、2021年第3四半期の決算を発表、EC売上は15%増

america.png3月21日、米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)は2021年第3四半期の決算を発表しました。売上高は前年同期比5%増の108億7,100万ドル(約2兆2,098億円)となり、地域別では中国市場が減少したものの、北米市場は好調を見せました。純利益は同4%減の13億9,600万ドル(約1,706億円)となりました。また、オンライン事業のナイキ・ダイレクト(Nike Direct)は同15%増の46億ドル(約5,623億円)で、共有を上回る需要により納品が遅れている状況。なお、ナイキ・ダイレクトでは、セール品目を減らし定価での販売比率を引き上げた結果粗利益率は前年同期比から1ポイント改善の46.6%となりました。

情報源:同社IRより "NIKE, INC. REPORTS FISCAL 2022 THIRD QUARTER RESULTS"(2022/03/21)

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