NEW【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0328-0403

Today’s Topic
今週の注目は、フランス下院でファストファッション罰則法案の可決です。SHEINなどのオンライン専業事業者をターゲットとしており、低価格品の輸入が罰則対象となります。
●フランス下院、ファストファッション罰則法案を可決

france.png フランスでは、サステナビリティの観点から、ファッション業界の悪習慣にメスを入れてきました。新たな動きとして3月14日に、フランスの国民 議会(下院)は、ファストファッション罰則法案が可決されました。法案が施行されれば、2025年よりファストファッション広告の禁止や低価格の輸入品に対して罰金の徴収が始まります。衣料品1点当たり5ユーロ(約813円)の罰金が科され、2030年までに段階的に10ユーロ(約1630円)まで引き上げていきます。罰金は、サステナブルな取り組みを推進するためのキャンペーンやブランドの支援に投じる予定です。法案は、SHEIN(シーイン)などのEC事業者を対象としており、ZARA(ザラ)やH&M(エイチ・アンド・エム)のように実店舗を展開するブランドは除外されています。SHEINは、法律は消費者の購買力を悪化させ、ファストファッションに留まらずすべてのファッションブランドに影響を与えると反論しています。また、米ファッション専門誌WWDの取材に対して、法律は生産量ではなく販売率に基づくべきであり、同社の衣料品の売れ残り率は"常に一桁前半"であるとの見解も述べています。

情報源:WWD 「フランス下院、ファストファッション罰則法案を全会一致で可決「シーイン」などが対象に」(2024/3/26)

●Qoo10、TikTok活用でブランド認知や購買意欲を向上

nihonn.png 中国の格安ECサイトのグローバル展開が急激に進む中で、韓国市場ではローカル事業者との競争が激しくなっています。3月に入り、中Alibaba(アリババ)は3年間で11億ドル(約1,650億円)を韓国市場に投じることを発表しました。年内に2億ドル(約300億円)を物流拠点の構築、1億ドル(約150億円)を地場中小企業の越境販売の支援を計画しています。また「Temu」(ティームー)も、4月に入り、正式に韓国国内に支社の設立を認めました。今後、地場事業者との協業を視野も計画しているそうです。海外勢が積極的な投資を進める中で、地場最大手の「Coupang」(クーパン)も、今後3年間で22億ドル(約3,300億円)を投じてロケット配送サービスの拡大を発表しました。2026年までに国土カバー率88%、2027年には全土での提供を目指します。

情報源:Reuters"Alibaba plans to invest $1.1 bln in South Korea, Yonhap reports"(2024/3/13)

情報源:Retail Asia"Coupang to invest $2.23b to expand 'rocket delivery' in South Korea"(2024/4/1)

情報源:chosun"Temu expands Korean market reach with new Seoul office"(2024/4/4)

●米ThredUPがリセール報告書を発表、市場成長率を下方修正し二次流通市場は2028年までに3,500億ドルに成長と予測

america.png 米リセール事業者大手「ThredUP」(スレッドアップ)が毎年発表する二次流通指示用の報告書を発表しました。同社では、世界の二次流通市場が2023年時点で1,970億ドル(約29兆5,500億円)と予測しており、2028年までに3,500億ドル(約52兆5,000億円)に拡大すると見込んでいます。前年の報告書では、2027年までに同額に達すると見込んでいたことから、下方修正した予測となっています。ただし、引き続き二次流通の需要が高い背景としては経済的な要因が大きく、消費者の55%が経済状況が改善しなければ二次流通で購入する衣類を増やしたいと考えています。一方で、二次流通で商品を販売する理由については、「お金を得たいから」に加え、「無駄な商品を持ちたくないから」、「サステナビルな活動だから」などと、経済的な理由以外も上位にあがっています。また、オンラインで二次流通で衣類を購入する際に、好まれるチャネルとしてはソーシャルメディア(23%)、ブランド直販(20%)やマーケットプレイス(220%)などが中心となりました。最近ではブランド側も積極的にリセール事業に参入していますが、報告書によるとアメリカでは、2023年には新たに39ブランドがリセール事業に参入し、その中にはH&MやKate Spade(ケイト・スペード)、America Eagle(アメリカン・イーグル)などが含まれており、合計163ブランドがリセール事業を展開しています。このような取り組みはブランドのサステナビリティに向けた取り組みを強化することができると同時に、新しい収入源創出にも貢献するため、引き続きブランドによるリコマースの取り組みが増えることが見込まれています。

情報源:ThredUP "Resale Report 2024"(2024/3/27)

●米Amazon、手のひら決済の利便性向上を狙い「Amazon One」アプリの提供を開始

america.png  米「Amazon」(アマゾン)は、提供する手のひら認証技術の登録手続きを簡素化するに当たり、新たに「Amazon One」(アマゾン・ワン)アプリの提供を始めました。これまで手のひら認証による支払いサービスを利用するためには、対応店舗で情報の登録を必要としていましたが、アプリ経由での登録に対応します。写真での手のひらの情報登録に加え、支払い方法や会員情報などの登も可能となりました。Amazonは顧客の手のひらの画像は暗号化され、デバイスに保存されないことを保証し、また、情報はいつでも削除できます。登録後は、手のひら決済が対応する500以上のWhole Foods Market(ホール・フーズ・マーケット)の店舗に加え、150以上の外部パートナー店舗で利用が可能です。 Amazonによると、Amazon Oneはすでに800万回以上利用されています。Whole Foods Marketで手のひら決済を利用する顧客の8割以上が、リピーターとなっているそうです。

情報源:Amazon "Amazon One launches an app to make sign-up for its palm-recognition service even easier"(2024/3/28)

●ウーバーイーツジャパン、新に処方薬の配送を開始

nihonn.png フードデリバリーサービス「ウーバーイーツジャパン」が、医薬品配送サービスを強化し、一般医薬品に加え処方薬も対象とすることを発表しました。約10万人の配送要員の物流網を活かし、最短30分で配送します。背景として、2023年1月に国内で「電子処方箋」制度が始まり、処方薬の受け取りがオンライン上の手続きのみでできるようになったことが挙げられます。サービス提供にあたり、商品の配達のみを請け負うサービス「ウーバーダイレクト」で展開します。おかぴファーマシーシステムや大賀薬局、オンライン診療のメドレーとアイメッドなど4社との連携により、各社が提供するシステムを導入している薬局の処方薬を届けます。まずは東京と福岡の一部薬局を対象にサービスを始め、2024年内には対象薬局数を数千店舗にまで拡大することを計画。個人情報や安全性を考慮し、処方箋の内容が配達員にわからないように梱包する他、置き配を禁止し、荷物を受け取る際には受取人による署名が必須としています。なお、すでに競合であるWolt(ウォルト)が、調剤薬局大手の日本調剤との協業で2023年より処方薬の配送サービスを提供しています。

情報源:日本経済新聞 「ウーバーイーツ、処方薬最短30分で配送 国内薬局数千店」(2024/3/28)

●トルコTrendyol、初となるポップアップストアを湾岸地域に開店

Turkey.png  トルコのECプラットフォーム「Trendyol」(トレンドヨル)が、海外初となるポップアップストアをサウジアラビアのリヤドにオープンしました。店舗では、5万人の販売者が提供する14万種類以上の商品を取り扱っています。Trendyolは、多様な商品の展示により、顧客が購入する前に商品を実際に確認できる機会を提供します。これにより、顧客の信頼を高めるだけでなく、オンラインとオフラインのショッピングのギャップを埋めることにも繋げていきます。  同社では、2023年9月よりサウジアラビアに加え、UAEといった中東地域への展開を強めています。サービス開始から6か月で、すでにアプリは450万以上ダウンロードされており、2024年内にはアクティブ利用者数600万人に拡大することを狙っています。

情報源:AA "Turkish e-commerce platform Trendyol opens first pop-up store in Gulf region"(2024/3/29)

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