NEW【EC業界ニュース】Weekly Topics! 0404-0410

Today’s Topic
今週の注目はブラジル最大の衣料品生産地区にてSHEINとMercado Libreが出店事業者の囲い込み競争です。Mercado Libreは地区内に拠点を新設し、ECコンサルから出荷まですべてを支援しています。
●ブラジル市場にてSHEINとMercado Libreが出店事業者の囲い込みを強化

Brasil.png 中国格安ECサイトSHEIN(シーン)とアルゼンチンのEC事業者Mercado Libre(メルカドリブレ)が、ブラジル最大の衣料品生産地区であるブラス地区にて、出店事業者の囲い込み競争を激化させています。ブラス地区の商店主のうち65%が未だオンライン販売しておらず、SHEINとMercado Libreは出店特典の拡充で新規参入を募っています。SHEINは新規出店事業者に対し初月30日間は販売手数料を免除し、14ドル(約2,120円)以上の注文の無料配送を提供します。対してMercado Libre はブラス地区内に新拠点を建設し、3ヶ月間のECコンサルタントの提供、商品の写真撮影、16ドル(約2,420円)以上の注文の無料配送、さらには商品出荷の支援などを提供します。ブラジル政府は2023年10月、海外EC事業者との不公正な競争に対する地元小売業者の不満に対し、新たな税務コンプライアンス・プログラムを開始しました。このプログラムでは、消費者が支払う輸入製品の税金が標準化され、プログラムを遵守する企業は50ドル(約7,571円)以下の輸入が免税となります。対して小口取引が多いSHEINは消費者に課せられる税金を負担することで、利用率を高めています。

情報源:restofworld "Shein and MercadoLibre are fighting over vendors in Brazil's largest garment market"(2024/4/8)

●アダストリア、2024年2月期の連結決算を発表 リテールメディア事業を開始

nihonn.png 中国の格安ECサイトのグローバル展開が急激に進む中で、韓国市場ではローカル事業者との競争が激しくなっています。3月に入り、中Alibaba(アリババ)は3年間で11億ドル(約1,650億円)を韓国市場に投じることを発表しました。年内に2億ドル(約300億円)を物流拠点の構築、1億ドル(約150億円)を地場中小企業の越境販売の支援を計画しています。また「Temu」(ティームー)も、4月に入り、正式に韓国国内に支社の設立を認めました。今後、地場事業者との協業を視野も計画しているそうです。海外勢が積極的な投資を進める中で、地場最大手の「Coupang」(クーパン)も、今後3年間で22億ドル(約3,300億円)を投じてロケット配送サービスの拡大を発表しました。2026年までに国土カバー率88%、2027年には全土での提供を目指します。

情報源:株式会社アダストリア「2024年2月期 決算短信〔日本基準〕(連結)」(2024/4/4)

●Amazon、インドでノーブランド専門店「Bazaar」の提供を開始

India.png 米Amazon(アマゾン)は、インドでAndroidアプリ向けに「Bazaar(バザー)」と呼ばれる低価格商品専門店をオープンしました。600インドルピー(約1,100円)以下の衣料品や時計、靴、宝飾品などのノーブランド商品を手頃な価格で提供しています。これにより、Amazonはインドのティア2、3およびそれ以上の地方都市で消費者の囲い込みをねらっています。Inc42 によると、インドの EC市場は2030年までに4,000億ドル(約60兆4,500億円)の規模に達すると予測しています。

情報源:Inc42 "Amazon Launches 'Bazaar' To Offer Unbranded Fashion & Home Products"(2024/4/7)

●韓国、2024年第1四半期における化粧品輸出額が過去最高を記録

Korea.png  米「Amazon」(アマゾン)は、提供する手のひら認証技術の登録手続きを簡素化するに当たり、新たに「Amazon One」(アマゾン・ワン)アプリの提供を始めました。これまで手のひら認証による支払いサービスを利用するためには、対応店舗で情報の登録を必要としていましたが、アプリ経由での登録に対応します。写真での手のひらの情報登録に加え、支払い方法や会員情報などの登も可能となりました。Amazonは顧客の手のひらの画像は暗号化され、デバイスに保存されないことを保証し、また、情報はいつでも削除できます。登録後は、手のひら決済が対応する500以上のWhole Foods Market(ホール・フーズ・マーケット)の店舗に加え、150以上の外部パートナー店舗で利用が可能です。 Amazonによると、Amazon Oneはすでに800万回以上利用されています。Whole Foods Marketで手のひら決済を利用する顧客の8割以上が、リピーターとなっているそうです。

情報源:VIETJO 「韓国、Q1化粧品輸出額が過去最高に 輸出先でベトナムが第4位」(2024/4/8)

●PayPay、Temuにてサービスを開始

nihonn.png QRコード決済大手のPayPay(ペイペイ)が、中国格安ECサイトTemu(ティームー)にてサービスを開始しました。国内QRコード決済事業者として初の参入で、日本市場で急拡大するTemuの需要からサービス利用の増加をねらう見込みです。特典制度「PayPayステップ」の対象となり、PayPayで決済すると最大2.0%のPayPayポイントが付与される予定です。PayPayはこれまで実店舗を中心に事業拡大していましたが、コロナ禍以降はオンラインサービスへの導入も強化しています。世界中で注目を集めるTemuに参入することで若年層を含む幅広いユーザーの利用を促進するねらいです。

情報源:36Kr 「PayPay、利用者急増の中国発格安EC「Temu」で利用可能に 狙いは決済回数増加」(2024/4/9)

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